プロテスト・ザ・ヒーロー、待望のサード・アルバムが完成
メタル界で一、二を争うプログレッシヴなバンドのひとつ、プロテスト・ザ・ヒーローのサード・アルバムが完成!ヴォーカリストでリリシストのRody Walker、ギタリストのTim Millar、ギタリストでピアニストのLuke Hoskin、ベーシストでリリシストのArifMirabdolbaghi、そしてドラマーのMoe Carlsonの5人がメンバーによるこのバンドは、全員の故郷であるオンタリオ州ウィットビーで10年程前に結成された。小学生のころから友人同士だった彼らは音楽的にも人間的にも共に成長してきたといって差し支えなく、またそれはアルバム全体にはっきりと表れている。Arifの祖父が描いた絵画(アルバムのジャケットでもある)にちなんで名付けた本作『スカリラス』は、バンドにとって3枚目となるフル・アルバム。高鳴るギターリフ、骨まで凍らせるオペラ的ヴォーカル、そしてこれまでで最もパーソナルな歌詞で構成された10曲が収録されている。
メンバー全員が14歳だったころ結成したPTHは、そのわずか5年後にVagrant Recordsよりアルバム「Kezia」(2005年)でデビューした。すると聴衆も批評家も彼らの素晴らしいテクニックを称賛し、同ジャンルのなかでPTHは際立った存在となる。そしてヴァンに揺られぱなしの3年間が過ぎたころ、2枚目のアルバム「FORTLESS」(Vagrant Records)をリリース。その揺るぎない才能でまたもや世間を沸かせ、ファンたちは圧倒され批評家たちは褒め称えた。Metromixは“PTHのギタリストTim MillarとLuke Hoskinは彼らが夢中になった全ギターヒーローにも肩を並べる"と評し、Deciebelは「驚くほど優秀で、激しくて、目がくらむ」と称賛。そしてメンバー全員が25歳となる今年2011年、PTHは“成長"を具現化したサード・アルバムをリリースする。
「スカリラス」はこれまでのPTHの作品とは全く違うものだ。今回初めてシンガーのRodyが歌詞の大部分を書いている。
「個人的にいろんなことがあって、歌詞を書くことが感情のはけ口になった」とRodyは言う。「楽曲はおれ自身のいろんな感情を表しているし、恋愛関係にも触れている。良い部分も悪い部分もね」
自制することなく心のままに書いた歌詞は、リスナーたちもきっと感情移入できるだろう。とはいえこれまでのファンたちも心配すべきではない。「スカリラス」の歌詞がPTH特有のリフを覆い隠すことは絶対になく、むしろもっと人々と密接にかかわることのできるものとなっているのだから。
速いペースのオープニングトラック「C'est La Vie」は、ウォームアップ的なリードギターの音とメロディックなヴォーカルでフックラインを聴衆の鼓膜に沈め、続く9曲のための準備を開始する。そして長い付き合いの友人であるJadea Kelly(「Kezia」でおなじみの)が2曲目の「Hair-Trigger」で再び参加。「昔からのファンに懐かしい気持ちになってもらおうと思って」とRody。
「彼女の声は上品でおれとは正反対。二つの声は互いに敬意を表しているよ」
RodyのシアトリカルなハーモニーとJadeaのなだめるようなヴォーカルの間をスピーカーが行ったり来たりしながら、2人が「彼女は氷みたいに冷たい……」と繰り返しつつ「Hair-Trigger」は終わる。
このアルバムは楽曲から楽曲へと流れるように自然と続く。知的なギターワークで満たされた統一したリズムは、まるで数学的としか言いようがない。直感的な言葉、器用なメロディ、そしてRodyが言うところの「隠されたスタートレックの要素」で、彼らの脳内出血メタルがあらゆる感覚を欺くのだ。
「スカリラス」は、リスナーたちに響くよう仕向けた、神秘的で意図的な直線からはPTHが方向性を変えていることを示している。
「みんながどう感じるかおれにはわからないよ」と冗談まじりにRodyは言う。「おれのなかではこのアルバムは新機軸みたいなものだけど、腰を落ち着けて聴いてみるとごく自然な流れのように感じるんだ」
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