90年代ヒップホップレジェンド多数参加!注目のユニットMALUS & LYRICAL WATERSIDEスペシャルインタヴュー!
90年代とイマを繋ぐヒップホップ絵巻!たえまなく続くライムと流れるようなビートの融合!上記レジェンドMCが参加した注目盤です。
◆アルバム完成おめでとうございます。実際、制作を終えた今の感想をお伺いさせてください。
MALUS (以下M) : 有り難うございます!これは他のインタビューでも答えたのですがよくアルバムは自分が生み出した子供の様なものと例えられますが、遂に自分に子供が出来ました!感無量です!達成感で一杯です!!これをおかずに飯が三杯以上食える感じのアルバムになったかと(笑)
LYRICAL WATERSIDE : (以下L) 若い頃からの夢で、海外ラッパーをフィーチャーして自分達のアルバム作品が出せた事で、1つ夢が叶い、同じく感無量です!
◆では、まずは、ユニットの自己紹介と今までの音楽・活動経歴を教えてください。
東東京・下町を根城とし活動しているトラックメイカー・デュオ「MALUS & LYRICAL WATERSIDE」です。
M: 元々は、個々に活動をしておりましたが、地元も近い大先輩でありながら、音楽点共通点も多くて一緒にやる事になりました。僕は元々MCをやっていたんですが、MCとして曲の構成とかに色々口を挟める様になるには、スクラッチとかも含めて必要最低限のDJスキルを持っていないと駄目だと思い、並行してDJを始めたんですが、逆にDJの魅力に取り付かれ、気付いたらMCをする事は無くなってました...。その流れで、ヒップホップだけでなくネタ物のレコードとかを漁っていたので、その延長線上で機材を揃え、トラックメイキングを開始しました。DJとしては元々ヒップホップをプレイしてたんですが、数年前まで音楽レーベルのセールスとして働いていた影響もあり、仕事柄色々な音楽を聴いていたので、幅広いジャンルに対応出来る耳になりましたね。
L: 僕の場合、トラックを作るようになったのは90年代半ば頃からです アブストラクト系でディープな、ひたすらAKAI MPC3000を核に暗黒のトラックを作っていました...(笑) 作品では2001年に「HARD DISCO」というユニットでアルバムを出したり、2007年には「REZO」という名義でアルバムをリリースしたり。その頃、別グループで活動していたMALUSと知り合い、同じ東東京出身という事で意気投合し直ぐに制作に取り掛かり今に至る。と言った感じですね。MALUS & LYRICAL WATERSIDEとしてはミックスCDの制作やライブ、LIBYUS MUSICさんからリリースされているコンピ「Listning is Believing Vol.2」を初めとするコンピレーション・アルバムへの楽曲提供、日本語ラップ・コンピ「OLD TO THE NEW」シリーズの制作などを行って来ました。
◆OLD TO THE NEWシリーズや、本アルバムなどでそれぞれ90's 黄金期時代のヒップホップへの強い想いやこだわりが感じられますが。
M:当時は学生で右も左も分からない頃、ガツンとやられたのが90'sヒップホップで... 90'sの黄金期のヒップホップって自分の学生時代の甘い思い出でもありますよね(笑) 自分の思い出だけでなく、ヒップホップ的にもやはり重要な年代だと思うし、金字塔、NAS「ILLMATIC」を始め、クイーンズ勢の楽曲が蔓延していたり、DR. DRE, SNOOP DOGGY DOGGを始めとしたG-FUNK、アンダーグラウンドではRAWKUS、FONDLE'EMなどの代表的なレーベルはもちろん、アナログレベルに至っては正体不明の、でも内容間違いないみたいな12inchがドンドンとリリースされていたり、色々とヒップホップが刺激的に開拓されていった時期なので、根底にある部分こそが"90年代のヒップホップ"である"と言えますね。
L: そうですね、そう感じて頂けると僕的には嬉しいです! プロデューサーの名前を数え上げればキリが無いですが、DJ PREMIER、PETE ROCK、LARGE PRO、DA BEATMINERS、D.I.T.C.などが作り上げてきたサウンドが単純に好きなんですよね。今まで色々なヒップホップを聴いて来ましたが、自分達が90'sヒップホップで育ち、いい意味でも悪い意味でも、やっぱり1番良かった時代だと感じているので、やはり90'sというキーワードにはこだわりたかったアルバムになってます。
◆我々、リアルタイムで体感したオーバー30世代と今、実際ヒップホップを聴いている世代を繋ぐ意味でもすごく重要なアルバムだと感じましたがそのあたりは実際、意識しましたでしょうか。
M:有り難うございます!まさにそこは狙ったところであります、今、またサンプリング文化も含め90年代回帰と言った風潮も見られますが、サウンド的には確実に今と昔では質感は基より、別ジャンルとさえ言える程に色々な形に変化してきていますよね? 僕がヒップホップにハマった時には、諸先輩方に「このレコード持ってないと駄目だとか、こんなのも知らないのか?」という時代だったので必死で勉強しました。元ネタとかも今みたいにネットがなかった時代なので先輩方に「このネタなんですか?」なんて聞いたり、自分で勇気振り絞って行動しないとその曲を仕入れる術がなかったんですよね。ヒップホップって温故知新の文化の側面も持っていると思っているので、少しでもヒップホップを皆掘り下げて聴く良いきっかけになれば。と思いも込めて制作しました。でも、年代を問わず、固い話は抜きにして色々な世代の皆に聴いてもらえるのが一番だと思ってます!!
L : 僕達なりに意識して制作しました。リアル・タイムで体感した世代にはどこか懐かしく、今の世代には、逆に新鮮に思って頂けると嬉しいです。
◆レーベル名からも感じられる、 Re:Creation<再現>のごとく、現代のニーズに合わせながらあの頃の質感を失わないトラック群が耳をとらえますが、トラック制作において、一番苦労された点、気をつけた点などがあればぜひ。
M:やはり、曲によってサンプリングを用いて制作している曲もあるので、その際にハードウェア・マニアでもある、LYRICAL WATERSIDEの名機 SP1200を使ったり、ハードウェアのエフェクトを駆使したり、とPCソフトだけで制作したものではないので、その辺りも併せて聴いて貰いたいですね。90年代の臭いを残しつつ、今のリスナーの方々に協調して貰える様な音作りも今作に重点をおきました。
L: 気持ちの切り替えが苦労したかな...特にKURIOUSのトラックは最初にデモで渡したトラックが結構ディープな感じだったので、アカペラが来てトラックを差し替えようとなった時になかなかイメージがわかず、気持ちの切り替えに苦労しましたでも、結果的にMALUSが改めて持ってきたネタで制作して大正解でしたね!
◆本作のような物語性のある流れが今、配信で1曲、1曲聴けてしまう聴けてしまう状況下で、アルバムを聴く上ですごく重要なんだなと改めて気づかされました。
M:そうですね。1曲ごとにピックアップしてダウンロードする配信もすごく便利だと思いますが、レーベルの代表とも話し、アルバムとして最後までコンセプトに沿うことにこだわり、スキップさせないで聴かせるというのが第一条件でしたね。1曲単位が良くてもアルバムを通して聴けないとか、良いアルバムでもリード曲は聴くけど、他の曲はいまいちだった等などたまに聞く話ではあるので曲順や曲間にも拘りました。気付いたら最後まで聴いてたからもう1回リピートみたいな、そんな作品になってくれたら嬉しいですね。皆の無人島レコードになってもらいたいです。
L: 1曲の中でのストーリー性とアルバムを通してのストーリー性とは、また面白味が違うし人それぞれ色んな毎日がある中での、タイトルでもありコンセプトでもある「1日」に浸って通して聴いて欲しいです。
◆MC陣とのレコーディング作業などで、一番苦労された点をお伺いできますでしょうか。
M:レーベル代表が今回海外アーティストと交渉するに当たって、対面して話していないだけに最も懸念していた、「ラッパーと交信が突然途絶えた」、「アカペラの納期を全然守らない」など色々なトラブルがありましたね。無事完成した今では笑い話にもなりますが、当時はそれによってスケジュールが変更されたりで結構ヘコんだりしたので、ある意味、そこが精神的に大変でしたね。
L: あと、各アカペラの録音状況もアーティストによっては個々で違うので、今回、ミックス・エンジニアとして参加頂いた「NU FUNK FACTORY」のMO-RIKI氏には大変お世話になりました。僕らのワガママを苦とせず、むしろ協力的に聞いて頂いて、こだわりのミックスを提供してくれました!
◆また、逆に制作中に今までヒップホップ続けてきて良かった!って思ったことはありましたでしょうか。
M:もうこれはやはり自分がレコードでいつもプレイしていたり、憧れの存在であったアーティストと楽曲を制作して今回アルバムをリリース出来た事に尽きます!!それが又作品となって皆にプレイして貰ったり、聴いて触れてもらう。この喜び以上のモノはありませんね!
L : 僕も同じです。大好きでよく聴いていた憧れのレジェンドと呼ばれるMC陣がMALUS & LYRICAL WATERSIDEのアルバムに参加してる事が未だに信じられません!!アカペラ・データが届いては震え、トラックに乗せた時の鳥肌は忘れられません!特にDIAMOND Dのアカペラが到着した時は個人的感情も含め感動した事を覚えています。
◆本アルバムを更に楽しむ為に聴いておきたいヒップホップ名盤を3枚あげるとしたら?の理由をそれぞれお伺いできますでしょうか。
◆A Tribe Called Quest / Midnight Marauders
当時、右も左も分からぬ状況の中で聴いたヒップホップってBPMがやたらと早かったりロックっぽいのがヒップホップだと認識していた中、突如耳に飛び込んできた異端的サウンド!! しっとりとしたヒップホップには、ジャズやソウルのエッセンスもあるんだよと教えてくれた自分の分岐点アルバムです。
◆Nas / Illmatic
これは言わずしれたヒップホップのバイブル。アルバム全体で50分も収録時間はなかったかな? でも嫌み無く、曲を早送りしないで聴けるこういう作品が本当のアルバムかなと思います!もし未聴の方が居ればNASのリリックも本当に凄いので、対訳付きで読んで頂きたいですね。
◆JUNGLE BROTHERS / Done By the Forces of Nature
1st.の「Straight Out The Jungle」が人気ですが、個人的にはこの2ndがお気に入りですね。リアルタイムで初めて聴いたとき「ナンダ、このアフリカの方たちは…」と衝撃受けたのを今だ覚えてます(笑) 色んな黒い要素が詰まってて、僕の中では最高のアルバム!今だに聴き続けているクラシック!!
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◆全部オススメ!だとは思うのですが、ご自身でオススメを3曲選ぶとしたら、その理由も含めてお伺いできますでしょうか。 M & L : すみません4曲でもいいですか(笑) A Fine Day Feat.Substantial It Gets Better Feat. Tash (Alkaholiks) Feelin' Good Feat. DAIMOND D One Day In Our Life ◆ここまでの面子と競演を目の当たりにしますと、次回作を期待せずにはいられないのですが、競演したいMC(国籍問わず)や今後のプランなどや予定とかございましたらお伺いできますでしょうか。
M:90年代にアンダーグラウンドという言葉を根付かした「RAWKUS」や「FONDLE'EM」などの、レーベルからリリースしているMCや、もしくは、個人的趣味のアルコール・マスターのALKAHOLIKSと曲は競演は実現したので、欲をいうと下ネタマスターのKOOL KEITHやAKINYELEと下ネタ全開の曲もやったら面白いかもしれませんね。下ネタ過ぎると発売できるかわからないですけど(笑) L: 今後の予定としては、「RE:BIRTH + CREATION(仮)」と言う、MALUS & LYRICAL WATERSIDEプロデュースのレーベル・コンピで国内のMCの方々を集めたアルバムを現在制作中です。こちらも素晴らしい面子が参加しているので是非期待してほしいですね。それとストリート企画として行っている日本語ラップのコンピレーション企画「OLD TO THE NEW」の最新作となるVOL.3もDJ DUCT、DJ MASAO a.k.a. OLD FASHIONと共に制作中です!勿論2ndアルバムの制作も進めて行きます!! ご協力ありがとうございました。 M & L : ありがとうございました!!
昔レーベルで働いてる時に丁度自分が営業していたアーティストがSUBSTANTIALの1stアルバムだったんですよ。まさか、自分が当時営業してたアーティストと曲を制作する事になるとはと感慨深いです。でも、その繋がりもあって、裏ミーニング的にあの面子の中にあえてSUBSTANTIALをフィーチャーしたという意味合いもあったりしますね。
個人的にお酒が大好きなので、いつかアルカホリクスと飲ん兵衛のお酒の曲をやりたいとずっと思ってました。誰も彼らとコラボしてなかったのは何故かな?と思い半信半疑ながら俺らがやるしかないと動きましたね。だから皆オファーしなかったのか...と思ってしまう、色々大変な側面もありましたが、オファーした意味もしっかり汲み取ってくれて、酒で堕落していく男を描いた曲にしてくれて、我が身を振り返るような曲にしてくれました(笑)
特にビートが気に入っている作品です。ちょっとだけイントロとアウトロにLYRICAL WATERISDEの声が入っているのですが、実は深夜に何テイクも録音しなおして恥ずかしい位時間掛かりました...それだけに思い入れの深い1曲になってますね。あとはとにかくDIAMOND Dが参加してくれているという事が最大の理由です!!
この曲はイメージPVもあるのですが、下町の夜更け?朝をイメージした曲で、今回PV制作してもらったFujiko氏も元々下町の方で、イメージ通りの作品に仕上げてくれました!下町の喧噪だったり、夜明けとかの風景を知ってる方にお願いしたかったんですよね。散々騒いだあとや、忙しい仕事の後に、ふと我に返って見る朝焼けだったり、今日は一日お疲れ様でしたみたいな風景って明日への糧にもなるし、自分の清涼剤になる時ありますよね? 今日はお休みと明日への希望という一日を振り返る意味でも僕はすごい好きな曲ですアルバム・タイトル・トラックなので、このアルバムを聴いて今日という1日を各々様々に振り返ってお疲れ様でした、明日も頑張りましょうというメーセージを込めております。
カテゴリ : セール
掲載: 2011年09月22日 00:00