【追悼】不世出のブルース/R&Bシンガー、エタ・ジェイムス
2012年1月20日、カリフォルニア州リバーサイドの病院で、白血病による合併症のため死去。(享年73歳)
1938年にロサンゼルスで生まれ、幼少の頃から教会でゴスペルを歌っていたエタ・ジェイムスは、1955年にチェスからデビュー。1960年代、「At Last」、「Tell Mama」、「I'd Rather Go Blind」といった大ヒット曲を送り出してリズム&ブルース・ブームのトップの座に君臨。
1970年代も作品をリリースし続け、1980年代後半にはキャリア初期から悩まされていた薬物中毒を克服、その後グラミー賞を数回受賞し、1993年にはロックの殿堂入りを果たした。近年にはポップス、ジャズのレパートリーでも高い評価を獲得。
2008年には、彼女が長く在籍したチェス・レコードの50年代における隆盛を描いた映画「キャデラック・レコーズ」で、現代最高のミューズ=ビヨンセがエタ・ジェイムス役を力演した。そして、2011年に音楽界からの引退を決意し、自身のお気に入りのスタンダード・ナンバーを歌った渾身のラスト・アルバム『Dreamer』を発表。
50年にも及ぶキャリアで、波乱万丈の人生を送りながら、数々の名唱を残した偉大なるシンガー、エタ・ジェイムス。前述のビヨンセはもちろん、ダイアナ・ロス、ティナ・ターナー、ジャニス・ジョップリン、アーマ・トーマス、クリスティーナ・アギレラ、アデルなど、彼女のスタイルは多くのアーティストに影響を与え受け継がれている。
謹んでご冥福をお祈りします。
掲載: 2012年01月21日 11:00
更新: 2012年01月21日 11:00