ベル・アンド・セバスチャン『Late Night Tales』に再登場
2011年、10周年を迎えた大人気コンピレーション・シリーズの最新作は、06年に同シリーズを登場し大好評得たグラスゴーの至宝、ベル・アンド・セバスチャンが再登場!
2回目の今作には、これぞベルセバらしいと思える選曲と普段のベルセバとは結びつかないようなレアの音源を掘り下げて選曲しているのが特徴だ。60年代後半に活躍したフォー・シーズンズの覆面バンド、ザ・ワンダー・フー?や柔らかなサウンドで人気のジャズギタリスト、ジョー・パス、そして更にエチオピアン・ジャズの最重要人物、ムラトゥ・アスタトゥケ、ハープ奏者のドロシー・アシュビーなどを優しく紡ぐ前半は本当に心地よい。そこに、ゴールド・パンダの現代的ビートとブロードキャストのサイケデリアが後半の流れへと上手く導いてくれる。
中盤、ザ・ポップ・グループとスタン・トレイシーのエクスペリメンタルでディープなジャズを経て、今作の目玉であるベルセバによるザ・プリミティブスの「Crash」の最高にポップなカヴァーとチルウェイブ・シーンで人気のトロ・イ・モアのしなやかなファンク・ サウンドから女性レゲエDJのセシールがアルバムを華やかに彩る。終盤、モグワイの<Rock Action>からもリリースする同郷のリメンバー・リメンバーとブリティッシュ・フォークのトゥリーズ、ブラッド・スウェット&ティアーズから、バズコックスの中心人物、ピート・シェリーのエレクトロ・ポップで一気に盛り上がりをみせる。そしてスティーブ・パークスによる哀愁漂うソウル・ヴォーカルと、電子/現代音楽家デヴィッド・バーマンによるシンセとチェロの揺らぎで美しく幕を閉じる。
本作は、ここ日本でも絶大な人気を誇るベルセバが受けてきた影響やインスピレーションと共に、彼らの本当の“ホーム・リスニング・ミュージック”を見事にコンパイルしたセンス溢れる作品となっている。
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掲載: 2012年02月22日 13:04