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エンニオ・モリコーネの美しい旋律が寄り添う『アンネの追憶』

アンネの追憶 

エンニオ・モリコーネの哀しく美しいサウンドがアンネの運命に寄り添う『アンネの追憶』

世界の大切な記憶として読み次がれる『アンネの日記』。その主人公アンネ・フランク。アンネが日記に記したその後、彼女は、どのような運命をたどったのか。アンネの親友のハネリー・ホスラーの証言を一冊にした「もうひとつの『アンネの日記』」を原作に、『恐怖の航海/アキレ・ラウロ号事件』『戦火の奇跡 ~ユダヤを救った男~』のアルベルト・ネグリン監督が映画化。そして、音楽は、ネグリン作品には度々参加している映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ。

  アンネの追憶

 

 

 

【アルベルト・ネグリン監督作『アンネの追憶』をきっかけに、エンニオ・モリコーネの美しい音楽が響く作品を総括する】

映画音楽界を代表する巨匠、エンニオ・モリコーネのサウンドには、いくつもの顔があります。ラウンジ、マカロニ・ウエスタン、サスペンス、そして実験的なアプローチ・・・中でも、ファンを魅了するのは『ニューシネマ・パラダイス』に代表されるような、ノスタルジックで美しいストリングスを中心とした世界。そんな世界をお楽しみいただける作品をサントラ、モリコーネと女性シンガーとの共演盤、DVDともにご紹介いたします。

『華麗なる女銀行家』(1980)

監督 フランシス・ジロー / 主演 ロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャン、マリー・フランス・ピジェ、ダニエル・オートゥイユ / 1930年代にフランス初の女銀行家となったマルト・アノーをモデルにした、その美貌から、帽子売りから、社交界へと出世していくユダヤ人の女性の一代記。監督は『地獄の貴婦人』のフランシス・ジローで、再び、ロミー・シュナイダー、そしてモリコーネと組んだ。モリコーネが美しいヒロインのための音楽を書くと絶品ですが、こちらも、その代表例。すべての波乱の物語をノスタルジックに回想するようでもあり、そしてそこに華があるメインテーマ、チャーミングなフルートによるメロディはラウンジ系モリコーネ曲の中でも随一な「AMOROSAMENTESCHERZOSO」、軽やかに美しいワルツの6曲目など、美女を描いたモリコーネ、のうっとりとしていただく傑作。

 

『別れ』(1972)

監督 ピエロ・シヴァザッパ / 主演 マッシモ・ラニエリ、フロリンダ・ボルカン、クロード・マン、マリアンジェラ・メラート / 人妻と青年の恋。夫が不在の最後の四日間を楽しんだふたりには、別れだけが待っており、青年は死を選ぶ。人気のカンツォーネ・シンガー、マッシモ・ラニエリ主演の美しいラブストーリー。監督は『FEMINA RIDENS』や『DOV'E ANNA?』など、チプリアーニとの仕事が知られるピエロ・シヴァザッパ。こちらのモリコーネのサウンドも、ラウンジと純正イージーリスニングの中庸を行く、美しいストリングス・サウンドと、ボサノヴァ・ギター・ナンバー。愛のモリコーネ・サウンドの名編の一つでしょう。

 

『IL PRATO』(1979)

監督 パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ / 主演 イザベル・ロッセリーニ、ミケーレ・プラチド / 現代を舞台に、判事の勉強中の青年、町でアニメ上映会を開くことに精力を傾ける娘、そして新しい農業を模索する彼女の恋人の三角関係。三人の真摯なドラマをじっくり捉える、タヴィアーニ兄弟監督の力作。モリコーネによる音楽は、リコーダーによる素朴な美しさのメインテーマ、ノスタルジックな香りで、シリアスさとスウィートさを行き来するストリングスと、70年代後半以降の『ニューシネマパラダイス』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の流れを汲む美しさを満喫する一作。

 

『天国の日々』(1978)

監督 テレンス・マリック / 主演 リチャード・ギア、ブルック・アダムス、サム・シェパード、リンダ・マンズ / 20世紀初めのアメリカの農場を舞台に、農場主の余命が少ないことを知った農夫が貧しさから逃れるために、自分の恋人を結婚相手として差し出す人間ドラマを置きながら、あまりにも絵画的に美しい映像の中に描き出す奇跡的叙事詩。監督は、本作で天才監督の名を確定したテレンス・マリック。本作のみマリック作品に音楽をつけたエンニオ・モリコーネの音楽も神々しい。物語のメインメロディ的な、サン・サーンス「動物の謝肉祭」の「水族館」の変奏もしくは延長線上につづられるモリコーネ作曲のメインテーマや、スコアの数々。優しく美しいが、どこか突き放した厳しさを感じさせるメロディを奏でるストリングス。今回のFSM盤は、オリジナルLP用のマスターと、大量に録音されながら、ごく一部しかLP収録にならなかったモリコーネの音源を、DISC1の後半とDISC2であわせて約100分もの収録。FSM渾身のプロジェクト。サントラ・ファン全員必携の名作!!

 

『さらばモスクワ』(1986)

監督 マウロ・ボロニーニ / 主演 リヴ・ウルマン、ダニエル・オルブリフスキ / ロシアに住むユダヤ人の科学者に襲う悲劇。『沈黙の官能』『薔薇の貴婦人』『金曜日の別荘で』といったエロティックな作品でモリコーネと名作を残すボロニーニ監督の、女性が主人公ですがこちらは硬派社会派ドラマ。モリコーネは重厚ながら、主人公が女性ということもあってか、優しいまなざしのある美しくも哀しいメロディをメインに据え、じっくり聴かせる。列車音的なリズムを取り入れたナンバーなどもあり、モリコーネの実験精神も貫かれる。しかし、やはりひとりの女性に起こった悲劇のドラマ音楽としてストレートに響いてくる。美しいモリコーネ・サウンド・ファンにおすすめ。

 

 

ヘイリー&エンニオ・モリコーネ 『癒しのピュア・ヴォイス(原題「PARADISO」)』

16歳時に歌った「アメイジング・グレイス」で、日本でも天才少女シンガーとして注目された、新世代の絶対音感ヴォーカリスト、ヘイリー・ウェステンラ。世界の美女ヴォーカリストとの共演は、ポルトガルのドゥルセ・ポンテス以来となる巨匠モリコーネは、今回、このあまりにも美しく澄んだ歌声を持つヘイリーをローマに招き、自身の常連オーケストラのミュージシャンたちと、名曲から、モリコーネ自身のこだわり曲まで14曲を録音。流れるように美しいストリングスをバックに、天に届くようなヘイリーの歌声が溶け合っていく。ヘイリー自身が歌詞をつけた「ガブリエルのオーボエ」「レディ・カリフ」やヴォカリーズとして聴かせる「ウエスタンの愛のテーマ」、カジュアルなポップス・アレンジで唯一聴かせる「ある夕食のテーブル」、モリコーネの奥方マリア作詞の「ニューシネマパラダイス・愛のテーマ」といった名曲どころを前半に据え、今回のための新曲となる「クリスマスのために」、ポンテスとのアルバム時に作られた「愛のアマリア」をはじめとした、モリコーネが女声ヴォーカルに捧げるナンバーとしての注目曲が中盤に、そして「勝利への賛歌」、ラストの「マレーナ」へと続く。うっとりと時を忘れたい時に。(限定盤のボーナスDVDは、ローマで撮られた「ニューシネマパラダイス」曲のプロモーション・ビデオ。出演はヘイリーのみで、メイキング映像ではありません)

 

エンニオ・モリコーネ&ドゥルセ・ポンテス 『FOCUS』

感動の嵐!!ドゥルセの聖なる歌声で歌われる「ニュー・シネマ・パラダイス」「ミッション」「マッダレーナ」「ウエスタン」「ある夕食のテーブル」(少し、ミレイユ・マチューを思い出させて名演)「キ・マイ」そして、今回のためのモリコーネ書き下ろしアマリア・ロドリゲスに捧げる6曲目、牧歌的な親しみやすさがいい8曲目、ミュージカルの中のナンバーのような13曲目など、あまりにも美しすぎる音楽を堪能できる、とにかく超鳥肌立ちっぱなしの15曲64分!!!!!モリコーネ・ファンはもちろん全員必携!音楽史に新たなページを切り開く名盤の誕生といっていいでしょう。

 

 

 

 

 

 

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カテゴリ : 予約

掲載: 2012年07月10日 16:06

更新: 2012年07月13日 19:33