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新たにスポットを浴びるブロンソンのバイオレンス名編、エンニオ・モリコーネ『狼の挽歌』

狼の挽歌エンニオ・モリコーネの、アクション映画サントラの名盤『狼の挽歌』が、ジャケットを一新して、イタリアで再発。60年代後半から70年代のアクション映画のスター中のスター、チャールズ・ブロンソン。『大脱走』『特攻大作戦』などの戦争映画、『荒野の七人』『戦うパンチョ・ビラ』『ウエスタン』といったウエスタンなどのジャンルですでに男の魅力を見せ付けつつ、アラン・ドロンと共演したフィルムノワール『さらば友よ』、ロマンティック・サスペンス『雨の訪問者』で見せる新たな、現代を舞台にしたドラマで、さらなるブロンソンの定番が形作られつつあった。そして、その極めつけとなったのが1974年の『狼よさらば』と、この1970年『狼の挽歌』。一匹狼の殺し屋が最後にいきつく「標的」とは・・・

監督は『血斗のジャンゴ』『復讐のガンマン』など、マカロニ・ウエスタンで秀作を世に出していたセルジオ・ソリーマ。ソリーマは『狼の挽歌』ののち、タランティーノがテーマを『イングロリアス・バスターズ』で使用して再注目された『非情の標的』も発表する。

現代劇におけるブロンソンのバイオレンスに、さらにドスを効かせたのが、巨匠エンニオ・モリコーネ。70年代にモリコーネが聴かせた、陰謀サスペンスにおけるダークながらユニークな音色のアプローチと、マカロニ・ウエスタン音楽の流れの延長線上と思われる、ニヒルなアレンジ。現代バイオレンスものにおけるモリコーネ・サントラのベーシックな形が、ここで確立したといってもよいだろうか。

『狼の挽歌』は、昨今、近年のバイオレンスの代表作として記憶されることになった『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督が、フェイバリットな一本としてあげたことによって、ブロンソン諸作とともに、若い映画ファンにも注目されるようになり、まさにその機会ならではの再発といっていいでしょう。

掲載: 2012年10月15日 15:52