レイ・カマチョ・バンド、チカーノAOR/メロウ・ソウルの幻名盤が世界初CD化
知る人ぞ知るチカーノ系AOR~メロウ・ソウルの名盤が遂にCD化!テキサス生まれでカリフォルニアを中心に活動するトランペット奏者、レイ・カマチョが80年代初頭に制作したおそらく唯一のAOR系のアルバムがこの『リーチ・アウト』。
泥臭いチカ-ノ・ミュージックとは一線を画す洗練されたメロディの数々を聴かせてく
れる作品で、『ミニット・バイ・ミニット』で大きく方向転換したドゥービー・ブラザーズあたりにインスパイアされたのかもしれないが、本作はドゥービーのような大成功を収める事はなく、歴史の中に埋もれて行き、レイ・カマチョはこのアルバム以降は元通りにテキサスな音楽性へと回帰していく。
しかし、このアルバムは今聴いてみても全8曲が見事な完成度を見せる傑作。歌も演奏も素晴らしい水準で、その力量は当時の一流の黒人バンドなどにも全く引けをとらない。1曲目はまったりしたバラードで、続くミディアム・テンポのAORナンバー“New York”が、まさにAORファンの方にはどストライクといえるもので、マッキー・フェアリーやロブ・メールなどのハワイ系AORを思わせる名曲。3曲目は本アルバムで最も有名なナンバーといえる“Hollywood”で、美しいコーラス・ワークが魅力のメロウ・ソウル。5曲目の“Shake What You Got”は力強くいかにも80年代っぽいダンス・トラックで、これもAORファンにはぜひともオススメしたいナンバー。その他の曲も全て良い出来で、7曲目の“Nobody But You”もAOR風だが、実はラストの強力なファンク・ナンバー“Nothin' But A Party”が凄い。AORファンにも、メロウ・ソウル~ファンクのファンにも自信を持ってオススメできる傑作が蘇る!