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ザ・フー、ロック・オペラ『トミー』の誕生を追ったドキュメンタリーが登場

The Who

1969年、初の本格的ロック・オペラ作品として世に姿を現したアルバム『トミー』。本作ではライヴ・バンドとして世間に大きなインパクトを与えたザ・フーが壮大なコンセプト・アルバムへと向かい、そして大きな成功を掴む過程が当事者や関係者によってリアルに語られている。

1968年、ピート・タウンゼントが出会ったインドの導師、ミハー・ババからの強い影響を受けピートにより書き下ろされた『トミー』は当初スピリチュアルで荘厳な佇まいを見せる作品だったが、そこにある種下世話な「ピンボール」というテーマが取り込まれることにより、よりポップでエモーショナルなアルバムへと昇華していく。そんな紆余曲折を経ながらアルバムが完成に向かうさまはスリリングでかつ感動的である。そして、ザ・フーによる徹底したツアーにより、その人気と評価を確固たるものにしていく『トミー』は巨大化続け、75年にはケン・ラッセルの手により映画化。そして、92年にはブロードウェイでミュージカル版が上演、トニー賞を5部門受賞するなど、バンドを超えた作品へと発展しつづけていく…。

貴重な記録映像を交えつつ、楽曲誕生のエピソードや制作秘話が当事者や関係者たちによってひとつずつ紐解かれる本作には新たな発見や視点が溢れており、アルバムを深く理解するのに格好の映像作品となっている。監督は今やお馴染みの音楽ドキュメンタリー『クラシック・アルバムズ』シリーズなどを数多く手がけたマーティン・R・スミス。貴重な証言を行うのは『トミー』の作曲者であり、ザ・フーの音楽的支柱だったピート・タウンゼント、ザ・フーのヴォーカリストであり『トミー』そのものを体現し続けたロジャー・ダルトリーはもちろんのこと、『トミー』誕生を傍らで見続けた友人でかつバイオグラファーのリチャード・バーンズ、60年代の英国音楽シーンを記者として追い続けたジャーナリスト、クリス・ウェルチ、60年代から現在まで一貫してザ・フーのサウンドを支え続けている名エンジニア、ボブ・プリデン、ミハー・ババの信者としての繋がりを持つアーティストで、『トミー』のアートワークを手がけたマイク・マッキナニー、ローリング・ストーン誌の創設者ヤン・ウェナー、ブロードウェイ版『トミー』を手がけたデス・マッカナフなど、枚挙にいとまがない。もちろん、既に故人となったザ・フーのベーシスト、ジョン・エントウィッスルやキース・ムーン、マネージャーのキット・ランバートとクリス・スタンプなどの証言もしっかりと押さえられている。

本作は本編約80分に加え、1969年9月27日収録の独TV「ビート・クラブ」の“トミー・スペシャル”がピートへのインタビューを含め約32分、全編収録される。9曲もの『トミー』収録曲がプレイされたTVはこれが唯一のもので、見応えあるものとなっている(モノクロ/約32分)

監督:マーティン・R・スミス
出演:ピート・タウンゼント / ロジャー・ダルトリー / リチャード・バーンズ(友人・バイオグラファー) / ボブ・プリデン(エンジニア) / クリス・ウェルチ(音楽ジャーナリスト) / マイク・マッキナニー(画家・アーティスト) / ヤン・ウェナー(ローリング・ストーン誌創設者) / アンソニー・デクルティス(ローリング・ストーン誌) / デス・マッカナフ(映画監督・プロデューサー) / リチャード・スタンリー(友人・映画監督) / デヴィッド・ワイルド(音楽ジャーナリスト) / ジョン・エントウィッスル(故人) / キット・ランバート(マネージャー:故人) / クリス・スタンプ(マネージャー:故人)

【Blu-ray仕様】
本編:約80分 / ボーナス映像:約32分 / 日本語字幕付 / 日本語解説付 / トールケース仕様
音声:リニアPCMステレオ / DTS-HD マスター・オーディオ / モノラル(ボーナスのみ)
画面サイズ:16:9 *ボーナスのみ4:3

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タグ : リイシュー

掲載: 2013年12月26日 13:24