THE BAWDIESの新アルバム『Boys!』をより深く楽しむ〈洋楽名作選〉
50~60年代のR&R/R&Bへの限りない憧憬と愛情、全曲英語詞という拘りを貫きメジャーシーンで異彩を放つTHE BAWDIES。マニアックな洋楽カバー集『GOING BACK HOME』やソウル~R&Bガイド本『THE BAWDIES: THIS IS MY SOUL』などに於ける音楽への造詣の深さは、ファンなら今更説明不要だろう。そして純然たるアルバムとしては2年ぶりの『Boys!』で提示したのは“更なる深化”。そこで今一度彼らの音楽的魅力を紐解く洋楽を、そして日本にもいるカッコいいガレージ/R&Rバンドを厳選してご紹介します!
●The Sonics 『Boom』
UKマージービート譲りの印象が強いTHE BAWDIESだが、60年代US産ガレージ・パンクの代名詞であるソニックスからの影響は絶大。初期衝動にヤラれるファースト『Here Are The Sonics !!!』も名盤だが、荒々しさの中にもモダンさが光る本セカンドこそ、今作の彼らと高い親和性を感じる。ビートルズと同時期にこんなパンクな奴等がいたこと自体が奇跡なのだっ!なお2011年には40年ぶりの新作でカムバック。
●The Beatles 『プリーズ・プリーズ・ミー』
何を今更とお叱りを受けそうだが、新作からいち早く公式サイトにPVがアップされた“KICKS!”を聴いたらやはりハズせないと再確認。しかも12月17日にはビートルズ初紙ジャケ&高音質CDでアルバムが一挙復刻!となればコレを機に、何となく有名過ぎてスルーしてきた方(意外といるんです)も、改めて聴き直してみては?特に初期はどれでもいいが、黒っぽさとガレージ&ロケンロー指数が圧倒的なデビュー作からどうぞ。
●Ray Charles 『ホワッド・アイ・セイ』
ソウル代表として、カバー・アルバム『GOING BACK HOME』で2曲採り上げていたレイ・チャールズを。サザンの“愛しのエリー”をカバーするなど、中期以降はバラーディアーとしての側面も強いレイだが、ファンキーでロッキンな初期のギラギラっぷりは問答無用にカッコイイ!という訳で前述のカバー集でも出色の仕上がりだった“WHAT'D I SAY”を含むこの名盤をまずはオススメ。歌&演奏ともドライヴ感がハンパないっス!
●The Strypes 『スナップショット』
アイルランドのTHE BAWDIES!?2012年にデビューした平均弱冠16歳の4人組、ザ・ストライプスのデビュー・アルバムは、チャック・ベリーやボ・ディドリーなどのR&R/ブルース、60年代のR&Bやマージー・ビート、パブ・ロックを基調とした音楽性で、もはや他人とは思えない。徹底したヴィンテージ・マニアぶりと10代とは思えぬ堂々たるパフォーマンスでポール・ウェラーやギャラガー兄弟も絶賛!お、ウェラーで見事繋がったじゃあないですか!
●The Heavy 『THE GLORIOUS DEAD.』
若手からもう一組。黒人シンガーのスワビーを擁するUKのバンド、ザ・ヘヴィー。3枚目の本作には、日本でもブレイクした「ペプシネックス ゼロ」CM曲“Same Ol'”を収録!熱いスワビーのVoを軸に、ソウル~R&Bをベースにした骨太なR&Rから、ガレージ、ブルース、サイケなど雑多な要素を違和感なく聴かせる手腕は、THE BAWDIES好きも虜になること確実!サンプリングも使うなど上述のザ・ストライプスや、ROYがライバルと公言するイーライ"ペーパー・ボーイ"リードよりスタイリッシュな感覚が持ち味だ。
掲載: 2014年12月04日 13:00
更新: 2014年12月04日 13:00