金澤寿和監修、新井正人による和製AOR傑作3タイトルがリイシュー
金澤寿和監修による「Light Mellow's Choice」シリーズより、「機動戦士ZZガンダム」主題歌のヒットやオメガトライブの3代目ヴォーカリストとしても活躍した、新井正人の長らく廃盤だった名作ソロ3タイトルが、最新デジタル・リマスタリング、ボーナス・トラックを追加して再復刻される。
新興レーベル“ハミングバード”と契約し、1987年にリリースされたソロ・デビュー作『MASAHITO ARAI』は、数多の大物をサポートしてきたセンチメンタル・シティ・ロマンスがアレンジ(ストリングスのみ中西俊博が担当)と演奏で全面バックアップ。他にも村田和人、野口明彦(元シュガー・ベイブ~センチ)ら山下達郎絡みの面々がバック・ヴォーカルで参加し、心地よいアーバン感覚が堪らないAOR~シティ・ポップの名盤となった。中でも数原晋のフリューゲル・ホーンが映える“ムーンレディ”、マーヴィン・ゲイ“What?s Going On”を大胆引用した“モーニング・サブウェイ”、シングルのカップリングになった“ラブレア”は絶品!
続いて'88年9月に登場したセカンド・ソロ『FUZZY』も作曲はすべて新井自身、アレンジが告井延隆(センチ)、バックはセンチと陣容も変わりがなく、鉄壁のコンビネーション。全体は前作の延長線上ながら、より煌びやかな80年代的アーバン・サウンドに進化しており、百貨店のイメージ・ソング“素敵にテイスティ”、チョコレートのCMソングとしてシングルにもなった“HIS”、ボッサ・スタイルに仕上げられた極上アコースティック・チューン“彼女はNO BRAND”など質の高い名曲がズラリと並ぶ。
そして前作から8か月という短いインターバルで'89年にリリースされたのがサード・ソロ『NECESSARY』。全曲、新井自身の作曲、サポートも相変わらずセンチがベタ付きしており、前2作のアーバン・メロウ感覚を損なうことなく、より普遍的なメロディ・センスと、センチが本来持っている西海岸ロック的な爽快さが加味されている辺りも聴き所だろう。中でもアパレル・メーカーCM曲“Lonely Girl”と“ナイト・ミラージュ”のシングル2曲、熱いヴォーカルとドラマチックなアレンジで聴かせる“Miss You”、そしてウェットなピアノの弾き語りバラード“B級喜劇”は新井正人のキャリアでも出色の仕上がりで、聴き応え充分だ。なおボーナス・トラックを2曲追加収録。
3タイトルとも何れも当時大ヒットした訳ではないが、タイアップの多さからも楽曲のクオリティは保証付き!新井の心地よいハイトーン・ヴォイスに酔いしれる、AOR/シティ・ポップス・ファン待望の復刻をお見逃しなく。