アグノスティック・フロント、約4年振りとなる通算11作目のスタジオ・アルバム
NYCハードコア・シーンのベテラン、アグノスティック・フロント。1983年発売のEP『UNITED BLOOD』、そして1984年の『VICTIM IN PAIN』で音楽シーンに衝撃を与えた彼らは、30年間に亘りシーンの顔役として、NYCハードコア・シーンを形成・発展に大きな役割を果たし、また大きな影響を与えてきた。
その彼らが通算11作目となるスタジオ・アルバムをリリース!『THE AMERICAN DREAM DIED』と名付けられたアルバムは、ともするとここ最近の彼らの中で最もアグレッシヴな作品になるやもしれない。クロスオーヴァーからプロト=グラインドコア、OIパンクまで、本作には全てのアグノスティック・フロント・ファンが待っていたであろう、全ての時代のアグノスティック・フロントを盛り込んだ1作となっている。
ヴォーカルのロジャー・ミレットもこう力説する:「バンドも俺も、ここまで自信と熱意をアルバムのリリースに感じることは久しくなかった。ここには怒りと憤怒、そして率直な気持ちが揃っている――いずれも傑作には必要不可欠な要素だ!レコーディング・セッションは濃すぎるぐらいに濃密で、それが全て結果に表れている!」
パンクの中でも一際極悪なサウンドを繰り出し、「ハードコア」というジャンルの誕生に大きな役割を果たした彼らの、アグレッシヴなドラム、火を噴くギター、ドライヴしまくるベースにノンストップのシャウト・・・その全てが未だ健在である。荒れたストリートで育ち、友人たちが殺される事態にも瀕し、さらにメンバーの逮捕によるバンド存続の危機など、実生活でも順風満帆とは程遠いリアルでハードコアな経験をしてきたアグノスティック・フロント。数々のハードコア、パンクの伝説的バンドが伝説として歴史の一頁になっていく中、彼らが21世紀の今でもシーンで雄叫びを上げていること、それこそが重要なのである。
マッドボールなどを手掛けたフレディ・クリシアンをプロデュースに迎え、H2O、アトレイユ、デス・バイ・ステレオなどを手掛けたポール・マイナーとともにBUZZBOMB STUDIOでレコーディングされた『THE AMERICAN DREAM DIED』でアグノスティック・フロントは、「ハードコア・フォー・ライフ」のスローガンを掲げ、自分たちが未だに剃刀のように切っ先鋭く、シーンに切り込んでいけることを証明するのである。
タグ : PUNK/EMO
掲載: 2015年04月07日 10:32