アクティヴ・チャイルド、4年振りとなるセカンド・アルバム
LAを拠点に活動しているパット・グロシによるプロジェクト、アクティヴ・チャイルド。2010年の初夏に6曲入りのデビューEP『Curtis Lane』をリリースし、そのノスタルジックなシンセ・ポップは、当時のムーヴメンとであったグローファイ/チルウェイヴの波に乗って一挙に注目を集め、 NMEの50 BEST NEW BANDS OF 2010」にも選出された。
そして2011年にファースト・フルアルバム『You Are All I See』を発表。盟友ハウ・トゥ・ドレス・ウェルも参加した本作は、ニュー・オーダーを彷彿とさせる80年代的なドラムからダンサブルなヒップホップ・ビートまでを横断するリズムに、感情揺さぶる美しいハープの音色、 R&B的なメロディが融合し、ドリーミーで重層的なシンセとボン・イヴェールやジェームス・ブレイクとも比較される、パットの中性的で美しくソフトなヴォーカルのレイヤーが溶け込んでいくドリーミーで気高いサウンドをみせ、各所で絶賛された。 同年12月には初来日公演も果たし、ここ日本でも知名度を上げた。
2013年にミッキー・エッコやエリー・ゴールディングをフィーチャーしたEP『Rapor』を経て、遂にリリースとなるセカンド・フル・アルバムがこの『Mercy』である。もちろんこれま での延長線上といえるサウンドではあるが、より気高くオーセンティックに進化を果たしている。
ブロンド・レッドヘッドやフィーヴァー・レイなどを手掛けて来たヴァン・リヴァースと共にブルックリンで録音された本作は、ハープとピアノを主体に作曲されており、シンプルながら緻密なアレンジと構築が施されている。低音が 心地よく効いたベース、時に意表をついてくる的確且つダンサブルなエレクトロニック・ビートを土台に、美しいハープやピアノが時にリヴァーブ に彩られながらパットのエンジェリックなヴォーカルやコーラスと絡み合い展開していくエモーショナルなエレクトロR&B~ブルーアイド・ソウル。
太いベースにエレクトロニクスによるアトモスフィアと立体的な音像、そしてヴォーカルのコンビネーションが見事で、ファーストを上回る傑作に仕上がっている。幅広いリスナーに受け入れられることは間違いないが、パットが敬愛するエリオット・スミスを好まれる方にも是非聴いていただきたい。
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掲載: 2015年06月15日 20:14