2013年“ヴァッケン・オープン・エア”にディープ・パープルが降臨
2013年春、イアン・ギラン、イアン・ペイス、ロジャー・グローヴァー、スティーヴ・モーズ、ドン・エイリーによる第9期ディープ・パープルは、名プロデューサーのボブ・エズリンを迎えて実に7年ぶりの新作スタジオ・アルバム『ナウ・ホワット?!』を発表した 。2012年に亡くなったオリジナル・キーボード奏者ジョン・ロードに捧げられたこのアルバムで、彼らはそれまで培ってきたツアーでの経験をたっぷりと注ぎ込みながら、見事にその健在ぶりを示すことに成功している。
そんな彼らが、最新アルバムのリリース直後に行なったコンサートのハイライトが、本作に収録されているステージの模様だ。“W:O:A”のロゴでお馴染みの“ヴァッケン・オープン・エア/Wacken Open Air”は、ドイツ北部のシュレーヴィヒ・ホルシュタイン州ヴァッケンで1990年から毎年開催されているヨーロッパ最大級のヘヴィメタル・フェスである。2013年8月1日に彼らはここで、野外メイン・ステージのひとつである“ブラック・ステージ”に登場。「ハイウェイ・スター」を皮切りに、「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン」「レイジー」「スペース・トラッキン」といった黄金期を代表するナンバーから、「ヴィンセント・プライス」「ヘル・トゥ・ペイ」「アバヴ・アンド・ビヨンド」といった最新アルバム『ナウ・ホワット?!』からの新曲まで、全17曲を圧倒的なパワーとテクニックで堂々と演じ切った。
そのなかでも今回とくに聴きものといえるのが、ドイツが世界に誇るギター・ヒーロー、元スコーピオンズ~エレクトリック・サンのウリ・ジョン・ロートをゲストに迎えての名曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だろう。スティーヴ・モーズとのイントロでの掛け合いや、中盤でのソロの応酬などからは二人の個性の違いが興味深く、ギター好きにとってはその点もたまらない魅力だ。
そしてBlu-rayには、通常のライヴ映像に加え3Dヴァージョンも同時に収録しており、ディープ・パープルの作品としては今回が初めての仕様となる。高音質、高画質に加え、迫力の立体映像が未体験の興奮を呼び覚ましてくれるのは必至だ。
一夜のコンサートを一曲目からアンコールまでフルで収録しているので、ドキュメンタリーとしての価値も十分。いまも生き続ける紫伝説を、その目と耳で確かめよう!
【ミュージシャン】
イアン・ギラン (ヴォーカル)
イアン・ペイス (ドラムス)
ロジャー・グローヴァー (ベース)
スティーヴ・モーズ (ギター)
ドン・エイリー (キーボード)
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2015年10月20日 11:36