トリッキー、噂のバンド・プロジェクト=スキルド・メカニクスがベールを脱ぐ
UKはブリストルが生んだ天才、エイドリアン・サウスことトリッキーの噂のバンド・プロジェクト、スキルド・メカニクスが遂にベールを脱ぐ!
傑作『Maxinquaye』から20年、停滞せずに進化し続けてきた彼が始動したこのスキルド・メカニクスは、トリッキーを中心としたアーティストの集まりで、明確なメンバーは定まっておらず、トリッキーが様々なアーティストと自由に共作できる表現の場ということ。彼の類まれな才能と一聴して彼とわかるそのヴォーカルがサウンドの肝であることには変わりないものの、このプロジェクトのお披露目となる本作では、トリッキーの最も古い親友であり、幼少時代を共に過ごした、あのマッシヴ・アタックの前身、ザ・ワイルド・バンチのオリジナル・メンバーであるDJマイロと、トリッキーのライヴにおけるドラマーとして活躍してきたルーク・ハリスが中核メンバーとして参加。
「マイロと制作した5曲はオールド・スクールなヒップホップだ。でも古臭くはない。すげえモダンだ」とトリッキーが語るように、禍々しいシンセ・ベースが鳴り響く(2)や(12)のようなエレクトロ・ヒップホップは、ブリットポップの英雄ふたりの共演でありながら、決して90年代懐古ではないUKベースを通過したサウンドに、往年のファンならずとも思わず胸が熱くなること間違いなし。
反対に、スリップ・ノットやストーン・サワーのヴォーカリストとして知られるコリィ・テイラーの“Bother”の神妙なカヴァー(7)は、ルークとの才能の衝突が結実した、トリッキーの新境地ともいえる1曲。先行シングルとして話題を集めた、ブーティーなベースとオリエンタル・サウンドの邂逅(4)での中国人フィーメル・ラッパーの Ivy 艾菲や、〈False Idols〉 から2015年デビュー・アルバムを発表したトリッキーお抱えの歌姫、フランチェスカ・ベルモンテが歌うベースメント・ソウルな(10)を筆頭に、女性アーティストの絶妙な采配は、ビョークをはじめ数々の女性をプロデュースしてきたトリッキーならではの魅力が爆発!
流動的なバンド・プロジェクトらしく、ブリットポップ~ヒップホップからベース、ロック、ソウルと次から次へと姿形を変えつつも、トレードマークともいえるダークでスモーキーな音色がしかと刻印された本作において成し遂げたトリッキーの更なる飛躍、絶対に聴き逃し厳禁。
国内仕様盤には、ボーナス・トラック“Waiting For Hours”のDLコード付き!!(帯裏面記載)
タグ : クラブ/テクノ
掲載: 2015年12月18日 16:05