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ハイヴ・ライオット、最高にご機嫌&ハイテンションなシンセ・ダンス・ポップ作

Hive Riot

 

カリフォルニア生まれ、現在はユタ州プロボで活動を続ける女性SSWミンディ・グレッドヒル。彼女自身の名義では、日本でのデビュー作となったヒット作『アンカー』、クリスマス・アルバム『ウィンター・ムーン』、通算5作目にあたる『ポケットフル・オブ・ポエトリー』と、全てが極上のメロディセンスに彩られたアコースティック・ポップの名作でした。が、そんな彼女が、自身のアナザーサイドとして彼女の義理の兄弟であるピアニスト/音楽家、ダスティン・グレッドヒルと共にお届けする新バンドがハイヴ・ライオットです。そのサウンドはズバリ、”シンセ・ダンス・ポップ” で、ビックリさせられます。が、本当に驚くべきはその圧倒的な完成度を誇るサウンド。持ち前のメロディ&ポップセンスに加え、センス良すぎる80’s/ニューウェーブ・フィールと、キラキラ系のシンセが光り輝くアレンジ、打ち込みのダンスビートに乗せ、伸びやかなミンディの歌声が舞う、ご機嫌すぎるデビュー作が本作『ハイヴ・ライオット』です。

意外に思われるかもしれませんが、ミンディ自身はインタビューなどでも答えているように、無類のダンスポップ好き、そして実は米国で人気のDJ/プロデューサー、カスケイド(Kaskade=グラミーにノミネートされるほどの大人気DJです)のヒット曲でヴォーカリストとしてもFt.されている(代表曲は「Eyes」)ように、すでにこの新バンドへの序章を経ていました。ので、ここで注目したいのはもう一人の重要人物、ダスティン・グレッドヒルかも知れません。あまり知られていませんが、彼は非常に優れたピアニストとしてクラシック作品をリリースしているほどの人物。そんな彼が、ミンディとともに、『自分たちの好きなモノ』を思いっきりエンジョイして作ってしまった、2つの偉大な才能が、カンペキに80’s(MTV)スターにでもなりきって作ってしまった、ある意味恐ろしいクオリティの作品なのです。

想像し易いイメージとしては、「もし、ミンディ・グレッドヒルが本気でダンスポップをやったら?」と言うサウンドですが、もう、そのまんまです(笑)。先行シングルにもなった「03. Sherlock」を聴けば納得でしょう。ブリブリのシンセと跳ねるビート、軽快に歌うキラキラ系の鍵盤と、ミンディの歌声がポップなメロディを奏でると、一瞬でその空間でミラーボールが回り出すかのような目映さ。ご機嫌なんてモノではありません。同系の高揚感溢れる「08. Catch That Train」、「05. Hearts」、「01. Wonderwild」に、ミディアムテンポのグルーヴィーチューン「02. Kiss My Lips You Fool」、シンセを美しく響かせるバラッドの「04. Fish Out of Water」、「10. Her Elegy」など、アルバムとしての構成も秀逸で、全編で抑揚を付けた展開で聴かせる傑作なのです。

二人のプロフェッショナルぶりは、そのヴィジュアルワークやアートワークにもしっかりと反映されており、”ダンス・ポップ・スター”になりきってしまったジャケットにも注目です。ミンディ・グレッドヒルのソロ作の落ち着いたイメージを知っている人が聴くと、少しビックリするかも知れませんが、恐らくそれ以上に彼女のさらなる才能に驚くことでしょう。そして、そんなイメージを知らないリスナーが聴けば、単純にこの作品のクオリティの高さに驚くことでしょう。結局のところ、スゴい作品、ってことです…。

 

 

 

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掲載: 2016年05月10日 10:59