女性R&Bからビート・ミュージック・リスナーまで魅了!ナオ待望のデビュー・アルバム
Photo by Kristina Pedersen
シルキーでガーリーなヴォーカルと、UKベース・ミュージックのエッセンスたっぷりなビートとベースの共鳴が生みだす音の宇宙…。ナオはイースト・ロンドン出身のシンガー・ソングライター。これまでにリリースしたEP『So Good』(2014年)、ピッチフォークがBest New Albumに選出したEP『February 15』(2015年)で早耳リスナーの寵児に。そして数々のヒット・アーティストを輩出したBBC Sound of 2016で3位に選ばれ大きな期待を集める中、彼女のデビュー・アルバムがいよいよリリースとなる。
ファンク色の強い「Inhale Exhale」「Happy」「Fool To Love」などで見せる少女のような奔放さ、ブルージーな「Bad Blood」や「Girlfriend」で見せる切なく広がる心象風景など、無限の表情を描く、美しくコントロールされたヴォーカルが最大の魅力。ハウスやドラムン・ベースの影響を感じさせるミニマルなトラックが、このヴォーカルと、よりパワフルにクールにシンクロする。この無比のバランスが生みだされた背景には、彼女がこれまで経てきた豊かな音楽的バックグラウンドがある。
90年代UKソウルの全盛期に生まれながらも、大家族の末っ子としてナズ、ジェイZ、プリンス、マイケル・ジャクソンからゴスペル・ミュージックまで、幅広い世代の音楽に触れ、後にロンドンの名門ギルドホール音楽院でジャズを学ぶ。その後、現在のマネージャーの薦めでソロに転向するまではセッション・ミュージシャンとしてヴォーカルの研鑽を積んだ経歴の持ち主で、圧倒的なグルーヴ感と美しくナチュラルな表現は、ハイレベルなミュージシャンとしての実力に裏打ちされたものだ。ディスクロージャーのアルバム『Caracal』では「Superego」にフィーチャーされている通り、エレクトロとの相性も抜群。女性ヴォーカル/R&Bファンはもちろん、新しいビート・ミュージックとしても楽しめる、今年マストで聴くべき一枚!