ベヒーモスのフロントマン、ネルガルによるプロジェクト、ミー・アンド・ザット・マンがデビュー
Me And That ManはBehemothのフロントマン、NergalとJohn Porterによるプロジェクトだ。Behemothは、1991年にポーランドのグダニスクで結成されたデスメタル・バンドだ。バンドの中心人物はヴォーカル&ギターのNergalで、母国ポーランドのみならず全世界で人気を博し、エクストリーム・ミュージックを代表する存在として活動している。1995年にデビュー・アルバム『Sventevith (Storming Near the Baltic)』をリリース。2004年の『Demigod』あたりからセールス的にも成功をおさめるようになり、2014年にリリースされた目下の最新アルバム『The Satanist』は、Pitchforkで8.2/10点、SPINで8/10点を獲得するなど大きな評価を獲得。ポーランドのアルバムチャートでは1位を獲得し、アメリカ34位、イギリス57位等、世界的にブレイクしている。
Me And That Manのデビュー・アルバム『Songs Of Love And Death』は、ロックとブルースの純粋なエッセンスの詰まったアルバムだ。収録された楽曲は、Nick Cave、Tom Waits、Leonard Cohenと同種のダークな物語を紡いでいる。一方、Nergalは人々の持つ彼に対する先入観を焼き捨てる準備もある。そう、Behemothは違い、『Songs Of Love And Death』はシンプルでタイムレスなアイデアが詰まった作品なのだ。また、Me And That Manは、創造的な生活の中でNergalにとっては必要不可欠なものでもある。なぜなら、Behemothで語られるインディヴィデュアリズム、ディファイアンス、ダークネスと同じアイデアを表現する新しい方法でもあるからだ。
「ファースト・シングル『My Church Is Black』は強い宣言のようなものだ。Me And That Manで、僕はシンプルな物語をシンプルな方法でで語ろうとしているんだ。隠喩などで過負荷にならないようにね。できるだけ自然で、且つ有機的なものにならなくてはならないね」とNergalは語っている。
「Me And That Manの曲はとてもオーガニックな形で生まれるんだ。ある曲はよりブルージーで、ある曲はよりバラードだったりする。けど、それらを集めることによって、ぞれぞれの曲は意味をなすんだ。バランスを保つために僕はMe And That Manが必要なんだ。Behemothのポテンシャルは限定されているからね。Behemothはどんどん大きくなって、前進し、洗練され、よりダークによりブラックになっている。けど、Me And That Manは、アーティスティックな点でいくと、その対極にある。全てのアートに言えるけど、いったんアートが完成されると、それはリリースされなくてはならない。そうしないとアーティストは自身のシステムの中毒になり、危険にさらされるからね。こうやって僕は自分が持つダークなフィーリングや影に対処しているんだ。これはハッピー・ミュージックではないけど、間違えなく解放されてはいるんだよ」とNergalは加える。
アルバムは春にはリリースされ、その後、イギリス/ヨーロッパ、そしてアメリカでのツアーが予定されている。
「これはサイドプロジェクトで、どう進化していくかはわからない。僕は完成した音を人々に届けたかっただけなんだ。ここには隠されたアジェンダはない。まさに完成されたアルバムがあるだけで、もし皆に気に入ってもらえればクールだ。一方、気に入ってもらえなくてもクールだ。これは既に僕らが勝利した戦いなんだよ」とNergalは語る。
尚、アルバムのアートワークは、Hexes、A、Krokodil、The Subways、Bloodhound Gangといったバンドで活動するミュージシャンで、BBCのDJでもあるDaniel P. Carter(ダニエル・P・ カーター)によるものだ。彼はHIMのアルバム『Tears On Tape』のカバーアート等も手掛けている。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2017年03月28日 13:10