ジェフ・パーカー (Jeff Parker)『The New Breed』の原点!アイソトープ217 (Isotope 217)『The Unstable Molecule』復刻
ジャズ・マナーは失わず、かつヒップホップやソウル等、他ジャンルとの幸福なハイブリッドを実現したジェフ・パーカーの傑作アルバム『The New Breed』の原点はここにある。
ポスト・ロックの代表バンドとして、日本でも高い人気と、常に高評価を誇るトータス。そのトータスの5人のメンバーの内、ダン・ビットニー、ジョン・ハーンドン、ジェフ・パーカーの3人が参加していたアイソトープ217は今こそ再発見されるべき、ジャズの新たな潮流を予見・実践していた、早すぎたスーパー・グループだった。(シカゴ・アンダーグラウンド・オーケストラを創始し、現在もカッティングエッジなジャズ・サウンドを追求し続けているロブ・マズレクもメンバーであった)
日本では長らく入手困難になっていた1997年に発売された名盤の誉れ高き、ファースト・アルバム『THE UNSTABLE MOLECULE』が、リリースから20周年を迎えるこの2017年、遂に再発。当時まだ一般的ではなかったポスト・プロダクションを駆使し、ジャズ、ファンク、ダブ、アンビエント・ミュージックを絶妙にブレンドした、未来の音楽のような、音楽の新たな可能性を感じさせたクールなサウンドは、現在でも全く古びない。トータスの『TNT』(1998年)収録のハウシーな名曲「Jetty」のオリジナル・ヴァージョンとも言える「ラ・ジュテ」を収録。
日本盤CDのみボーナス・トラック2曲収録。
ジェフ・パーカーが、2016年に発表した2枚のアルバム『The New Breed』(International Anthem)、『Silent Freedom』(Eremite)が数々の年間ベスト・アルバムに選出されたことで、トータスのメンバーとしてだけでなく、ジャズ・ギタープレイヤーとして本国アメリカは勿論、ヨーロッパや日本でも俄然注目度が上がり、初の単独名義での来日公演も開催される(8月14日~16日にコットンクラブにて)絶好のタイミングでの再発となります。
Jeff Parker『The New Breed』
この作品は、ジャズの範疇を越え、予てから影響を公言していたJ DILLAリスペクトなビート・ミュージックにも接近し(ジェフ自らがトラックを制作)、R&Bな楽曲までもコンポーズしている。唯一のヴォーカル曲(ジェフの娘さんのRuby Parker)のヴォーカル録音はジョン・マッケンタイアが担当。トータスのメロウなナンバー、今は亡きアイソトープ217のサウンドをお探しの貴兄には絶品の内容。Jazz The New Chapterの潮流にも十分にフィットし、ジェフの音楽活動を総括しているかのような、最新鋭のジャズ・アルバムとなっている。
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掲載: 2017年08月08日 16:00