ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)、唯一の欧州ツアー/パリでの演奏がレゾナンス(Resonance)より初のオフィシャル発売
時は1965年3月、パリが誇る殿堂/ シャンゼリゼ劇場でのコンサート。ウェスが唯一、合衆国からヨーロッパに飛んでツアーを行った時の音源になります。
ウェスは、ジャズ史上最高のレーベルの一つであったRiverside の破産のために、移籍を余儀なくされ、64 年、クリード・テイラーが手がけVerve で録音。その後はよく知られるように、大編成のブラスやストリングスを迎えた演奏や、ポップ・チューンを演奏するなど、企画色の強いアルバムも多くなりますが、この時期のウェスはギタリストとして最も勢いをもって絶好調!ピアノにハロルド・メイバーン、ベースにアーサー・ハーパー、ドラムにJimmy Lovelace を迎えたバンドは、ウェスが選んだメンバーで、このツアーの時既に数ヶ月の共演も重ねてきたワーキング・グループ。そして、名盤『フル・ハウス』での共演で、言わずもがなの名演を記録したジョニー・グリフィンがヨーロッパで合流。夢のようなカルテット/ クインテットでの演奏といえます。
演奏はカルテット7曲にグリフィンが加わった3曲。『フル・ハウス』と共に、ウェスの生涯における屈指の名盤『インクレディブル・ジャズ・ギター』に収録され、のちのギタリストにも大きな影響を与え、数々のカバー演奏も生んだ、ジャズ史上の名曲“Four on
Six”で幕明け。この演奏を聴けば、当日の演奏のクォリティがどれほどのものであったか想像にかたくありませんが、スタジオ盤では記録されることのなかったコルトレーンの名曲“インプレッションズ”での燃えるようなソロあり、メイバーンのピアノとの丁々発止のテーマから、スタジオ盤とは全く違ったライヴならではのパッションを感じさせる“ジングルズ”まで、魅力満載。またグリフィンが参加したトラックでは、共演作『フルハウス』の最高にキャッチーなタイトル・トラックと“ブルーン・ブギ”も演奏。ウェスがシングル・ノート、オクターブ奏法、ブロックコードのバッキングとフルに歌いあげれば、グリフィンは、お得意の歌もの曲のおいしいメロディをソロに巧みに取り入れての展開。演奏後には、溢れんばかりの拍手と歓声が鳴り響きます。
この演奏のリリース履歴を追えば、世界各国のレーベルが異なるジャケットで何度かにわたって作品化してきた歴史が知られています。しかし、今回は、Resonance が手がけ、フランス国立視聴覚研究所INA(Institut national de l'audiovisual) が所蔵していたオリジナル・テープを元に、リミックスして作品化。楽器のバランスなども整えた結果、グループの緊密なインプロヴィゼーションや、グルーヴ感も一層の臨場感で、再現されています。また、当日の演奏順にならって作品化されるのも今回が初めてとなり、大きな魅力です。
ブックレットも豪華。本グループで唯一存命のハロルド・メイバーンへのインタビューや、現代の名ギタリスト、ラッセル・マローンの解説あり、ジャズメンの素顔を切り取った名フォトグラファー、ジャン・ピエール・ルロアが、本ライヴで撮影した貴重な写真も掲載。
今まで音源を所有していたファンの方にもお薦めしたい、正にResonance ならではの究極のコレクターズ・エディションです!
LP はバーニー・グランドマンがリマスターし、RTI(Record Technol ogy Inc.) でプレス。
【収録曲】
Disc 1
1. Four on Six (6:24)
2. Impressions (9:59)
3. The Girl Next Door (6:36)
4. Here's That Rainy Day (8:23)
5. Jingles (12:26)
メンバー:Wes Montgomery(g), Harold Mabern(p), Arthur Harper(b), Jimmy Lovelace(ds)
国内流通仕様盤CDはオンライン限定ポイント10倍、輸入盤CDは20%オフ