〈DJが選ぶ2017年オススメクラブ系アルバム〉Midori Aoyama編
2012年に「EUREKA!」を始動させ、レーベルとイベントの両軸で快進撃を続ける活躍のMidori Aoyamaが、2017年オススメのクラブ・アルバムを紹介!
「2017年僕が影響を受けたアルバムそして制作に携わったアルバムを選びました。ハウスに限らず、ソウル、R&B、ヒップホップ、ジャズとか。リスニングでも活躍できる10枚です。」-Midori Aoyama
「EUREKA!」のレジデントDJ、sioによる選盤10作品はこちら>>>
Jimpster - Silent Stars
UKの名門ディープハウスレーベル「Freerange」を主宰するジンプスター(Jimpster)の実に4年ぶり、7年ぶりのアルバム。浮き沈みの激しいダンスミュージックシーンでここまでブレずに自分のスタイルを貫ける彼のクオリティと努力に脱帽。ダンサブルな前回アルバムから一転、ディープでジャジーなT.1「Migrations」からスタートし、ダウンビートなヴォーカルトラックT.8「Everytime」やアナログ回帰を思わせるT.13「Foever Voyetra」などコンセプチュアルなトラックが満載。まるで1つの映画のサウンドトラックを聴いているような美しくシネマティックな世界が広がる。10年後聴いても色褪せない、間違いなく傑作。
Tall Black Guy - Let's Take A Trip
デトロイト出身のビートメイカーの2ndアルバム。オリジナルは2016年11月リリースだが、こちらは今年2月リリースされたボーナストラック付きの国内盤をピックアップ。クエストラブ(Questlove)、エリク・ラウ(Eric Lau)そしてジェイ・ディラ(J Dilla)が好きなら間違いのない、ジャジーでソウルフルなモータウンサウンド全開の1枚。最近ではルイ・ヴェガ(Louie Vega)やカリズマ(Karizma)などハウス勢とのリミックスワークも盛んでジャンルの垣根を超えて注目されるであろう逸材。
Various Artist - Local Talk: 5 1/2 Years Later
過去にRaw Fusionを主宰し、現在もG.A.M.MやBasic Fingerなどクロスオーバーに音楽を発信し続ける、スウェーデン出身のマッド・マッツ(Mad Mats)とその相棒ツーリ(Tooli)によるハウスレーベルLocal Talkがレーベル設立5年半を記念した1枚。DJ スピナ(DJ Spinna)やショーン・マクケイブ(Sean McCabe)、コラッド・ブッチ(Corrado Bucchi)などベテランと若手が融合。日本限定盤のこのCDにはKyoto Jazz Massiveの沖野 修也による名盤「Stand Up」のセルフリミックスも収録。
Session Victim - Listen To Your Heart
ドイツ、ハンブルクとベルリンを拠点にする2人組セッション・ヴィクティム(Session Victim)がリリースした3年ぶりのアルバム。絶妙なサンプリング使いと、インストの融合が絶妙なオリジナリティーを展開している。ダンサブルなリード曲「Bring It Back」からチルでアトモスフィアリックな「Unchained」までリスニングでも完璧にハマる1枚。
Wayne Snow - Freedom TV
ナイジェリア出身、現在はベルリンに拠点を置く次世代ソウルシンガーのウェイン・スノウ(Wayne Snow)のデヴューアルバム。昨年Ninja Tuneからアルバムをリリースしたマックス・グラーフ(Max Graef)のプロデュースの元、デトロイト / シカゴなテイストを感じさせるモータウンなビートに妖艶で独特なヴォーカルが特徴。過去に散々リリースされたビートダウン物のハウスアルバムとは一線を画した2017年のネオソウルアルバム。今年はFKJやDariusなどともコラボするなど、幅広く活動する彼の今後も楽しみ。
MAHBIE - Space Brothers
岩手出身、現在は山梨に拠点を置くビートメーカーで、GAGLEやcro-magnonなど数々のアーティストをを輩出した仙台 / 盛岡発のレーベル「Jazzy Sport」の秘密兵器。現在は田我流のバックDJを務めるマービー(MAHBIE)のデヴューアルバム。PVが最高に笑えるリードトラック「Space Brothers feat. 田我流 & Bobby Bellwood」を中心に、ジャジスポ譲りの骨太なビートトラック計12曲はまさに「レトロフューチャー」なスタイル。SP-404を操るライブパフォーマンスも必聴。
Various Artist - Mad Mats Presents Digging Beyond The Crates
Local Talk、G.A.M.Mなどで絶賛活躍中のマッド・マッツ(Mad Mats)がUKの名門ファンク / ソウルレーベル『BBE』からコンピレーションを担当。スカタライツのメンバーだったジョニー・ムーア(Johnny Moore)の激レアチューン「Big Big Boss」やシカゴのアンディ C(Andy C)が率いるバンド、BSTCが2006年にリリースした傑作「Jazz In Outer Space」などレコードでも手に入らないようなレア楽曲を多数収録、このコンピのために制作された「Strings Of Life」のニューカヴァーは必聴。その曲だけでも買う価値アリ!
Kyoto Jazz Sextet - UNITY
Kyoto Jazz Massiveの沖野修也がメジャーデヴュー20周年を機に結成したニュープロジェクト。前作の「MISSION」で見せたカヴァーアルバムから一転、完全オリジナルの超本格ジャズアルバムが登場。SOIL&’’PIMP’’SESSIONSのタブ・ゾンビやファラオ・サンダースの息子、トモキ・サンダースが抜擢されるなど、過去と現在を繋ぐマスターピースの予感。2曲目の「Song For Unity」はジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)もヘビープレイ。僕は7曲目の「Children Of Peace」がイチオシ。
Moses Sumney - Aromanticism
ガーナにルーツを持つカリフォルニア出身のソウルシンガー、モーゼズ・サムニー(Moses Sumney)。2013年にジェイムズ・ブレイクの「Lindisfarne」を多重録音したカヴァーをネットに載せて一躍時の人になってから4年、満を持してのファーストアルバムがついに登場。伸びのある心地よいヴォーカルに弦楽器を多用した西海岸らしい爽やかなフレーヴァーも。今後どんな形で進化していくか楽しみなデヴュー作。順調にキャリアを積めばいずれ日本で間違いなくフジロックなどの大型フェスに出て来るであろう新星。
Dego & Kaidi - A so We Gwarn
リリースの噂を何度も耳にしながら、首を長くして待った待望の1枚。同レーベル「Sound Signature」からリリースしたEP「Adam Rock Dissed!!」から2年ぶり。もちろん内容は長く待っただけあって全曲捨て曲ナシの極上の14曲が収録。ロンドンのジャズバンド「United Vibrations」のサックス奏者ウェイン・フランシス(Wayne Francis)やUKを代表するミュージシャン達が多数参加。往年の2000BLACKファンは言わずもがなだが、是非ミレニアム世代のみなさんにも聴いてほしい。永遠に風化しない音のクオリティから圧倒的な違いが分かるハズ。
【Midori Aoyama (House of Eureka)】
東京、渋谷生まれのDJ、プロデューサー。イギリス・ロンドンに滞在した経験から独自のコネクションを持ち、ハウスミュージックのDJとして都内各所のクラブで多くのパーティに参加。2012年に自身がフロントマンを務めるイベント「EUREKA!」が始動。青山Loopでの定期開催を経て、2013年にはイギリスからReel People、The Layaboutsを招きelevenにて開催。その後も、module、Zero、AIRと様々な会場に場所を移しながら、過去にJullian Gomes、Kyodai、Detroit Swindle、Atjazz、Lay-Farなど気鋭のアーティストの来日を手がけた。
これまでイギリス、オランダ、スウェーデン、韓国などでのDJ経験もあり、活動の場を世界へと広げ、2013年にはRasmus Faberの2ndアルバム「WE LAUGH WE DANCE WE CRY」にも収録されている「Rasmus Faber feat. Kirsty Hawkshaw / Clear Rain」をリミックス。また、ラジオDJとして自主制作ラジオ「green groove」のパーソナリティも務めている。2015年にはEUREKA!がレーベルとしても始動。第1弾にはスウェーデンの新興レーベル「Local Talk Records」とコラボレーションし、自身が選曲・ミックスを務めた「Local Talk vs EUREKA! – Our Quality House」をリリース。第2弾には、ロシアのアーティストLay-Farのアルバム「How I Communicate」の日本限定盤のCDリリースを手がける。2016年にはWOMBでのEUREKA!の開催も実現しており、レーベルとイベントの両軸での活躍が期待されている。
〈EUREKA!〉
Ge-Ology・Mad Mats・Hugo LX 3者3様のスタイルを持つDJ達があざやかに彩る一夜
飛ぶ鳥を落とす勢いで東京のハウスシーンにその名を轟かせている「EUREKA!」。2017年最後の開催となる今回は、3組のゲストを招聘する。これまで様々なストーリーを紡いできたEUREKA!がファーストチョイスとして選んだGe-Ologyは、アムステルダムで開催されたDekmantel Festival 2017でのRed GregとのB2Bが今年No.1アクトとの呼び声も高く、2015年にTheo Parrishの “Sound Signature”からリリースした「Moon Circuitry feat. Mark De Clive-lowe」も傑作と評され、DJ/プロデューサーとして円熟期を迎えている。4年連続来日、EUREKA!には3回目の出演となるもう1人のゲストMad Matsは、自身のハウスミュージックレーベル “Local Talk”の5周年を記念したコンピレーションアルバム「LOCAL TALK 5 1/2YEARS LATER」やBBEとタッグを組んだ「DIGGING BEYOND THE CRATES」も好評を得ており、常に幅広く音楽を発し続けているMadのプレイに期待が高まる。ラウンジフロアはHarvey Sutherlandなど気鋭のアーティストのサポートを続けるCHOUTSUGAIが音楽・空間・食を総合的にプロデュース。ラウンジゲストとして、京都、パリを拠点にするHugo LXが登場する。前述した「LOCAL TALK 5 1/2YEARS LATER」にも楽曲を提供しハウスミュージックのプロデューサーとして、じわじわと認知を広める注目のDJである。そしてもう1つのラウンジフロアには、オランダ発の人気ストリートブランドPattaの参加が決定!人気ファッションメディアHOUYHNHNM (フイナム) のサポートの元、この日限りのジョイントパーティーが実現した。ハウスを軸にしながらも、どんな展開が飛び出すか予想もできない一夜をぜひ体感してほしい。
11月24日(Fri) Open 22:00
\3,500 on the door | \3,000 with flyer | \2,500 GH S member
\2,000 under 23 | \1,000 before 11PM
Line Up
【STUDIO X】
Ge-Ology (Sound Signature | US)
Mad Mats (Local Talk)
Midori Aoyama
sio
hiroshi kinoshita
【CONTACT】
“CHOUTSUGAI”
Hugo LX (Doma Music | Mona)
Nari × Kotsu (CYK)
Kunieda
Abula
Sora Mizuno
Shuho Iwata
【Lounge】
“Patta Party Tokyo”
LONO3
OMI
Vic Crezee
Jeff Solo
MC:
Lyrical Tie
Contact
B2F Shintaiso Bldg No.4 , 2-10-12 Dogenzaka, Shibuya-ku, Tokyo 150-0043 Japan
+81(0)3 6427 8107
タグ : クラブ/テクノ
掲載: 2017年11月20日 16:55