アウグスティン・ハーデリッヒによる入魂のパガニーニ“24のカプリース”
「24のカプリース」は、ヴァイオリンの重音奏法や、視覚的にも演奏効果の高い左手ピッツィカートなど、それまでは使用されなかった強烈な技巧が随所に盛り込まれた作品です、ヴァイオリン演奏家にとっては難曲のひとつに挙げられています。また最終曲「第24番」は、ブラームス、ラフマニノフなどもその主題を使用した作品を書き、リストの「ラ・カンパネラ」は特に有名なものです。
アウグスティン・ハーデリッヒ1984年イタリアで生まれ、5歳からヴァイオリンを始め、7歳からステージに立ち、神童として名を馳せました。15歳で火事により医者も見放すほどの全身火傷を負い、全身に大やけどを負い、一度は演奏家生命どころか生命までをも危ぶまれたものの、20回の手術を乗り越え見事に復帰したのです。2006年のインディアナポリス国際コンクールで、圧倒的な実力を見せつけて優勝。その後世界中のオーケストラと競演。2008年1月にはカーネギー・ホールでデビュー、ニューヨーク・タイムズでも絶賛されています。2016年には「デュティユー作品集」でグラミー賞を受賞しています。
ハーデリッヒが満を持して録音した「24のカプリース」は、この芸術的作品をヴァイオリニストとしてのスキルのあらゆる側面から考証を行い、技巧と音楽性の極限、さらに新たなる深い音楽性を生み出しています。真のヴィルトゥオジティを発揮された、ハーデリッヒの神髄が聴けるアルバムです。
(ワーナーミュージック)
【収録曲】
パガニーニ:24のカプリース Op.1(全曲)
【演奏】
アウグスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)
【録音】
2016年9月、2017年4月、2017年6~7月、 ボストン、フレイザー・パフォーマンス・スタジオ
掲載: 2017年11月24日 00:00