プリケル(Prequell)、衝撃のデビュー・アルバム『The Future Comes Before』
高級メゾン・ブランドのファッション・ショーなどの音楽を手掛けてきた音の魔術師プリケル。美しすぎる音像を体感できる衝撃のデビュー・アルバム。
本作はプリケルが提示する、多次元的でスリリングな音世界はキャッチーなポップスでもあり、官能的なR&Bでもある。また、主録曲のうち、5曲にはヴォーカルをフィーチャーしている。その一人が、レイ・モーリスである。イギリスを拠点とする彼女は、”Part XIV”で情熱的でフェミニンな歌声を披露している。”Part XII“では、女優であり画家としても活躍するシンガー、クレア・ラフーを招き、彼女の温かい歌声が静寂の中に映える一曲に。”Part XI”に参加したファイフはイギリスのオルタナ・ポップ・シーンで活躍するシンガーであり、フューチャリスティックなロマンチシズムを加えている。一方、”Part IX”ではアメリカ・ポートランド出身のシャイ・ガールズがかつてのR&Bのコアな要素を本作へと持ち込むことに成功している。”Part VII”にヴォーカルを吹き込んだクルーエル・ユースは、グラミー賞にもノミネートされたリアーナ“Kiss It Better”を共作したテディ―・サンクラ―が所属するバンド。プリケルのストリングスと彼女のエネルギッシュなディーヴァ・ヴォイスが絶妙に絡み合う仕上がりに。
本作を通して聴けば、プリケルの壮大なプロジェクトを体感することが出来る。宇宙的でありアヴァンギャルドでもあるプリケルの魔法の世界を、とくと味わってほしい。
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掲載: 2017年12月27日 12:41