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シガー・ロス(Sigur Ros)やムーム(Mum)を発掘したシーンの立役者。キラ・キラ(Kira Kira)のニュー・アルバム『Alchemy & Friends』

Kira Kira

アイスランド・シーンの中心にいて、コンポーザー、プロデューサー、レーベル・オーナーなど多くの肩書きを持って活動するKira Kira。特にJohann Johannsson、Hilmar Jensson と3 人で主催するKitchen Motors は、活動して間もないSigur Ros やMúm を発掘/サポートしたシーンのファクトリーとして知られ、アイスランド・シーン盛況の立役者のひとりとしてその功績を讃える地元アーティストも多い。最近ではヨーロッパや日本で高い評価を受けたドキュメンタリー・フィルム『Grandma Lo-Fi』のプロデューサー&ディレクターとしてプロジェクトを成功させた。

そんなKira Kira が前作『Feathermagnetik』から何と6年、コツコツと制作していた4thアルバムがようやく完成した。タイトルは『Alchemy & Friends』。“ 錬金術と友人たち”と名付けられたそのままに、交友を続ける合計37人の友人たちをフィーチャーして、正に“ 何もないところから黄金を作る” をテーマに、コンセプチュアルに制作されたアルバムだ。

代表的な参加ミュージシャンはコンポーザー、ピアニストとして活躍するDustin O’ Halloran や、Ninja Tune からのリリースで知られるEskmo といったアメリカ勢に加え、Sigur Ros、Mum のメンバーとして知られるトランペッターのEirikur Orri Olafsson、Mum の創設者で現在はフロント・ボーカルを務めるチェリスト、Gyda Valtysdottir、さらにBen Frost、Owen Pallet のパートナーとしても知られるShahzad Ismaily、Jahcoozi、The Tape 名義での活動で知られるRobot Koch なども参加している。

サウンドは透き通ったKira Kira のヴォーカルに、チェンバー・エレクトロとも言えるストリングスやブラスを配した壮大なエレクトリック・アンサンブルもので、オルタナティヴな実験感覚をベースにした繊細かつ大胆な音世界が構築されている。ジャンルにこだわらない自由な作風、深遠で壮大な音作りはオリジナリティに溢れ、それでいてモダーンでエモーショナルな個性的なサウンドスケープは、制作の現場であったロスアンゼルスでもレイキャビックでも衝撃を持って受け止められている。今もっとも旬なエクスペリメンタルなモダーン・チューンと言っていい。

タグ : UK/US INDIE クラブ/テクノ

掲載: 2018年03月07日 11:53