ザ・バーズ(The Byrds)のオリジナル・メンバー、ジーン・クラーク(Gene Clark)の60年代貴重デモ音源が新たに発掘
ジーン・クラーク・ウィズ・ゴスディン・ブラザーズや、ディラード&クラーク、そしてソロなどシンガー・ソングライターとして活躍した彼の軌跡のミッシング・リンクを知る上で貴重な音源がリマスターで蘇る!
ザ・バーズのオリジナル・メンバー、ジーン・クラーク。初期のメイン・ソングライターであった彼だが、脱退後も、ジーン・クラーク・ウィズ・ゴスディン・ブラザーズや、ディラード&クラーク、そしてソロなどシンガー・ソングライターとして活躍。フォーク・ロック、サイケ、ソフト・ロック、カントリーなどの要素を取り入れたポップな作風の楽曲を世に送り出した。
そのジーン・クラークがザ・バーズを脱退してから間もない1967年に録音した貴重なデモ音源が新たに発掘された!今回発売となる『GENE CLARK SINGS FOR YOU』は、Liberty Recordsの資料保管室から見つかったアセテート盤に収録されていた未発表音源を中心としたもの。このアセテート盤に収目られている音源は8曲、いずれもジーンがザ・バーズ脱退後の1967年にレコーディングしたデモ・トラックである。
これら8曲に加え、ロサンゼルスのフォーク・ロック・バンド、ザ・ローズ・ガーデンに、レコーディングの候補曲として送った、こちらも1967年録音の別のアセテート盤に収録されていた5曲の未発表音源も本アルバムには含まれている。ザ・ローズ・ガーデン関連としては、もう1曲、アルバムの最後に収録されている“Till Today”がある。アルバムの最後に収録されているこの楽曲は、ザ・ローズ・ガーデンの為にジーン・クラークが演奏したデモ・テープであるが、バンドのメンバーのジョン・ノリーンの個人コレクションの中から発見されたものである。ちなみに、この“Till Today”は、ザ・ローズ・ガーデンがレコーディングし、1968年にリリースされた彼らの唯一のアルバムに収録されることとなる。
アルバムに収録されている音源は全て、グラミー賞受賞経験を持つエンジニア、マイケル・グレイヴスによって音源の修復とリマスターが行われている。またブックレットには、ジーン・クラークの伝記の著者、ジョン・アイナーソン(John Einarson)によるライナー・ノーツも掲載している。ザ・バーズの初期を牽引してきたシンガー・ソングライターであったジーン・クラーク。46歳という短い生涯に遺した彼の楽曲は、先述したザ・ローズ・ガーデンを始め、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズやロバート・プラント&アリソン・クラウス、ブラック・クロウズのクリス&リッチ・ロビンソン兄弟など、数多くのアーティストによってカヴァーされて歌い継がれている。かつてのザ・バーズの同胞に比べると決して派手な存在ではなかったかも知れないが、ジーン・クラークの音楽は、フォーク・ロックやカントリー・ロック、ソフト・ロックなど、アメリカン・ミュージックの歴史に今も息づいている。