チャンチャ・ビア・シルクイート(Chancha Via Circuito)、4年振りとなる通算4作目のフルアルバム『ビエナベントゥランサ(Bienaventuranza)』
トライバル・クラブ・ミュージックの一端を担う存在となったデジタルクンビアをはじめとする南米系フォルクローレ。ダブ・ステップやテクノ以降、さらにはバレアリック・ハウスなど現在進行形エレクトロニカを取り入れ、常に動向を注目される一大シーンへと成長。昨今では、南米エクアドルの新進プロデューサー= ニコラ・クルース や、5月に来日が決まっている バリオ・リンド らの影響もあり、ますますの盛り上がりを見せている。
そんな中、常に総本山の一つとして位置づけられるアルゼンチンはブエノスアイレスのレーベル「ZZKレコード」を、一躍シーンのど真ん中に押し込んだ立役者 チャンチャ・ビア・シルクイート の4年振りとなる通算4作目のフルアルバムがこの度発表となった。初期デジタル・クンビアを彷彿とさせるダビーなミニマル感が素晴らしい "Baru" や "Nadie Lo Riega"。チャンチャ・ビア・シルクイート のタイトルではお馴染み、コロンビアのフォルクローレ歌手 リド・ピミエンタ と レゲエMC マヌ・ランクス を迎えた "La Victoria" 。アンデスの楽器をふんだんに取り込んだ極上のダンサブル・トラック "Sierra Nevada"。最新LPが好評のアルゼンチンの若き天才女性トラックメーカー= カリーマを迎えたトラックなど、『至福』という意味を持つタイトル通りの聞き逃し厳禁の一枚である。前作同様、クァンティックと共にシーンを牽引してきたニコデマス主催のレーベル "WONDERWHEEL" からのリリース。
世界のフロアを一段上へと常に押し上げるかのように、日々進化し続ける南米フォルクローレ。世界にクラブ系南米フォルクローレ音楽を知らしめたオムニバス『ZZK Sound Vol. 1 - Cumbia Digital』が発表されたのが2008年。その一曲目を飾ったのが、まさにこの チャンチャ・ビア・シルクイート だった。10年を経て、この崇高なる南米フォルクローレの輪廻は、本作でさらに新たなステージへと昇り詰めた。
ライナーノーツ 大石始
タグ : クラブ/テクノ
掲載: 2018年06月14日 13:03