濱瀬元彦(はませもとひこ)88年作『樹木の音階』がLP復刻&86年作『インタグリオ(Intaglio)』が再レコーディングで登場
『Notes Of Forestry / 樹木の音階』
1970年代よりベーシストとしてジャズ・シーンの第一線で活躍、音楽理論家としても名高い濱瀬元彦が1988年に発表したソロ3作目が初のLP化。
ピアノに柴野さつき、パーカッションに山口恭範を迎え制作した本作品は、国産コンテンポラリー/アンビエント・ミュージックの金字塔として評価が再燃、最もレコード化が待たれた音源の一つと言えるでしょう。
優れた演奏技術を備えた3名が奏でる、研ぎ澄まされた1音1音が織りなすアンサンブルは詩情豊かな情景を見事に描き出し、精緻極める理論に基づき、聴くたびに新たな発見を促す楽曲構成には、只々感嘆の一言に尽きます。
今回の初アナログリリースにあたり濱瀬氏自身が立ち会いのもと新たなミックスを施し作品はさらなる高みへ、ディスクユニオン新レーベル『Silent River Runs Deep』より満を持してリリース。
■演奏:濱瀬元彦(b)、柴野さつき(pf)、山口恭範(perc)
■2018年最新ミックス&マスタリング
■巻き帯/インサート付
『Intaglio』
現在世界中のコレクターが熱い眼差しを注ぐ1970年代~80年代の国産ジャズ・アンビエント作品の中でも最高峰にして最難関のアルバムとして高く評価され、同時に権利関係の問題でリイシューが不可能とされた濱瀬元彦の1986年の幻の名盤『インタグリオ』が30年以上の時を超えて濱瀬自身の熱い情熱の元、再レコーディング!原曲の世界観を壊すこと無くより高いレベルへアップデートされた未来のクラッシックスに成りうるであろう傑作が完成!
70年台後半より清水靖晃、鈴木勲等と活動し、多くのセッション作品を残し、ジャコパストリアスが来日した際には会いたいと指名されるほど高く評価されたベース奏者。
その後、80年台半ばまで表舞台からは遠ざかり、“消えたベーシスト”と呼ばれたが、喜太郎等のリリースで知られるshi zenからリリースされたファーストアルバム“intaglio”でシーンへカムバックする。
ジャズも現代音楽も飲み込んだ独自のエレクトリックミュージックは、現在の国産ニューエイジの世界的な人気の中でも最高峰にして最難関のアルバムとして高く評価され高額で取引されている。
原盤権利の問題でリイシューに至らなかった本作は、濱瀬自身の熱い情熱の元、再レコーディングを行い、原曲の世界観を壊すこと無くより高いレベルへアップデートされた未来のクラッシックスに成りうるであろう傑作に仕上がっている。
【濱瀬元彦(はませもとひこ)】
1952~。慶応義塾大学中退。1976年よりアコースティックおよびエレクトリック・ベース奏者として土岐英史、鈴木勲、益田幹夫、秋山一将、清水靖晃、ジョージ大塚らのジャズ・グループで活躍。多数の録音参加作品を残す。演奏家としてはフレットレス・ベースの新しいスタイルを確立した。1982年に実験的音楽ユニット「ラーゲル」を結成し、1985年まで音楽の新しいフォーマットを摸索し続けた。その後、ソロ活動を開始し、5つのソロアルバムを発表している。音楽理論の面でも『ベースライン・ブック』(1987)でベースラインに関する理論、『ブルー・ノートと調性』(1992)で即興演奏、作曲のための全く新しい調性理論、『読譜と運指の本(理論編・実技編』(1996)で読譜のメカニズムを解析し、弦楽器の読譜・運指に関する新しい理論を提出するなどの業績がある。