シンフォニーX(Symphony X)の創立メンバー、マイケル・ロメオ(Michael Romeo)によるソロ・アルバム『War Of The Worlds, Pt.1』
その流麗かつテクニカルなギター・ワークと同時に、オーケストラ的なアプローチや壮大なコンセプトを音楽で語るプログレッシヴ・メタル・ライターとしても第一人者として知られるマイケル・ロメオ。ギタリストのソロ・アルバムというと、圧倒的なギター・パフォーマンスを詰め込んだインストゥルメンタル・アルバムを想像する人も多いだろうが、ロメオはソングライターとしての才能もこのソロ作品に注ぎこみ、あの壮大な世界観を持つメタル・サウンドをしっかりと聴かせてくれる、シンフォニーXファンのみならず全てのメタル・ファンを魅了する作品を作り上げている。
ここに収録されている10曲は、紛う事なきクラシック的アプローチを持つプログレッシヴ・メタル・サウンドだ。だが、マイケル・ロメオはこのソロ・デビュー・アルバムで、そのサウンドにさらなる冒険的な要素を加えている。バーナード・ハーマンやジョン・ウィリアムスといった映画音楽界の巨匠達へ敬意を表する展開や、驚く事にEDM/ダブステップ的な要素をも、この作品で取り入れているのだ。
このソロ・プロジェクトを支えるのは、ブラック・レーベル・ソサイアティのベーシスト、ジョン・デザビオと、イングウェイ・マルムスティーンやジェイムズ・ラブリエ(ドリーム・シアター)とも活動するドラマーのジョン・マカルソという、オールスター的な顔ぶれだ。また、この作品で力強いボーカルを聴かせてくれているのは、ロング・アイランドでいま頭角を現しつつあるニュー・シンガー、リック・カステロ。
アルバム・タイトルにある通り、これはマイケル・ロメオという才能が創り出す壮大なメタル・エピックの第一部となっている。既に第二部とも言えるもう一枚の作品もほぼ完成しているとの事。第二弾の発売はまだ未定ながら、マイケル・ロメオという巨人が創り出す作品を近くまた聴けるというその喜びと共に、この初ソロ作品の世界を堪能しようではないか。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2018年08月07日 13:48