『激ロック』スペシャルコーナー【8月レコメンドアイテム】
DAUGHTRY / 『Cage To Rattle』
GENRE:ROCK
アラフォーが抱えるプレッシャーを乗り越え、完成した
DAUGHTRYの最新5thアルバム!
アルバム・セールス800万枚を超えるモンスター・バンドとなったDAUGHTRY。ブルースやカントリー、ソウル、ゴスペルなどのエッセンスを感じる大陸感のあるサウンドとメロディ、タフでエモーショナルに歌い上げるヴォーカル、そしてキャッチーさや耳馴染みのいい音作りなど、どの点においてもアベレージの高い王道のアメリカン・ロックの旗手が築き上げたのが今作だ。Chris Daughtry(Vo/Gt)は“今までで最も楽しく、同時に最も挑戦したアルバム”と語る。朗々と美声を響かせる歌を中心にしつつ、ルーツ・ミュージックをよりモダンにアップデートし、軽やかに華やかにファンキーにと、ステップを踏む躍動感やポップ性を生かした作りとなった。いい意味でカジュアル、且つショー・アップされ、高揚感に満ちている。
吉羽 さおり【ライター推薦】
ALICE IN CHAINS / 『Rainier Fog』
GENRE:GRUNGE, HEAVY ROCK, METAL
地元シアトルへの想いを込めた約5年ぶり最新作!
グランジ・シーンで異彩を放つALICE IN CHAINSが、Layne Staley(Vo)の亡きあと、William DuVall(Vo/Gt)を迎えた現体制で完成させたアルバムもついに3作目。「The One You Know」、「Red Giant」といった重々しいリフの楽曲はもちろん、「Maybe」などではバンドの新たな武器と言える、WilliamとJerry Cantrell(Gt/Vo)が織り成す退廃的ながら美しいコーラス・ワークも発揮されている。グランジ勃興の地である地元シアトルを見守る“レーニア山”の名を冠し、3rdアルバムと同じスタジオで約20年ぶりに録音されたという本作は、Kurt Cobain(NIRVANA/Vo/Gt)、Chris Cornell(SOUNDGARDEN/Vo/Gt)、そしてLayneら友人たちの死と向き合いながら、それでも前へ進んでいくという強い意志が感じられる1枚になった。
菅谷 透【ライター推薦】
CHELSEA GRIN / 『Eternal Nightmare』
GENRE:DEATHCORE
極悪且つ重厚なデスコア・サウンドで人気を博すCHELSEA GRIN
ヴォーカリスト脱退の危機を乗り越えて生み出された最新作!
米ユタ州出身のデスコア・アクトによるフル・アルバム。今春に、唯一のオリジナル・メンバーにして、バンドの顔役でもあったAlex Koehler(Vo)が脱退し、史上最大の危機を迎えていたCHELSEA GRINだが、元LORNA SHOREのTom Barberが加入し、シングル・ギターへと変わり、4人編成で再スタートを切ったのが今作だ。MVが先行公開されていた「Dead Rose」や「Hostage」に見られる、正統派な極悪デスコア・サウンドが容赦なく繰り出され、曲によってはインダストリアル的なアレンジや、ピアノを用いたイントロの導入などもあるが、初期への回帰を感じさせつつ、より洗練された作風となった。Tomのヴォーカリストとしての力量および存在感も確かなものだが、バンドの真価が問われるのは、おそらく次作以降であろう。
井上 光一【ライター推薦】
THE INTERRUPTERS / 『Fight The Good Fight』
GENRE:SKA PUNK
“RANCIDチルドレン最後の世代”THE INTERRUPTERSが
媚びずにスカ・パンクの王道を貫く3rdアルバムをリリース!
ここしばらく“まだやってるの?”ってくらい動きのなかったEpitaph Records傘下のレーベル、Hellcat Recordsから久々のリリース! “RANCIDチルドレン最後の世代”とも言える、もはやレーベル看板バンドとなったTHE INTERRUPTERSの3rdアルバムだ。どの曲もわかりやすく、めちゃくちゃノリやすい。2トーンの流れを汲んだ渋さもありつつ、Aimee Allenのハスキー・ヴォイスがぴったりなパンク・ソングもあり、今作もブレることなく彼ららしいスカ・パンクの王道を貫いている。一時期世に溢れていた、ただのRANCIDフォロワーではなく、さらに進化した独自の魅力も併せ持つ、まさに正当なRANCID後継者。決してメイン・ストリームに媚びないこの音楽性が、彼らが支持され、愛されている理由なのだ。
山本 真由【ライター推薦】
EARTH GROANS / 『Rahab』
GENRE:HARDCORE, PUNK
サウスダコタ発のハードコア/メタルコア・バンド、EARTH GROANS
ゴリゴリに攻めまくる鬼神の如き凶暴性を体感せよ!
アメリカはサウスダコタ発の4人組ハードコア/メタルコア・バンドの5曲入り2nd EP。結成は2015年とまだ日は浅いものの、野獣並みの豪放なシャウト系ヴォーカル、骨太肉厚のバンド・サウンドはすでに貫禄十分と言っていい。彼らの音楽性はNORMA JEANを引き合いに出されることもあるようだが、タフでストロングなマッチョ感はたしかに通底するところはある。ただ、叙情的なメロディや緩急の押し引きで聴かせるパートは皆無で、ひたすらゴリゴリに攻めまくる鬼神の如き凶暴性を楽しむべき。歌を含めてバンドの塊感で勝負したパワーとエネルギーには初期衝動が爆発している。OF MICE & MENもそうだが、この手のバンドはライヴを実際に観て、度肝を抜かれることが多いので、要注意だろう。
荒金 良介【ライター推薦】
DARK MIRROR OV TRAGEDY / 『The Lord Ov Shadows』
GENRE:BLACK METAL, SYMPHONIC METAL
韓国の6人組ダーク・シンフォニック・メタル・バンドによる
“闇の支配者”をコンセプトにしたニュー・アルバム!
2003年に結成された韓国の6人組メタル・バンド、DARK MIRROR OV TRAGEDY。日本の盟友 Ethereal SinとのスプリットCDのリリースや来日経験を持つ彼らが、ニュー・アルバム『The Lord Ov Shadows』をリリースする。“闇の支配者”をコンセプトにした本作は、慟哭のトレモロで疾走するTrack.2、迷宮に入り込むような目まぐるしい展開から叙情的なパートで心揺さぶるTrack.3と、長尺ながら緊張感に満ちた楽曲が並び、ラストを飾るTrack.5ではヴァイオリンとクワイアも加わったアンサンブルでドラマチックなフィナーレを演出。“ダーク・シンフォニック・メタル”と標榜するとおり、ブラック/デス・メタルに壮大なストリングスを組み合わせ、さらにゴシックに通じるような耽美さを備えた独自の世界観にただただ圧倒される。
菅谷 透【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2018年08月17日 18:08