ジェスロ・タル(Jethro Tull)、デビュー・アルバム『THIS WAS(日曜日の印象)』50周年記念版
何人たりとも寄せ付けぬ存在感で、様々なスタイルを吸収しサウンドを変化させながら活動を続ける、イアン・アンダーソン率いるブリティッシュ・プログレの代表格、ジェスロ・タル。彼らが生まれたのは、今から遡ること1968年2月。幾度かのバンド名の変更を経たのち、彼らは“ジェスロ・タル”の名で初めてライヴを行ったのであった。そのライヴから数カ月――ジェスロ・タルは、アルバム・デビューを果たすこととなる。
その記念すべきデビュー・アルバムのタイトルは『THIS WAS (日曜日の印象)』。1968年の夏にレコーディングされたこの作品は、オリジナル・ギタリストのミック・エイブラハムズの影響もあり、ブルース・ロック色の強いサウンドだったが、ジャズやブリティッシュ・トラッドの素養も感じさせる、荒削りでハードな面が光るアルバムに仕上がっている。(ちなみにこのアルバム発売後にミック・エイブラハムズは脱退、ブロドウィン・ピッグスを結成) アルバムのタイトル『THIS WAS (邦題は日曜日の印象)』は、オリジナル・アルバムのライナー・ノーツの1文「俺たちは、この時、そうやって演奏していた――でも物事は変わっていくものだ、そうだろ?」から取られているという。この作品から既に、ブルーズ・ロックからハード・ロック、フォーク/トラッド・ロックからプログレッシヴ・ロック、さらにはニューロマンティックまで、時代と共に様々なスタイルを貪欲に吸収し、サウンドを変化させながら活動を続けていく彼らの音楽性の片鱗が伺えるかもしれない。
「My Sunday Feeling(日曜日の印象)」や「Beggar's Farm」など、50年を経てもなお、彼らのライヴのセットリストに登場する楽曲を収録した『THIS WAS』が、50周年を迎えた今年、スティーヴン・ウィルソンのニュー・ステレオ・ミックスに、BBC Radioでのスタジオ・ライヴ音源などレア・トラックを多数収録したCD3枚組にDVDを加えた豪華パッケージで登場する。
CD-1には、もうすっかりジェスロ・タルの”アニヴァーサリー・シリーズ”でお馴染みのスティーヴン・ウィルソンによるオリジナル・アルバム、及び別ヴァージョンなどボーナス・トラック6曲のニュー・ステレオ・ミックス音源を収録。
CD-2にはBBC RADIOの「BBC TOP GEAR SESSION」に2度出演した際のスタジオ・セッションを収録。その中には、「Serenade To A Cuckoo」、「Love Story」、「My Sunday Feeling」などのライヴ・ヴァージョンも含まれている。こららライヴ音源に加え、シングルのB面曲やアメリカのFM用に制作されたラジオCM、さらに「Someday The Sun Won't Shine For You (Faster Version)」の未発表モノ・ミックスが収められている。
CD-3には、アルバムのオリジナル・モノ・ミックス、そして1968年のオリジナルUKステレオ・ミックスを収録。
DVDには、CD-1に収録されていたオリジナル・アルバムとボーナス・トラックをスティーヴン・ウィルソンが、4.1 DTSとAC3 Dulby Digital Surround、そして96・24LPCMステレオで収録。また「Love Story」と「A Christmas Song」の5.1サラウンド音源、そしてオリジナル・アルバムの1969 U.S.ステレオ・ミックスの96・24LPCMステレオ音源も収録。
さらにDVDサイズのブック型パッケージには、アルバムのヒストリーとバックグラウンドの詳細な記録や、イアン・アンダーソンによる曲解説を多数のレアな写真とともに掲載されたブックレットも付属。デビュー50周年を迎え、新たなサイクルへと突入したジェスロ・タルの”アニヴァーサリー・エディション”。その記念すべき年を祝う、まさに充実の内容となっているのだ!