11月9日公開：タワー店長によるセレクト・アイテム〈マスターズチョイス〉

2018年11月9日公開

 

シンプルだからこそ際立つ個性。インディ女王新作はセルフ・ピアノ・カヴァー

St. Vincent『MassEducation』

もはやインディシーンの女王と化した個性の塊。今作はヒット作となった『マスセダクション』を自ら＜ピアノ・アコースティック＞仕様に仕上げた異色の作品。基本楽器はピアノのみだから当然音数は少なくシンプル。だけど彼女の声だけでも十分過ぎるほどで、その個性はむしろ際立つほど。優しくクラシカルな印象から時折見せる緊張感と狂気には貫禄すらあり。

 

渋谷店：岩下 好則

 

◆◆◆◆◆

 

グルーヴィーなサウンドと、変幻自在なボーカルスタイルで五感を刺激

SIRUP『SIRUP EP』

クールに洒落のめしたディスコ・ブギーを余裕綽々で乗りこなし、抜群のタイム感で日本語と英語、歌とラップを流れるように行き来し、洗練されたトラックを自在に乗りこなす彼の新たな魅力が詰まった１枚。ソウル、R&Bを昇華した豊かなヴォーカル、ブラック・ミュージックのグルーヴを纏った最新鋭なサウンドが、心地良い。

 

渋谷店：岩下 好則

 

◆◆◆◆◆

 

時代を切り拓く謎の先駆者

Yves Tumor『Safe In The Hands Of Love』

Pitchfolkは、マーヴィン・ゲイやザ・キュアーも引き合いに出し、ディスコ、ソウル、そこにゴシックでダークな音楽性までを包括した ＜今最も冒険的なアーティストのうちの一人＞ とその才能を絶賛。坂本龍一のリミックスアルバムにも名を連ねる鬼才イヴ・トゥモア。突如リリースされたフル・アルバムは一筋縄では行かない刺激的な作品。

 

新宿店：寺本 将己

 

◆◆◆◆◆

 

歌う妖精・青葉市子、更に研ぎ澄まされた2年ぶり新作

青葉市子『qp』

自己流で始めた独特のギタースタイルと、妖精または巫女とも評される歌声は細野晴臣や坂本龍一、小山田圭吾といった上の世代のミュージシャンからも絶賛される。通算6作目の新作は儚くもしなやかなオオミズアオ（青白色をしたガ）をモチーフとした作品。オリジナリティを備えた澄んだ歌声とサウンドで表現する神秘的、寓話的な詩曲集。

 

新宿店：寺本 将己

 

◆◆◆◆◆

 

イーストロンドン出身R&Bシンガー、ネイオの2nd

Nao『Saturn』

ディスクロージャーの全英1位獲得アルバム『カラカル』(2015年)へのゲスト参加で一気にシーンで注目を集め、2016年 ＜BBC Sound of 2016＞で 3位に選出されたネイオの2ndアルバム発売。存在感のあるヴェルヴェット・ヴォイスと＜ネオ・ソウル/オルタナティヴR&Bサウンド＞が心地良い新たな名盤の誕生。

 

仙台パルコ店：平野 誉幸

 

◆◆◆◆◆

 

スカを代表する超名盤が2in1で登場

The Skatalites『スカ・オーセンティック』

スタジオ・ワンのハウス・バンドとして数々の名曲誕生に立ち会ったスカタライツによる、スカの教科書的名盤『スカ・オーセンティック』とその続編でこれまた名盤の『スカ・オーセンティック2』が2in1で嬉しい再発。ドン・ドラモンド、ジャッキー・ミットゥなど挙げればキリの無い凄腕集団による最高の演奏が凝縮。

 

金沢フォーラス店：米山 大紀

 

◆◆◆◆◆

 

Roy Ayersプロデュースのレアグルーヴ良盤

Sylvia Striplin『Give Me Your Love』

Roy Ayersがプロデュースを手掛けた1981年の傑作アルバムであり、指折りのレアグルーヴ盤。いまだにオリジナル盤のアナログLPは数万円台で取引されています…。タイトルチューン“Give Me Your Love”は、ダンス・クラシックの人気曲。サンプリング・ソースとしても人気の高い、間違いなしの良盤。

 

札幌ピヴォ店：小阪 和明

 

◆◆◆◆◆

 

＜キーボードの魔術師＞によるビートルズ、QUEEN等の名曲カバー

Rick Wakeman『ピアノ・オデッセイ』

元イエスのリック・ウェイクマンが、往年の名曲をピアノやストリングス、クワイヤーをはじめとした見事な大人向けアレンジでカバー。イエス“ラウンドアバウト”を筆頭に、ビートルズ“ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス”、デヴィッド・ボウイ、サイモン&ガーファンクル～クラシック作品が並び、クィーン“ボヘミアン・ラプソディ”では、ブライアン・メイがアコギで参加。美しさと成熟さを兼ね備えた珠玉の1枚。

 

郡山店：堤 展明

 

◆◆◆◆◆

 

今年のクリスマスはこれで決まり

John Legend『A Legendary Christmas』

グラミー賞10冠に輝くジョン・レジェンドの初にして極上のクリスマス・アルバム。何故、今までリリースがなかったのか不思議なくらい!?ジョン・レジェンドとクリスマス・ソングの相性の良さ。定番ソングからお洒落な楽曲までクリスマスを存分に楽しめる1枚。スティーヴィー・ワンダーやエスペランサ・スポルディングもゲスト参加。

 

盛岡店：田中 達也

 

◆◆◆◆◆

 

カルロス・サンタナの実弟による70'sメロウ・グルーヴの金字塔2作が2in1で再発

Jorge Santana『Love the Way: The Solo '70s Recording』

AOR～レア・グルーヴ・ファンなら、誰もが歓喜するであろう、かのセクシーなジャケットでおなじみ、ホルヘ・サンタナ78年初のソロ作、続く79年、アラン・トゥーサンを迎え、これまた得も言われぬメロウネスを聴かせたセカンド。どちらもレイト70'sのAOR～メロウ・グルーヴの名作との誉れ高き2作がリマスター2in1で再発。一部では偉大なる兄カルロス・サンタナの諸作をも超えて熱狂的なまでに支持される2作品。それが一挙にかつリマスターで聴けるというのは音楽ファンにとってはこの上ないプレゼントであろう。

 

新潟店：河田 良介

 

◆◆◆◆◆

 

60年に渡り活躍してきたロック偉人の新作。リリカルなフォーク・アルバム。

David Crosby『Here If You Listen』

ザ・バーズ、クロスビー、スティルス&ナッシュと伝説的なグループに在籍し、ロックの教科書に必ず載るデヴィッド・クロスビーの新作は、まず、御大77歳の声の若々しさに驚く会心作。フュージョン/ジャム・バンドのスナーキー・パピーのマイケル・リーグと再びタッグを組み、ミシェル・ウィリス、ベッカ・スティーヴンズを加えたコラボレーション作となり、凛々しいハーモニーが胸に沁みます。2014年以降コンスタントに作品を発表してきている中、ここにきてピークとも言える好内容。盟友ジョニ・ミッチェルの“ウッドストック”も取り上げています。

 

吉祥寺店：狩野 卓永

 

◆◆◆◆◆

 

ジャパニーズ・ポップスのレベルの高さを証明するマルチプレイヤー1stアルバム

TENDRE『NOT IN ALMIGHTY』

ベース、ギター、鍵盤にサックスとマルチに演奏をこなす河原太朗のソロ・プロジェクト1stアルバム。配信リリースから注目を集めた冒頭曲“RIDE”や心地よいグルーヴを漂わす“LOOPNES”など、日本の良質ポップスを自然体で受け継いだような名曲揃いのファースト・アルバム。

 

津田沼店：吉原 裕也

 

◆◆◆◆◆

 

若き日のファブフォーの魅力満載、驚愕の廉価ビートルズ箱

The Beatles『Rock 'N' Roll Music - Live & Rare 1962 - 1966』

1962年～1966年のデモ音源やアウトテイク、ドイツ時代のライヴ音源から伝説の武道館公演の音源まで収録した、驚愕の廉価ビートルズ箱。粗削りでフレッシュな若き日のファブフォーの魅力と、ライヴ音源では熱狂渦巻く当時の空気までもが感じ取れます。このフォトジェニックなジャケでこのお値段なので、あるうちにご入手いただくのがオススメです。

 

秋葉原店：石黒 亮

 

◆◆◆◆◆

 

これぞ90年代渋谷が生んだ＜和モノ＞アンセム

野宮真貴と少林兄弟『東京は夜の七時 c/w ハッピー・サッド ＜レコードの日対象商品/限定盤＞（7"）』

野宮真貴と小西氏が21世紀入って最初に好きになったロック・バンド＜少林兄弟＞とのコラボによる 『東京は夜の七時 c/w ハッピー・サッド』の7インチアナログ盤。A・B面の2曲とも完全新録、しかも2001年のピチカートファイヴ解散以来、小西氏と野宮さんが一緒にレコーディングを行うのは初。90年渋谷が生んだ名曲は今も輝きを放ち続ける＜和モノ＞のアンセム。

 

 

◆◆◆◆◆

 

レアグルーヴ・ファン垂涎の激レア盤が未発表シンセ・ブギー・バージョンを追加して再発

Bubbha Thomas & The Lightmen『Country Fried Chicken』

USファンク考古学史上、最も粗挽きで味わい深いとされているテキサス産ファンクの名作。10年前、積極的に紹介してきたのがStones Throwでしたが、当時それを手掛けていたのも今作を手掛ける元Stones Throw/現Now-Again主催のEgon氏。今作も本編の香ばしさはもとより未発表のシンセ・バージョンが激ヤバなので買い直し必須です。

 

高崎オーパ店：大坪 挙

 

◆◆◆◆◆

 

これがシティ・ポップの進化系、＜メロウ＞指数大幅アップの4thアルバム

ツチヤニボンド『Mellows』

先行発表されたアーバンメロウな“Urbane”を聞いた方の大半はこのアルバムを待ちわびていたはず。はっぴいえんどｘトロピカリズモと称されたデビュー以降、様々なジャンルをオリジナルな視点で楽曲にしてきた＜高野山の怪物＞の最新作。「南米」「アーバン」「メロウ」をキーワードに若手ミュージシャン達と作り上げた傑作。帯にも書かれている通り正に＜メロウ領域の拡大＞作品である。

 

ｸﾞﾗﾝﾂﾘｰ武蔵小杉店：柴野 直史

 

◆◆◆◆◆

 

ニルヴァーナらとオルタナ・シーンを牽引したダイナソーJr.のベストが2枚組となって再発

Dinosaur Jr.『Ear Bleeding Country: The Best Of』

2001年にRHINOからリリースしたベスト・アルバムが新たな仕様でCherry Red Recordsから再発。DISC2には、2007年の『Beyong』から2016年作品『Give A Glimpse Of What Yer Not』までのアルバムからの選曲に加え、シングルのB面曲、J Mascis + The Fog名義の楽曲も収録し、2018年までのキャリア全体を網羅した内容です。音源はすべてリマスタリンです。

 

オンライン：沼田 誠

 

◆◆◆◆◆

 

80's シティ・ポップ名盤

松下誠『ファースト・ライト』

松下誠(AB'S)が1981年に発表した1stアルバムで、日本の80’s シティ・ポップ名盤の一つを2012年マスタリングでCD発売。タワレコ限定。スティーリー・ダン、ジェイ・グレイドンあたりのサウンドからの影響も大。高度な音楽性とテクニックを用いて、80年代特有の日本の都会のイメージを表現したトータル・アルバム。ボーナス・トラック追加収録。MASTERPIECE OF MID 80’S JAPANESE GROOVE

 

商品本部　邦楽&映像部：那須 基作