ドリーム・シアターのキーボーディスト=Jordan Rudess(ジョーダン・ルーデス)、約4年振りのソロ新作
1999年の名作『METROPOLIS PART 2: SCENES FROM A MEMORY』からドリーム・シアターのメンバーとして活躍し、その驚異的なテクニックとサウンド・スタイル、そして飽くなき音楽的探究の旅続けるそのストイックな姿勢から、キーボードの魔術師とも称される名手、ジョーダン・ルーデス。ドリーム・シアターとしての活動以外にも、数々のソロ・アルバムを発表し、ソロ・ツアーも行い、自身の追い求めるサウンドを追求すべくアプリを開発したり、教則本やオンライン・キーボード講師としても活動をする彼が、ソロ作品としては約4年振りとなる最新作『WIRED FOR MADNESS』を完成させた!
『WIRED FOR MADNESS』は、ドラマ性に満ち、確固たるテクニックに裏打ちされた、メロディアスで壮大なサウンドという、彼の音楽的特性ともいうべきサウンドスケープをさらに推し進めたかのような作品だ。キーボードの魔術師として知られる彼は、今作ではヴォーカルも披露している。また、ドリーム・シアターの盟友でもあるジェイムズ・ラブリエやジョン・ペトルーシ、他にもヴィニー・ムーアやガスリー・ゴーヴァン、ジョー・ボナマッサといったギターの名手や、ドリーム・シアターのドラマー・オーディションの最終選考まで残ったマルコ・ミンネマンといった錚々たるゲスト陣が参加し、彼のソロ・アルバムに多彩な彩を加えてくれている。また、ロッド・モーゲンスタインやイライジャ・ウッドも参加していることは、特筆すべきポイントだと言えるだろう。
今作に関して、ジョーダンはこうコメントを残している。
「今作はコンセプト・アルバムっていうわけじゃなけど、タイトル・トラックは練り上げられたちゃんとしたストーリー性がある曲になっている。ここで描かれているのは、部分的にコンピューター化されてロボット的な存在へと自分自身をトランスフォームさせていこうとする男の話さ。その過程において、彼の人間的な側面は徐々に失われていくが、自身の肉体的/精神的な能力をさらに高めていくために、彼は現代的医学の力を使いながら自身をアップグレードさせていく。彼の歩む道のり(呪いとでもいうのかな)によって、いわゆる通常世界の人達とはどんどん距離を置いた存在となっていくのだが、日常の判断はよりコンピューター的な考えになっていくんだ。そういう存在になることで、彼の精神は狂気と精神的啓蒙の間を自由に行き交うようになっていく。天使が彼の元を訪れた時、彼が真実の啓蒙を手にするのか、それともフィジカルの世界から消えてしまうことになるのか…、その結末はリスナーの判断にまかせようか」
この最新作には、ブルース曲も収録されているという。
「”Just Can't Win"っていう曲はダーティなブルース・ソングさ! ドリーム・シアターのメンバーは俺の事をブルースマンって呼んでるよ。いろんな意味で、古き良きブルースマンの生まれ変わりみたいな男だからね。この曲をリアルなものにするために、ジョー・ボナマッサやホーン・セクションに手助けしてもらったんだ」
常に新たな音楽的アイデアを追い求め、制約にしばられることなく自由にその音楽的思考を羽ばたかせる才人、ジョーダン・ルーデス。飽くなき探求心に満ちた精神と、驚異的な動きを見せる10本の指を駆使して、誰も思いつかなかったスタイルを現実なものとしていく彼が創り上げたこの最新作『WIRED FOR MADNESS』は、彼がこれから進んでいくダイナミックな新章の幕開けとなる、そんなアルバムだ。彼がここからどう進化していくのか、そのヒントがこの作品の中に隠されている。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM) プログレッシブロック (Progressive Rock)
掲載: 2019年03月18日 19:06