Reginald Omas Mamode IV(レジナルド・オマス・マモード四世)日本限定CD『Where We Going?』
埃っぽくブロークンで荒々しいのに、結果として洗練された多角的なサウンドが、近年のサウスロンドンから溢れ出している。肌の色や年齢、どこから来たのかなど、そんなこと誰も気にしちゃいない街の態度と同様に、ハウスでもヒップホップでもジャズでもファンクでも、鳴るものは鳴るままに鳴らしている。
そんな地元のシーンを代表する22aクルーの一員であるレジナルド・オマス・マモード四世は、その圧倒的なオリジナリティでジャイルス・ピーターソンを虜にした鮮烈なデビュー作と、プリンスやディアンジェロが踏み入れた領域に接近してみせた野心的なセカンド、そして意外な様で必然だった、コーネリアスからのラヴコールを受け、国内外で大きな話題を呼んだ彼の作品のリワークを経てもなお、ここに来て新たな景色を望んでいる。
自身のルーツを求め向かった、インド洋南西部のマダガスカル東方沖に浮かぶマスカリン諸島への旅。その旅の中で記録された音の断片たち。古代モーリシャスの人々の育んだ豊かな遺産、音楽と文化。文書化されていない植民地主義への抵抗。サトウキビ農園のクレオール、奴隷の子孫の記憶。あらゆる思索と感情の起伏はすべて、黄金期のヒップホップ、ジャズ、ソウル、アフロ、ファンク、セガ、マロヤ、そしてアフリカ、カリブ、サウスロンドン、アメリカの音楽の影響を見事に昇華させた、キャリア3作目となるこの作品に反映されている。それは普遍的な愛と思いやりの感情を呼び起こそうとする試み。様々なドラムとドラムマシン、パーカッション、ローズ、そしてローランドとコルグのシンセサイザーを使って描かれた、親密なドキュメント。どこから来て、どこへ向かうのか。レジナルド自身による優しくも力強い手描きのアートワークを見つめながら、音のひとつひとつを感じ取る。瞬間と永遠が交錯していく。私たちはどこからかやって来て、どこかへと向かっている。
【収録曲】
1.Intro
2.So
3.Get With It
4.In Search Of Balance
5.Sister Rosé
6.Truly’I
7.Rock Along
8.Part Three (Omas Sextet)
9.Kand zot pou Apprende?
10.Interlude
11.Mother Liza
12.Where We Going?
13.To Be Free (Intro)
14.To Be Free
15.No Reason
16.Mr. Detective Constable (日本盤ボーナストラック)
【Reginald Omas Mamode IV(レジナルド・オマス・マモード四世)】
サウスロンドンはペッカム出身。2016年に発表したデビューアルバムがいきなりジャイルス・ピーターソンによる2017 Worldwide Music Awardsでベストアルバムにノミネートされ、ジャズやソウルへの愛情をたっぷり詰め込んだアフロでブロークンでダビーな独特のビートに乗せたPrinceやD’Angeloの影響を感じる軽やかなその歌声は瞬く間に世界中のリスナーを虜にした。所属する22aクルーの仲間であるMo KoloursとJeen Bassaは実の兄弟であり、彼らの共有する親密なムードと特異なサウンドはRythm SectionやYAM Recordsなどのスタイリッシュでアグレッシヴな感覚と共鳴し、いま最高の盛り上がりを見せるサウスロンドンシーンの一翼を担っている。2018年は兄弟らとのOmas Sextet名義での新作や、コーネリアスの楽曲のリワークで更なる注目を集め、国内外での評価が着々と高まる中、2019年に自身のルーツと向き合ったキャリア最重要作品である3作目をFive Easy Piecesよりリリースする。
掲載: 2019年04月23日 10:38