Perry Farrell(ペリー・ファレル)、18年振りとなる壮大なソロ・アルバム『KIND HEAVEN』
90年代にジェーンズ・アディクション、そしてポルノ・フォー・パイロズのフロントマンとして活躍し、いまや世界的フェスティヴァルへと成長したロラパルーザの共同創始者としても知られる、ロック・アイコン、ペリー・ファレル。その彼が実に18年ぶりとなるソロ・アルバムをリリース。
2001年のソロ・アルバム『SONG YET TO BE SUNG』、そして2011年、ジェーンズ・アディクションでリリースした『THE GREAT ESCAPE ARTIST』以来となるニュー・スタジオ・アルバム『KIND HEAVEN』。この本作でペリー・ファレルと共に、プロデュースを手がけるのは、デヴィッド・ボウイでの仕事で広く知られる名プロデューサー、トニー・ヴィスコンティ。またゲスト・ミュージシャンとして、フー・ファイターズのテイラー・ホーキンズやサウンドガーデンのマット・チェンバレン、カーズのエリオット・イーストン、ダーニ・ハリソン(ジョージ・ハリソンの息子)、そしてデヴィッド・ボウイのキーボード奏者としても活躍したマット・ガーソンなどが参加。彼らゲストに加え、ペリー・ファレルは『KIND HEAVEN』の音世界を作り上げるために、ハリー・グレックソン・ウィリアムズ指揮による18人編成の“カインド・ヘヴン・オーケストラ”も結成した。またジェーンズ・アディクションやポルノ・フォー・パイロズのメンバーやトミー・リー、そして妻、エタ・ファレルなどももフィーチャーされている。
アルバムからのファースト・シングルとなるのは、「Pirate Punk Politician」。タイトルから察せられるとおり、この曲はファレル本人曰く“古きよきスタイルを継承したプロテスト・ソング”であり、この中で描かれているのは、現代の強権を振り飾す政治家、そして彼らの抑圧戦略である。先日ペリーがインタビューで語ったところによると「ある預言についての神話」を描いたものだそう。さらに彼は、ラスベガスに『KIND HEAVEN』と名付けられたエンターテイメント施設をオープンする予定も明らかにしている。アルバムに描かれた世界観を楽しめるというこのエンターテイメント施設は、映像とホログラフを駆使し、タイやベトナム、ネパールや香港など東南アジアの街並みを思わせる空間を再現し、様々な音楽と食、映像やカルチャーを楽しめるアトラクションになるとのこと。アルバムに参加しているカインド・ヘヴン・オーケストラは、このエンターテイメント施設でパフォーマンスすることになっているそうで、またジェーンズ・アディクションやポルノ・フォー・パイロズもライヴを行う予定があるという。ペリー・ファレルが説く、新たなる神話劇――その第1章が幕を開ける。
掲載: 2019年05月16日 17:01