〈プログレッシヴ・ロック紙ジャケット・コレクション〉Vol.1 イタリアン・ロック編（Area、Arti & Mestieri）

Sony Music Progressive Rock Paper Sleeve Collection
Vol.1 Italian Rock
2019年6月5日発売

完全生産限定
各¥2,100+税
新規書下ろし解説
歌詞・対訳付き
2019年最新リマスター音源
高品質Blu-spec CD2

クラシック、ジャズ、現代音楽、民族音楽など、あらゆる要素をロックに採り入れ、叙情的でドラマティックでコンセプチュアルな作風、高い演奏技術や変拍子の活用、シンセサイザーやメロトロンといった近代的な楽器の多用など、限りなくオリジナリティを追求し続ける進歩的な音楽概念がプログレッシヴ・ロック。1969年にリリースされたキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』を発端としてわき起こったこの斬新な音楽性は、ピンク・フロイド、イエス、ジェネシス、EL&Pといった英国勢に留まらず、世界中のロック・ミュージシャンに影響を与え、一大プログレ・ブームを巻き起こした。ソニーミュージックが所有する莫大なカタログから、ブリティッシュ・ロックのみならずヨーロピアン・ロック、アメリカン・ロックなどから、プログレッシヴ・ロックに属する作品を毎回テーマ別にわけてリリースしていく予定。既発作品に関しても、ほとんどのタイトルが約10年ぶりの国内リリースとなり、まさに待望の再発シリーズとなる。

記念すべき第1弾は、人気の高いイタリアン・ロックの二大バンド、アレアとアルティ・エ・メスティエリの主要作品をリリース。この2つのバンドを擁するクランプス・レコーズは、1973年にアート・ディレクターの奇才ジャンニ・サッシが興したインディ・レーベルで、革新的な活動をするアーティストをいち早く発掘し世に送りだすことで知られていた。イタリア国内でも有数のインディ・レーベルであったが、1993年にサッシが他界して以降レーベルの権利が右往左往し、2014年に正式にソニーミュージック・グループ傘下となり、晴れてメジャー・レーベルの仲間入りを果たしている。アレアとアルティ・エ・メスティエリは、いずれもジャズを基調としながらロック・マインド溢れる豪快な演奏が定評のバンドで、70年代当時から日本でもレコードがリリースされていた人気バンド。すでに何度か国内再発されてきているが、遂に最終形とも言える最上級クォリティでのリリースとなる。

 

Area / Arbeit Macht Frei（Il Lavoro Rende Liberi）
アレア / 自由への叫び

イタリアン・ロック、ジャズ・ロック史に燦然と輝くアレアのデビュー作。攻撃的な演奏に地中海のエッセンスが加わり、変拍子の応酬、デメトリオ・ストラトスの圧倒的な歌唱力など、すべての音が衝撃の1枚。1973年作品

アレアはドラマーのジュリオ・カピオッツォが、国境を越えてレコード業界の潮流に流されない音楽を作ることを目的として結成したジャズ・ロック・バンド。本作は政治的思想を持つジャンニ・サッシ主宰のクランプス・レコード第1弾としてリリースされた。「自由への叫び」と「ツェッペリン号の崩壊」のシングル・エディット・ヴァージョンをボーナス・トラック収録。オリジナルLPに付属していたピストル型レプリカ・カードを再現封入。E式セミダブル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 7月, 8月, 9月（黒）
02. 自由への叫び
03. 自覚
04. 時間の唇
05. スミルネから240キロ
06. ツェッペリン号の崩壊
07. 自由への叫び（シングル・エディット・ヴァージョン）*
08. ツェッペリン号の崩壊（シングル・エディット・ヴァージョン）*
* ボーナス・トラック

 

Area / Caution Radiation Area
アレア / 汚染地帯

早くもメンバー・チェンジを迎え強力な陣営となったアレアの2作目。前作の勢いはそのままに、より複雑な曲構成とエレクトリカルなインプロヴィゼーションが増えた、エクスペリメンタル・ミュージックにも通じる緊張感溢れる傑作。1974年作品

アレス・タヴォラッツィ、パトリツィオ・ファリゼッリ、パオロ・トーファニ、ジュリオ・カピオッツォ、デメトリオ・ストラトスと、歴代最強の5人構成となったアレアの2作目。リズムの崩壊やランダムな電子音など、プログレとは明らかに異なる方法論で作られた実験的なサウンドが渦巻く摩訶不思議の世界。アルバム未収の「インター」（スタジオ・ヴァージョン）と「ジョージ・L・ジャクソンからの召喚状」をボーナス・トラックとして収録。E式シングル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 赤い彗星
02. ゼロ成長
03. 妖術師
04. 蜃気楼
05. ロボトミー
06. インター（スタジオ・ヴァージョン）*
07. ジョージ・L・ジャクソンからの召喚状 *
* ボーナス・トラック

 

Area / Crac!
アレア / クラック！

強烈な変拍子や超絶テクニックに加え、比較的親しみやすいメロディーラインとデメトリオ・ストラトスのロック・ヴォーカルが見事にマッチした3作目。イタリアン・ロック史に残る名曲「白い象」を収録した、俗に最高傑作と称される渾身の1枚。1975年作品

前作と同じラインナップで制作された本作は、アレアが最も得意とする変拍子を猛烈なスピードで繰りひろげるという曲芸にも似た演奏が堪能できる傑作で、初めてチャートインを果たし、さらに1975年の批評家賞を受賞している。バルカン音楽を採り入れた「白い象」や寓話を軸にした「オデッサのリンゴ」、メッセージ色の強い「栄光と革命」など、名曲揃いの名盤。オリジナルLPに1枚ずつ封入されていたステッカー4種すべてを再現封入している。E式セミダブル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 白い象
02. オデッサのリンゴ
03. 巨大都市
04. のたうつ怒り
05. 栄光と革命
06. インプロージョン
07. アレア 5

 

Area / Are（A）zione
アレア / アレアツィオーネ“アレア・ライヴ”

ジャズに根ざした超絶テクニックと、もはや楽器と化したデメトリオ・ストラトスのヴォーカルの融合が頂点に達した演奏が堪能できる、アレア初の公式ライヴ・アルバム。15分に及ぶインタープレイが魅力のタイトル曲や、共産主義のテーマ曲「インター」などを収録。1975年作品

アレアの絶頂期に録音された貴重なライヴ記録集。ミラノのランブロ公園で行われた労働者のための祭典やナポリのウニタ祭、リミニの若者祭、レッジョ・エミリアのコムナーレ劇場でのパフォーマンスからベスト・テイクをチョイス。スタジオ盤を遥かに上回る壮絶な演奏が展開され、アレアの真骨頂はライヴ・パフォーマンスにあることを証明している。バンド史上最高となるアルバム・チャート30位にランクインした傑作ライヴ・アルバム。E式セミダブル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 7月、8月、9月（黒）
02. オデッサのリンゴ
03. 赤い彗星
04. アレアツィオーネ
05. インター

 

Area / Maledetti（Maudits）
アレア / 呪われた人々

記憶バンクが破裂して人類が世界を統治する方法を忘れてしまうという物語に基づくコンセプト・アルバム。スティーヴ・レイシーやポール・リットン、ヒュー・バレンなど総勢10人に及ぶゲスト・ミュージシャンが参加し、アヴァンギャルドな面が強調されたジャズ・ロック作品。1976年作品

ジュリオ・カピオッツォとアレス・タヴォラッツィが脱退し、パトリツィオ・ファリゼッリ、パオロ・トーファニ、デメトリオ・ストラトスの3人体制で作られた4作目のオリジナル・アルバム。空想政治をテーマにしたストーリーを表現するために、世界各国で活躍する著名な現代音楽家＆ジャズ・ミュージシャンが集結。アレア・オーケストラと呼べる壮大なサウンドスケープ、そして音楽の難易度もマックスに達した、まさに渾沌とした1枚。E式セミダブル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 蒸発
02. 都会のディフォリズム
03. 老人支配
04. スカム
05. ト長調第3番～ブランデンブルクの殺戮
06. 廻る、廻る、輪になって
07. カオス（パート2）

 

Arti & Mestieri / Tilt （Immagini Per Un Orecchio）
アルティ・エ・メスティエリ / ティルト

イタリアン・ロックを代表するテクニカル・ロック・バンド、アルティ・エ・メスティエリのデビュー作。フリオ・キリコによる疾走感溢れる爆裂ドラムやユニゾンを多用した地中海風のメロディー・センス、意表を突く楽曲構成など、アイディアの宝庫と言える全プログレ・ファン必聴の大傑作。1974年作品

1973年に結成されたアルティ・エ・メスティエリは、ザ・トリップで活躍していたフリオ・キリコを中心に、壮絶ギタリストのジジ・ヴェネゴーニ、イタリア屈指のキーボード奏者のベッペ・クロヴェッラなど実力派ミュージシャンの集合体。『ティルト』はプログレ人気が衰退を始めたイタリア国内に大きな衝撃を与えた傑作。リリースから45周年となる今回、オリジナルLPに付属していた漏斗型レプリカ・カードを初めて再現し封入している。E式シングル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 重力 9,81
02. ストリップス
03. 腐食
04. ポジティボ／ネガティボ
05. 歩きながら
06. 華氏
07. 音節
08. ティルト

 

Arti & Mestieri / Giro Di Valzer Per Domani
アルティ・エ・メスティエリ / 明日へのワルツ

イタリアが誇る技巧派集団、アルティ・エ・メスティエリの2作目。攻撃的な姿勢は前作のまま、楽曲の構成やアレンジが充分に練られた密度の濃い作品として仕上がっており、プログレ、ジャズ・ロックを超えたアルティにしか成し得ない世界を構築した、自他ともに認める最高傑作。1975年作品

前作『ティルト』でイタリア国内のみならず世界中を驚喜させたアルティ・エ・メスティエリの2作目は、変拍子を多用した演奏テクニックの凄技や計算しつくされた構築美はそのままに、メンバー個々のアイデンティティーを尊重した独自の音楽スタイルを確立させ、プログレだけでなくジャズ・ロックの世界にも大きな足跡を残す名盤となった。ボーナス・トラックとして「知覚そして認識」のシングル・エディット・ヴァージョンを収録。E式セミダブル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. 明日へのワルツ
02. 花芯
03. 知覚そして認識
04. 9つの月の前で
05. メスカル酒
06. メスカル酒の盃
07. 9つの月の後で
08. 大地の大きさ
09. 重苦しい空気
10. 意識パート1
11. 祭礼
12. 意識パート2
13. 放棄
14. マリリン
15. 終末
16. 知覚そして認識（シングル・エディット・ヴァージョン）*
* ボーナス・トラック

 

Arti & Mestieri / Quinto Stato
アルティ・エ・メスティエリ / クイント・スタート

主軸メンバーだったジジ・ヴェネゴーニとベッペ・クロヴェッラが脱退し、フリオ・キリコを中心にメンバーを一新して作りあげた、新生アルティ・エ・メスティエリの誕生となる通算3作目。フュージョン・ブーム到来を受け、パワフルながらも色彩感豊かなジャズ・ロックを聴かせる好作。1979年作品

1人の労働者の抗議運動がきっかけとなって生まれた本作は、フリオ・キリコがエザーゴノ（マルコ・ガッレージ、ジジ・ヴェネゴーニ、アルトゥーロ・ヴィターレなどが在籍）の助けを借りて作りあげた作品。オリジナル・メンバー4人が集結し、パワフルな演奏技術や繊細な楽曲の構築美はそのままに、プログレ、ジャズ・ロック、フュージョンとジャンルを超えたエレメンツに溢れ、アルティ・エ・メスティエリの唯一無二の世界観は健在。E式セミダブル・ジャケット/内袋付

 

【収録曲】
01. クイント・スタート
02. 路地
03. 動脈（硬化）
04. 記憶の中のトリノ
05. マーケット
06. エッセイ
07. 芸術
08. 屋根の上

 

2000年以降の作品が遂に待望の紙ジャケ化リリース！