ムーディー・ブルースのJohn Lodge(ジョン・ロッジ)による”ディープ・カッツ”的な作品『Byond: The Very Best Of』が発売
「このアルバムで、再び取り組んでみようと考えた曲や、私の人生において非常に重要な意味を持つ曲といった、私の”ディープ・カッツ”的なものを皆と共有したいと思っています。この思いが、再び私をスタジオへと誘い、我がフェンダー・プレシジョン・ベースと共に再びレコーディングし直させ、皆にこうやって届けさせてくれたのです」 ─ ジョン・ロッジ
64年に活動をスタートさせ、音楽にいち早くメロトロンを導入し、その後のプログレッシヴ・ロックの草分け的存在として知られる、ロック界のレジェンドにしてプログレッシヴ・ロックの代表的バンド、ムーディー・ブルース。活動当初はR&Bよりのスタイルを披露していた彼らだが、67年に二人のメンバーを新たに迎え入れたことでその音楽性を前衛的なものへと進化させていき、オーケストラとの共演や電子楽器を積極的に取り入れながら伝説を築き上げていった彼らは、2018年にロックの殿堂入りを果たしている。
その大きな転換期となった67年にバンドに参加したのが、ジャスティン・ヘイワードと、このジョン・ロッジだ。ベーシストとして、ヴォーカリストとして、そしてソングライターとしてムーディー・ブルースの躍進に大きく貢献し、ソロとしても活動し、現在もイエスやエイジア、そしてカール・パーマーズELPレガシーらと共に「THE ROYAL AFFAIR TOUR」に参加するなど今もなお精力的に活動を続けるジョン・ロッジから、新たな作品が届けられた。それがこの『B YOND - THE VERY BEST OF』だ。
ムーディー・ブルース~ソロへと続くジョン・ロッジというアーティストのキャリアの中で、自分にとって非常に重要な楽曲を自らが選曲し、コンパイルした12曲を収録したこの『B YOND - THE VERY BEST OF』。創造性豊かなジョン・ロッジらしく、この作品もただ単に過去の楽曲をコンパイルするだけではなく、過去楽曲に新たなアレンジを施しレコーディングし直したり、ライヴ・ヴァージョンや最新リマスター化した音源ばかりが収録されており、まさに彼の過去・現在・未来を垣間見せてくれる作品だと言えるだろう。
新たにレコーディングされた楽曲は、ソロ・アルバム『NATURAL AVENUE』のCD化の際にボーナス・トラックとして収録されていた「Street Cafe」と、ムーディー・ブルースの67年のアルバム『DAYS OF FUTURE PASSED』に収録されていた「(Evening) Time to Get Away」、そして盟友故レイ・トーマスへの追悼の意味も込められた、ムーディー・ブルースの68年のアルバム『IN SEARCH OF THE LOST CHORD』収録の「Legend of a Mind」の3曲。自身のバンド、10,000 Light Years Bandと共にレコーディングしたこの曲は、ジョン本人とキーボーディストのアラン・ヒューウィットとの共同プロデュースとなっている。
他にも新リミックスが施された「Summer Breeze, Summer Song」「Say You Love Me」の2曲や、4曲のライヴ音源も収録する今作、再録されている楽曲もすべて2019年最新リマスターが施されている。彼の偉大なるキャリア、そしてどこか牧歌的でありながらも壮大な世界観を持つ彼のサウンド・スタイルを堪能させてくれるこのアルバムは、ジョン・ロッジによる自叙伝的作品だと言えるだろう。なお、印象的なジャケット・アートワークを手掛けるのは、プログレッシヴ・ロックの伝説的アーティスト、ロジャー・ディーンだ。
【収録曲】
01. I'm Just a Singer (In a Rock and Roll Band) [Live]
02. Summer Breeze, Summer Song
03. In My Mind
04. Street Cafe
05. (Evening) Time to Get Away
06. Saved By the Music (Live)
07. Legend of a Mind
08. Say You Love Me
09. Get Me Out of Here
10. Gemini Dream (Live)
11. Isn't Life Strange (Live)
12. Ride My See-Saw
タグ : プログレッシブロック (Progressive Rock)
掲載: 2019年09月06日 15:36