Asian Dub Foundation(エイジアン・ダブ・ファウンデイション)|最新アルバム『Access Denied』登場
90年代初頭、イースト・ロンドンで行われたワークショップをきっかけに彼らの物語はスタートした。その特異なサウンドには、移民コミュニティー出身のメンバーの実体験が大きな影響をもたらしている。ジャングルのリズム、ダブのベースライン、彼らの南アジアのルーツを参照したギターサウンド、そして闘争心むき出しなハイスピード・ラップ、それらを掛け合わせることによって創り出される唯一無二なサウンドによって、今もなお彼らは世界最高峰のライブバンドとして君臨している。90年代半ば、フランスにおいてライブ・パフォーマンスが評判を呼ぶと、勢いを失いつつあったブリットポップに対するオルタナティブな存在として人気を確立してきた彼らは、長いキャリアを通してレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ビースティー・ボーイズ、プライマル・スクリームとステージを共にし、レディオヘッド、イギー・ポップ、チャックDといったレジェンドとコラボレーションを行ってきた。
今作『Access Denied』ではタフなジャングル・パンクのサウンドを奏でた“Stealing The Future”や“Mindlock”からメディテーショナルなオーケストラサウンドが詰まった“Realignment”、そしてレゲエに至るまで様々な要素が詰まった作品で、今までで最も妥協のない作品が完成した。アルバムにはパレスチナのヨルダンのエレクトロニック・ミュージックグループの47 Soul、チリの人気ラッパーであるアナ・ティジュなどが参加、更にはグレタ・トゥーンベリの演説までサンプリングされており、常に政治的メッセージを出してきた彼らが今まで以上に強く、そして激しいステートメントを掲げている。
【Asian Dub Foundation(エイジアン・ダブ・ファウンデイション)】
1993年に英国ロンドンで結成されたダブ・グループ。在英のインド・バングラデシュ系のメンバーによって構成。 95 年に初アルバム 『 FACT AND FICTIONS 』 を発表。強靱なダブにパンクやインド音楽などをミックスした個性的で扇情的なサウンドに乗せた、在英アジア人ならではの反人種差別、人権擁護を訴える歌詞が注目を集める。メンバー交替を経ながらも精力的な活動を続け、フジロック・フェスティバルなどでたびたび来日。その圧倒的なライヴ・パフォーマンスは多くの支持を集めている。
掲載: 2020年04月15日 16:40
更新: 2020年06月18日 15:30