〈タワレコ新宿シティ・ポップ〉クニモンド瀧口選曲コンピ [CITY MUSIC TOKYO invitation] と一緒に聴きたい一枚をセレクト
今日のシティポップブームの立役者、流線形を率いるクニモンド瀧口さんが[影響を受けた隠れた名曲]をコンセプトに編んだ新シティポップコンピ[CITY MUSIC TOKYO invitation]。こちらは、時代や文脈を通り越し「ナイスグルーヴ」で「流線形につながった」楽曲の中でも特にレア度の高い楽曲をとことん掘り起こした一枚で、今回のコンピがなければすっかり埋もれきっていたのでは…というような楽曲も多数。ありきたりなコンピにはちょっと…なんて方におすすめの、シティポップコンピの次の一枚の決定盤。 そしてこのコンピのリリースを記念して、収録曲をきっかけにより掘り下げるときに聴いてほしい一枚を新宿店スタッフがセレクトしました!
Selected by
新宿店/松本創太
池袋店ジャズ担当、秋葉原店洋楽バイヤーを経て、現在新宿店邦楽フロア担当。
ロック〜シティポップ〜ファンクなど、ソリッドなビートと美メロの交差する音楽を広く浅く雑食で探求中。
人生の2枚を強いて選ぶならサザンオールスターズ「YoungLove」とthe Beatles「Rubber Soul」(正直選びきれません。笑)
ナツ・サマー『HAYAMA NIGHTS』
[宮沢りえ「心から好き」のトロピカル・メロウカバー収録!]クニモンド瀧口氏プロデュース、トロピカル・シティ・ポップ・レジェンド小林”mimi”泉美さん参加! 〈シティポップ・レゲエ〉を標榜し、10年代のシティ・ポップ・ブームを一人涼しげに渡り歩いてきたナツ・サマーさんの2020年作。CITY MUSIC TOKYO invitationにクニモンド瀧口氏が取り上げている宮沢りえ[心から好き](原曲は作詞:北野武×サックス:T-SQUARE 伊東たけし)を、スティール・パンとともにトロピカル・メロウにカバーした⑥がなんとも素敵。夏も冬も、生活の隙間にすっと入ってきてくれそうな素敵な一枚。
流線形『シティミュージック(PS/RM)』
[バンド名は勿論ユーミンのあの作品から。]現在はクニモンド瀧口氏のソロ・ユニットとなっている流線形の、3人組でのバンド時代のデビュー・アルバム。もちろんバンド名はユーミンのアルバム名から、さらに”中央フリーウェイ”オマージュな①をはじめ、渋谷系もシティポップスもオワコンだった不毛の時代=03年に早くも現在のポスト・シティポップ・リバイヴァルを予見していたかのような重要作品。
Various Artists『NICK LUSCOMBE presents TOKYO DREAMING』
[80'sトーキョー発、"過ぎ去った未来"の音楽集。]80年代初頭のトーキョー、バブルな好景気に踊らされポップ・ミュージックというフォーマットでさえも型破りな実験が許された時代。そんな時代を夢想しディグを続ける英ラジオDJのニック・ラスコムさんが、これまた実験的な楽曲の宝庫『日本コロムビア』に残された和レアリック音源をコンパイルした一枚!NWエレクトロ・ディスコ①②③やシティポップ・フュージョン⑥、”晴海埠頭”と人気を二分する⑧やテクノ・ポップ⑨⑩⑪、はたまたジャズ・ノット・ジャズなNWダブ⑭。極めつけは来たるべき80'sアンビエントの到来を予見していたかのようなエレクトーン・インスト⑯まで、埋もれたパスト・フューチャー・ファンク全16曲。
Various Artists『Pacific Breeze 2』
[海外視点 ジャパニーズ・シティ・ポップ・コンピ 第2弾!]19年に大ヒットを記録した米レーベル発のシティ・ポップ・コンピの第2弾。ついに菊池桃子さんに海外が目を付けた!というトピックも含みつつ、大瀧さんの1stからの②~角松ワークスの杏里⑥など、前作のブリージンな要素を残しつつ、ジャケット通りのメロウな夜型な選曲。日本人の我々が見過ごしていた楽曲を海外の今の耳で掘り起こしてくれる名コンピで、入門から上級者にまで幅広くオススメできる一枚。
Cindy (J-Pop)『ANGEL TOUCH <タワーレコード限定>(Blu-spec CD2/RM)』
ワンアンドオンリーのエンジェル・ヴォイスが聴く者の胸を締めつけて止まない女性シンガーソングライター、CINDYが残した奇跡の名盤。作曲家として中山美穂他様々なアーティストに曲を提供。1986年から山下達郎さんのツアー及びレコーディング(『JOY』など)にコーラスとして参加。⑨では山下達郎がコーラス&コーラス・アレンジ、ギターなど幾つかの楽器演奏で参加。90年代の達郎さんのサウンドに近い作りのトラックで、甘いカッティングも美味。同時期に山下達郎さんのツアー及びレコーディングに参加した東北新幹線の鳴海寛の仕事としても重要作。
Various Artists『ANYTIME FUSION! The Best Fusion of Victor Archives <タワーレコード限定>(2CD)』
タワーレコード責任編集のフュージョン・コンピレーションシリーズ 第2弾。時代が生んだフュージョン名曲の宝庫であるビクターの音源から、アジムス、シャカタク、フルーツケーキ、デイヴ・グルーシン、リー・リトナー、渡辺貞夫らの名トラック30曲を収録。CITY MUSIC TOKYO invitationの⑫で、CM女王として赤塚不二夫も絶賛した大野方栄さんがカシオペアの演奏に乗せて日本語詞で歌ったShakatakの[Invitation]ももちろん収録。なんといっても『クロスオーバーイレブン』のテーマ曲Disc1-①…聴くだけであの時代に一瞬にして戻れます。
EPO『GOODIES <タワーレコード限定>(Blu-spec CD2/RM)』
山下達郎さんやサザン関連でも重要人物、EPOさん 80年のL.A.、N.Y.、東京で録音された2ndアルバム。ゴージャスでロマンティックなバックの上に乗っかる、EPOさんののびやかな歌声が素敵な一枚。CITY MUSIC TOKYO invitationにも取り上げられたラグジュアリーな②にはハロルド・ウィーラー編曲のもと、ジョン・トロペイ、アンソニー・ジャクソン、ルーサー・ヴァンドロスらが参加。山下達郎さんワークス④⑩⑪収録。3か所のレコーディング、それぞれの場所の音の聴き比べができるのも◎
国分友里恵『Relief 72 hours(Blu-spec CD2/RM)』
いまもタツローのLIVEではバックコーラスに欠かせない女性ボーカリスト、国分友里恵のファースト・アルバム!プロデュースはこれまたブリージンなシティPOPサウンドのマエストロ林哲司。当時のAOR~NYサウンドの意匠を纏い表情豊かなヴォーカルを聴かせる名盤、近年は海外のレコードマニアからも熱い注目を集める一枚デス。80'初頭の角松敏生や当山ひとみあたりが好きな方は必聴!
Various Artists『Non Vintage~林立夫セレクション』
キャラメル・ママ、ティン・パン・アレーを起点に、日本音楽界の名バイプレイヤーともいえる林達夫さんの自選ワークスコレクション。日本のポップスの王道集的な選曲ですが、通して聴くとそこには林さんの生み出した一本のグルーヴの柱を感じます。まさに日本の音楽の屋台骨。ドラムテクニックに主眼を置いていない選曲も、林さんのポップスへの愛を感じます。林立夫さんプロデュースのマナ79年の裏ティン・パン・アレー名盤から、CITY MUSIC TOKYO invitationの⑬、本コンピのDisc1-③がそれぞれ収録!
Various Artists『テクノマジック歌謡曲』
音楽ライター 田中雄二氏監修/選曲による"イエローマジック"シリーズ。こちらはYMOの面々が関連していない、80年代国産テクノ歌謡で編まれた一枚。舶来の文化を取り入れて進化してきた日本人ならではの、しっかりと歌謡の味付けされたテクノ風味楽曲の数々。スタンダード[恋人よ我に帰れ]をCM女王大野方栄がアッパー早口でカバーしたDisc1-⑬(佐藤博ワークス!)は要チェック。科学万博用に作られたという阿久悠さん作詞のピコピコ音頭Disc1-⑮など廃盤楽曲も多数収録!
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タグ : タワレコ新宿シティ・ポップ シティ・ポップ
掲載: 2020年11月17日 13:00