Piry Reis(ピリー・ヘイス)|ヴェロカイを彷彿させるピリのウルトラ・レア7inchが奇跡の再発
ブラジル・レコード・コレクターが探し求めるピリ・ヘイスの幻級 7INCH が2枚組で復刻決定! アルバムとは全く違うアレンジで収められた "Cisplatina" はヴェロカイ級のモンスター・キラーサイケです!
リオ生まれの作編曲家/シンガー、ピリーことピリ・ヘイス。幻といわれるクアルチン・レーベルに残した傑作『VOCES QUEREM MATE(1970)』を皮切りに、ジスモンチのレーベル「CARMO」からリリースした『CAMINHO DO INTERIOR(1984)』、『RIO ZERO-GRAU(1986)』、さらには90年代に入ってからも『COISA RARA(1991)』などの傑作群を発表。寡作ながらにブラジルのミュージシャン、そして熱心なブラジル音楽ファンには知られる人物である。近年は MUSIC FROM MEMORY の傑作コンピレーション『OUTRO TEMPO』に収録されたことによりバレアリック/ニューエイジ文脈で再発見されたが、その高い音楽性と実験精神、ミナス音楽にも通ずる浮遊するメロディはそういった文脈を超越していることもあり、彼の魅力に取りつかれる DJ やレコードコレクターが続出。結果として残されたレコードはどれも非常に高額で取引されるようになった。
そんなピリが残したカタログのなかでも最もレアかつエバーグリーンな魅力を放つのが、本作 DISC-1 に収録されている 7INCH 『Heroi Moderno / Cisplatina』(SOM LIVRE / 401.6071 / 1975) である。SIDE-A は以前にブラジル・ガレージものコンピに収録されたことがあるものの、SIDE-B の "Cisplatina" はアルバム『CAMINHO DO INTERIOR(1984)』に収録されたバージョンとは全くの別もの。優美なストリングスとホーンアレンジ、ギター・ストロークを軸にした心地よいミッド・グルーヴ、サウダーヂを感じさせる哀愁溢れるピリの歌声が絡むあまりにキラーなその内容は、ブラジリアン・サイケ/レアグルーヴの象徴であるアルトゥール・ヴェロカイのセイムタイトル・アルバムを引き合いに出してもなんら遜色のない感動的なバージョンである。長らく WEB でも聴くことができず (2021/2月時点では盤質の悪いレコードではあるが某動画サイトにアップされている)、ほとんどの人がその存在すら認識していない 7inch であったが、オランダ RUSH HOUR 社とピリ本人の尽力によってこのたび初めて日の目を見ることになった。一方の DISC-2 は名門クアルチンに残したフォーキーサイケ名曲 "Reza Brava" に、CARMO に残したエレクトロニクスが絶妙の浮遊感をみせるバレアリック・チューン "Ceu De Managua" とのカップリング。
MPB、サイケ、フォーク、そしてバレアリック。バラエティ豊かながら全曲キラー、そして幅広い文脈で高い評価を獲得するピリの音楽性を存分に堪能できる最高の 2枚組7INCH となっている。
輸入盤7インチ・レコード
【収録曲】
Disc 1
A.Heroi Moderno
B.Cisplatina (7 Inch Version)
Disc 2
C.Reza Brava
D.Ceu De Managua
タグ : 【World】復刻&発掘 ブラジル リイシュー 世界の音楽
掲載: 2021年03月25日 19:14