Laura Nyro(ローラ・ニーロ)|1967年から1978年の間に発売された7枚のオリジナル・アルバムにレア&ライブ音源集を加えた8枚組アナログ盤BOX
ローラ・ニーロは、1947年ニューヨーク/ブロンクスの生まれのシンガー・ソングライター。ミュージシャンであった父親の影響で8歳の頃にはすでに作曲を始め、18歳で初めてレコーディング契約を結ぶ。1967年にアルバム『More Than A New Discovery』でデビュー。ゴスペル、ソウル、ジャズ、R&B及び、ブリル・ビルディングのソングライター達からも影響を受けた独特の作風とそのエモーショナルな歌声が大きな反響を呼ぶと共に、アルバム収録曲がフィフス・ディメンションやバーブラ・ストライサンドにカヴァーされ大ヒットを記録。音楽業界から大きな注目を集める。その後1971年まで毎年アルバムを発売し、22歳の時にはアメリカで最も成功したソングライターの一人となった。その多大な影響力は、ボブ・ディラン、マイルス・デイヴィス、ジョニ・ミッチェル、エルトン・ジョン、キャロル・キングといった同世代のアーティストのみならず、アリシア・キーズやスザンヌ・ベガから現代にいたるまで幅広い年代のアーティストに及んでいる。60年代から70年代にかけて印象的なアルバムを制作しながら、二度に渡る結婚や出産のため活動停止や復帰を繰り返し、1993年に2度目の来日を果たし健在振りをアピールしたが、1997年、癌により49歳の若さで死去。その印象的な作品は今も輝きを放ち、多くの人を魅了している。
今回発売されるボックスセットには、『More Than A New Discovery』『Eli And The Thirteenth Confession(邦題:イーライと13番目の懺悔)』『New York Tendaberry』『Christmas And The Beads Of Sweat (邦題:魂の叫び)』『Gonna Take A Miracle』『Smile』『Nested(邦題:愛の営み)』のオリジナル・アルバム計7タイトルに加えて、CDの再発の際にボーナストラックとして収録されていたデモ音源、モノ音源、ライヴ音源を集めた『Rarities & Live Recordings』の計8枚を収録。全曲がこのアナログ盤ボックスセットのために新たにリマスターされている。また、12インチサイズの36ページブックレットには、レアな写真に加えて、イギリスの音楽ジャーナリストであるPeter Doggettによる最新ライナーノーツや、トッド・ラングレンやチャーリー・カレロへのインタビューも掲載される(英文)。
■収録アルバム
『More Than A New Discovery』(1967年発売)
1967年発表の、記念すべきデビュー・アルバム。当初Verve/Folkwaysレーベルから発売されたが後に米コロムビアが1969年にマスターを買取り、タイトルを『The First Songs』に変更。曲順も一部変更して発売された。初期ローラ・ニーロの独創性に満ちた歌が並ぶ。「ウェディング・ベル・ブルース」はフィフス・ディメンションによって全米No.1に、「フリム・フラム・マン」「ストーニィ・エンド」はバーブラ・ストライサンドで、「アンド・ホエン・アイ・ダイ」はBS&Tによってカヴァーされヒットした。ゴスペルの感覚を活かしながらジャズ・フィーリングをミックスし、ブリル・ビルディングのソングライター達の味付けを施した彼女の歌は、このアルバム発表を機に音楽業界で大きな注目を集めた。
『Eli And The Thirteenth Confession(邦題:イーライと13番目の懺悔)』(1968年発売)
フィフス・ディメンションがカヴァーしてヒットさせた「スウィート・ブラインドネス」「ストーンド・ソウル・ピクニック」やスリー・ドッグ・ナイトが取り上げた「イーライがやって来る」などソングライターとしての魅力溢れる楽曲が並ぶ。デビュー間もなく開花した作家としての才能に加え、エモーショナルな歌声が深く心に染み入る傑作に仕上がった。その感情の起伏の激しいソウルフルなヴォーカルが強烈に個性を発揮。プロデューサーは、チャーリー・カレロ。
『New York Tendaberry』(1969年発売)
タイトルどおり、都会に生きる女性の光と影を鋭い感性で綴った、独特のクールネスを漂わせる傑作。溢れる感情をそのままに表現した緩急自在のヴォーカルは冴え渡り、その絶望と希望が交錯したストーリーへと誘う。レコーディングへの参加を依頼したマイルス・デイヴィスに「俺がつけ加えるべきものはない」と言わせしめた。
『Christmas And The Beads Of Sweat (邦題:魂の叫び)』(1970年発売)
プロデュースにアリフ・マーディンとラスカルズのフェリックス・キャヴァリエを迎え、マッスル・ショールズのミュージシャンをバックにソウルフルに録音された。 激動の70年代を見つめるローラの愛や、怒り、悲しみが歌いこまれた、独自の音楽世界をさらに比類なきものにした作品。おなじNYベースのキャロル・キングの作品を取り上げたことでも話題になった。
『Gonna Take A Miracle』(1971年発売)
全曲をカヴァー楽曲で統一し、ファンや周囲を驚かせた第五作。収録した曲の数々はR&Bやソウルのスタンダード曲で彼女のブラック・ミュージックに対するリスペクトが滲み出ている。パティ・ラベルの在籍した黒人女性コーラス・グループ<ラベル>との共演も大きな話題となった。プロデュースはレオン・ハフ&ケニー・ギャンブルで、レコーディングはフィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオで行われた。
『Smile』(1976年発売)
彼女のルーツともいえるジャズの香りに満ちたアルバム。共同プロデューサーに再びチャーリー・カレロを迎え、ジョン・トロペイ、リチャード・デイヴスなどNYの一流ミュージシャンと共に、ソウル、ジャズにまたがるクロスオーバー・サウンドを作り上げている。
『Nested(邦題:愛の営み)』(1978年発売)
ニューヨークの都会の孤独を投影した黒のイメージから、明るい陽光のなかで微笑むローラへ。太陽の光、月、星をモチーフに自然のなかで愛の喜びを歌うローラがここにはいる。ジョン・セバスチャンやフェリックス・キャバリエが参加。これまでにない軽やかなヴォーカルが全篇に聴かれる。
『Rarities & Live Recordings』
CDの再発の際にボーナストラックとして収録されたモノ・ヴァージョン、デモ音源、ライブ音源を収録。各音源ともに、アナログ盤として初めて発売される。
輸入盤LP
■収録曲
LP1『More Than A New Discovery』 (1967)
A1. Goodbye Joe
A2. Billy's Blues
A3. And When I Die
A4. Stoney End
A5. Lazy Susan
A6. Hands Off The Man
B1. Wedding Bells Blues
B2. Buy and Sell
B3. He's A Runner
B4. Blowin' Away
B5. I Never Meant To Hurt You
B6. California Shoe-Shine Boys
LP2『Eli And The Thirteenth Confession』(1968)
A1. Luckie
A2. Lu
A3. Sweet Blindness
A4. Poverty Train
A5. Lonely Women
A6. Eli's Comin'
B1. Timer
B2. Stoned Soul Picnic
B3. Emmie
B4. Woman's Blues
B5. Once It Was Alright Now (Farmer Joe)
B6. December's Boudoir
B7. The Confession
LP3『New York Tendaberry』(1969)
A1. You Don't Love Me When I Cry
A2. Captain for Dark Mornings
A3. Tom Cat Goodby
A4. Mercy on Broadway
A5. Save the Country
B1. Gibsom Street
B2. Time and Love
B3. The Man Who Sends Me Home
B4. Sweet Lovin' Baby
B5. Captain Saint Lucifer
B6. New York Tendaberry
LP4『Christmas And The Beads Of Sweat』(1970)
A1. Brown Earth
A2. When I Was A Freeport And You Were The Main Drag
A3. Blackpatch
A4. Been On A Train
A5. Up on the Roof
B1. Upstairs By A Chinese Lamp
B2. Map To The Treasure
B3. Beads Of Sweat
B4. Christmas In My Soul
LP5『Gonna Take A Miracle』(1971)
A1. I Met Him On A Sunday
A2. The Bells
A3. Monkey Time/Dancing In The Street
A4. Desiree
A5. You've Really Got A Hold On Me
B1. Spanish Harlem
B2. Jimmy Mack
B3. Wind
B4. Nowhere To Run
B5. It's Gonna Take A Miracle
LP6『Smile』(1976)
A1. Sexy Mama
A2. Children of the Junks
A3. Money
A4. I Am the Blues
B1. Stormy Love
B2. The Cat-Song
B3. Midnite Blue
B4. Smile
LP7『Nested』(1978)
A1. Mr. Blue (The Song of Communications)
A2. Rhythm & Blues
A3. My Innocence
A4. Crazy Love
A5. American Dreamer
B1. Springblown
B2. The Sweet Sky
B3. Light-Pop's Principle
B4. Child in a Universe
B5. The Nest
LP8『Rarities & Live Recordings』
A1. Stoney End (Single Version) [Mono Version]
A2. Lu (Demo)
A3. Stoned Soul Picnic (Demo)
A4. Emmie (Demo)
A5. Eli's Comin' (Single Version) [Mono Version]
A6. Save The Country (Single Version)
A7. In The Country Way (Album Version)
B1. Ain't Nothing Like The Real Thing (Live - Fillmore East, New York - 30/05/1971)
B2. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Live - Fillmore East, New York - 30/05/1971)
B3. O-o-h Child (Live - Fillmore East, New York - 30/05/1971)
B4. Up On the Roof (Live - Fillmore East, New York - 30/05/1971)
B5. Someone Loves You (Demo)
B6. Get Me My Cap (Demo)
B7. Coffee Morning (Demo)
B8. Medley: Emily/Nested (Live)