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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.140

スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ・カルテッツ』(1955)

SGQ

スタン・ゲッツ(ts)
アル・ヘイグ、トニー・アレス(p)
トミー・ポッター、パーシー・ヒース、ジーン・ラミー(b)
ロイ・ヘインズ、ドン・ラモンド、スタン・リーヴィー(ds)

1949年6月21日、1950年1月6日、4月14日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.ゼアズ・ア・スモール・ホテル
02.アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン
03.ホワッツ・ニュー
04.トゥー・マーヴェラス・フォー・ワーズ
05.夢から醒めて
06.マイ・オールド・フレイム
07.ロング・アイランド・サウンド
08.インディアン・サマー
09.マーシャ
10.クレイジー・コーズ
11.ザ・レディ・イン・レッド
12.苦しみを夢に隠して

【アルバム紹介】
1.名テナー・サックス奏者スタン・ゲッツ、ワン・ホーン・カルテットによるスタンダード集
2.ソフトでクールなトーンのテナーが洗練されたムーディな雰囲気を醸しだす
3.バックのメンバーがそれぞれ違う3回のセッションでのレコーディング音源で構成

前回ご紹介しましたジョニー・グリフィンのワン・ホーン・カルテット作に続き、今回もテナーマンのワン・ホーンの傑作になります。
スタン・ゲッツは60年代にボサノヴァ路線での大ヒット作『ゲッツ/ジルベルト』があることから、ボサノヴァ系のプレイヤーと思われてしまうことがありますが、実際はストレート・ジャズも卓越したプレイで聴かせる名手です。そんなゲッツのボサノヴァ以前の名演を収録したスタンダード集が本作です。

ゲッツのテナーの特徴はなんといってもソフトでクールなトーンですが、バリバリとブロウする他のテナーマンと違い、どこか洗練されたムーディな雰囲気をたたえているところが魅力です。そんな良さが本作では、ワン・ホーン・カルテットの編成ゆえ、存分に聴くことができます。

本作は1949年6月、1950年1月、4月と3回のセッションでのレコーディング音源で構成されており、それぞれバックのピアノ・トリオのメンバーが違うというものになっています。その中でピアノのアル・ヘイグだけが2日分のセッションに参加しており、見事なサポートを聴かせています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
季節的にはちょっと早いですが“インディアン・サマー”。

ゲッツのテナーのクールなトーンはこういう雰囲気のあるスタンダード曲によく馴染みます。
作曲したのはオペレッタ等で知られる作曲家のヴィクター・ハーバートで、スイング時代にはトミー・ドーシー楽団の演奏で、フランク・シナトラなどが歌ったヴォーカル曲として歌われることが多い曲だったようです。その後インスト曲でも多くの演奏があり、今はスタンダード曲として定着している1曲です。
本作のゲッツの演奏はややアップテンポなスイング・ビートで心地よく軽快さを前面に出した快演を聴かせています。ソロの流麗でソフトなフレージングは独壇場といえます。
季節はまだ真夏ですが、あと少しすると、この曲がピッタリとフィットする秋の小春日和が訪れると思われます。そんな1日が待ち遠しいですね。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年08月13日 10:00