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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.147

マイルス・デイヴィス『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』(1957)

MDR

マイルス・デイヴィス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

Track 2         1955年10月26日録音
Track 4 to 6  1956年6月5日録音
Track 1, 3   1956年9月10日録音

曲目(オリジナルLP発売時):
01.ラウンド・ミッドナイト
02.アー・リュー・チャ
03.オール・オブ・ユー
04.バイ・バイ・ブラックバード
05.タッズ・デライト
06.ディア・オールド・ストックホルム

【アルバム紹介】
1.毎年9月28日はマイルス・デイヴィスの命日
2.メジャー大手コロムビア移籍第1作
3.ミュート・トランペットによる名プレイ連発のスタンダード名演

前回はジョン・コルトレーンの誕生日の翌日だったため、その名盤を取り上げましたが、今回は2日前の9月28日がその命日で、1991年にその生涯を閉じた、ジャズ界の帝王ことマイルス・デイヴィスの傑作になります。2021年は没後30年になりますが、コルトレーンと同じ年生まれのマイルスにとっては生誕95年の記念イヤーにもなっております。

本作は、マイルス・デイヴィスがプレスティッジ・レーベルを離れ、メジャー大手であるコロムビアに移籍した第1作となったアルバムで、1曲を除き、脱プレスティッジのために駆け足吹き込みが行われた“マラソン・セッション”(WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.110~113参照)のレコーディング期間の間に行われたセッションで構成されています。

マイルスはミュート・トランペットによる名プレイを連発、タイトル曲はじめ、“オール・オブ・ユー”、“バイ・バイ・ブラックバード”などどれもスタンダード名演として知られているものです。
メンバーは“マラソン・セッション”と同じくジョン・コルトレーン他、レギュラー・クインテットの面々となります。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ミュート・トランペット名演 “バイ・バイ・ブラックバード”。

アルバム・タイトル曲の“ラウンド・ミッドナイト”こそがハイライト、と思われる方は多いのでは、と想像できますが、ここは敢えて名スタンダードの“バイ・バイ・ブラックバード”を聴いてみましょう。
曲調によるところもありますが、どこかリラックスした中に、見事なプレイが光る名演になっています。
まずレッド・ガーランドのピアノによるイントロが印象的で、フィリー・ジョー・ジョーンズのブラシのリズムの上で、マイルスの存在感たっぷりのミュート・トランペットが名テーマを吹き始めるとどこか空気が一変するように感じ、どんどんその世界の中に引き込まれていきます。
ソロは最初がマイルス、続いてコルトレーン、そしてガーランドに渡り、3者とも自身の持てる歌心を存分に発揮した素晴らしいプレイを聴かせ、やがてテーマの中間部のところへ回帰、エンディングへと向かいます。
本作のもう一つの魅力はこのジャケット。一度聴いたあとはこのジャケットを見るだけで、ここに収録されている音の感じやその雰囲気が十分伝わってくるようになるから不思議です。またこのジャケットが壁のどこかに飾ってあるだけで、音は聴かなくとも、どんな人にも“ジャズ”感が伝わる、そんなオーラも感じます。

国内盤CD(一般普及盤)

 

国内盤LP

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年10月01日 10:00