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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.166

ソニー・クラーク『ソニーズ・クリブ』(1958)

SC

ソニー・クラーク(p)
ドナルド・バード(tp)
カーティス・フラー(tb)
ジョン・コルトレーン(ts)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)

1957年9月1日、ニュージャージーにて録音

曲目(LP初発売時):
01.ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート
02.スピーク・ロウ
03.カム・レイン・オア・カム・シャイン
04.ソニーズ・クリブ
05.ニュース・フォー・ルル

【アルバム紹介】
1.ブルーノートの看板ピアニストの一人ソニー・クラークの人気盤
2.セクステット編成、スタンダード曲と自身のオリジナル曲で構成
3.テナー・サックスのジョン・コルトレーンとの唯一の共演盤

今回はブルーノートの看板ピアニストの一人であったソニー・クラークの人気盤を紹介いたします。 ソニー・クラークは昭和のジャズ・エイジの時代にジャズ喫茶で大ヒットしたブルーノートでの代表作『クール・ストラッティン』(WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.58)で広く知られるハードバップ系のピアニストです。

本作はトランペット、テナー・サックス、トロンボーンの3管を配したセクステット編成で聴かせるエネルギッシュな演奏が聴きどころで、最初の3曲がスタンダード・ナンバー、そのあと2曲がクラークのオリジナル曲という全5曲構成されています(CD化時代にはここにボーナス・トラックが追加)。

メンバーは強力なブルーノートのスター・プレイヤー揃いで、特にテナー・サックスのジョン・コルトレーンとは、ソニー・クラークは本作が唯一の共演となっており、そこが人気盤である所以でもあります。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ジョン・コルトレーンがテーマを吹く“スピーク・ロウ”。

このアルバムは最初の3曲が有名スタンダード曲になっていますが、テーマを吹くのが1曲目はトランペットのドナルド・バード、2曲目はテナー・サックスのジョン・コルトレーン、3曲目はトロンボーンのカーティス・フラーという形でフィーチャーされています。
その2曲目の“スピーク・ロウ”は“マック・ザ・ナイフ”の作曲家であるクルト・ワイルの名曲。
ジョン・コルトレーンが、巧みなアンサンブル・アレンジの中、テーマ・メロディを提示した後、いったんブレイクし、そこから流麗で無駄音一切無しのフレージングによる素晴らしいソロを展開してゆきます。続く、カーティス・フラー、ドナルド・バード、そしてソニー・クラークも非の打ちどころのないソロを聴かせます。
ソニー・クラークはピアノだけでなく作曲のセンスも抜群で天才の呼び名がふさわしいアーティストでしたが、1963年にドラッグが原因となり、心臓発作でこの世を去っています。31歳の若さでした。もしその後の時代を生きていたら、どんな音楽をやっていたか、いろいろな想像が巡ります。

国内盤CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年02月18日 10:00