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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.192

バリー・ハリス『アット・ザ・ジャズ・ワークショップ』(1960)

BH

バリー・ハリス(p)
サム・ジョーンズ(b)
ルイス・ヘイズ(ds)

1960年5月15日、16日、サンフランシスコ、ジャズ・ワークショップにてライヴ録音

曲目(LP発売時):
01.あなたの心は
02.カーテン・コール
03.スター・アイズ
04.ムース・ザ・ムーチ
05.ロリータ
06.モーニング・コーヒー
07.ドント・ブレイム・ミー
08.ウディン・ユー

【アルバム紹介】
1.バド・パウエル直系のビバップ・ピアニスト、バリー・ハリス
2.サンフランシスコでのライヴ・パフォーマンスをとらえたセカンド・リーダー作
3.チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーなどのビバップ・スタンダード+自身のオリジナルを披露

渋好み系ピアニスト特集、今回で最後です。この人ははずせません。バド・パウエル直系のビバップ・ピアニスト、バリー・ハリスです。

このコーナーで以前、シカゴのアーゴ・レーベルでのリーダー作『ブレイキング・イット・アップ』(1958)を取り上げました(WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.176)が、本作はその2年後、1960年、サンフランシスコでのライヴ・パフォーマンスをとらえたセカンド・リーダー作です。
この舞台となったジャズ・ワークショップは1960年代にピークを迎えた名ジャズ・クラブのひとつで、数々のアーティストによって、ここでレコーディングされたライヴ盤もリリースされています。

メンバーはベースにはサム・ジョーンズ、ドラムスにはルイス・ヘイズという実力派を揃え、楽曲はチャーリー・パーカーの“ムース・ザ・ムーチ”、ディジー・ガレスピーの“ウディン・ユー”などのビバップ・スタンダードに加え、自身のオリジナル3曲(TRACK02、05、06)を披露しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
軽くラテン、そしてスインギーな“スター・アイズ”。

前回のフィニアス・ニューボーンJr.のところでも名スタンダードの“スター・アイズ”を紹介させていただきましたが、今回も同じ曲を取り上げます。機会がありましたら聴き比べて解釈の違いを楽しんでみてはいかがでしょう。 軽快なラテン調のイントロに導かれ、バリー・ハリスのピアノがテーマ・メロディーを奏でてゆきますが、ピアノ・ソロに移ると、ビートはスインギーな4ビートとなり、ビバップ・スタイルの見事なプレイを展開します。正攻法で繰り出されるフレーズは端正さが光ります。どこか歌心も漂うようなそんなピアノの調べが最後は上昇をともなう音階でエンディングとなります。
バリー・ハリスは2021年12月8日に新型コロナウイルスによる合併症で、91歳という年齢で惜しくもこの世を去ってしまいましたが、教育者としても熱心な姿勢を持っていたため、世界中に彼を師と仰ぐ数多くのジャズ・ミュージシャンがいます。味のあるオーソドックスなピアノ・スタイルなのですが、じっくり聴くと、とても奥深い、そんなところが人気のピアニストでした。

国内盤SHM-CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年08月26日 10:00