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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.234

グラント・グリーン『アイドル・モーメンツ』(1965)

GG

グラント・グリーン(g)
ジョー・ヘンダーソン(ts)
ボビー・ハッチャーソン(vib)
デューク・ピアソン(p)
ボブ・クランショウ(b)
アル・ヘアウッド(ds)

1963年11月4日、15日、ニュージャージーにて録音

曲目(オリジナルLP発売時):
01.アイドル・モーメンツ
02.ジャン・ド・フルール
03.ジャンゴ
04.ノマド

【アルバム紹介】
1.ソウルフルなシングル・トーンのプレイが特徴のギタリスト、グラント・グリーン
2.メンバーはブルーノートの実力派の面々が参加
3.ブルーでマイナー調のテーマ・メロディーを持ったタイトル曲が聴きどころ

今回でギタリスト特集は最後になります。ソウルフルなシングル・トーンのプレイが特徴のグラント・グリーンの傑作をご紹介しましょう。

グラント・グリーンはジャズ・ギタリストの中でも、ホーン楽器のプレイヤーのような演奏をするスタイルで、非常に豊かなフレーズ感覚を持ったプレイがその魅力になっています。
本作のように、テナー・サックス、ヴィブラフォンなどが入った編成ではアンサンブル的にも映える存在感をアピールします。

そのテナー・サックスにはジョー・ヘンダーソン、ヴィブラフォンにはボビー・ハッチャ―ソン、ピアノにはデューク・ピアソンら、ブルーノートの実力派の面々が顔をそろえており、楽曲はデューク・ピアソン作の2曲(01、04)と、グラント・グリーンのオリジナル曲(02)、MJQの演奏で有名なナンバー(03)という構成で、聴きごたえ十分な内容になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
超スローで長尺なタイトル・チューン“アイドル・モーメンツ”。

この曲はピアノのデューク・ピアソンの作曲によるもので、超スローなテンポで進行してゆき、各人のソロもたっぷり、実に15分近くにわたっての演奏になっています。
それゆえ、あらためて7分台の短いテイクを録ってみたものの、最初のテイクの独特のフィーリングはすばらしく、結局この最初のテイクが採用された、という経緯があったようです。
ブルーでマイナー調のテーマ・メロディーが印象に残りますが、ギター、ピアノ、ヴィブラフォンによるアンサンブル、ピアノが追いかけるようなオブリガートを聴かせて曲は進んでゆきます。
テーマが終わるとまずギター・ソロが始まり、このゆったりしたテンポに徹してソロをとるグラント・グリーンは聴きものです。続いてピアノ、テナー・サックス、ヴィブラフォンとソロは移ってゆきます。個人的にはテーマ部分では一切音をだしていないテナー・サックスのジョー・ヘンダーソンのソロが入ってくるところが渋くて良いです。あと音色的なことでいえばボビー・ハッチャーソンのヴィブラフォンの響きは本作ではひとつのカラーになっています。
静かにジャズを聴いて浸りたい、という気分の時には非常にいい1曲で、思っているほど長さも感じられません。

国内盤SHM-CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年06月30日 10:00