特集:20世紀のジャパニーズ・プログレッシヴ・ロック
1960年代後半のイギリスに生まれたプログレッシブ・ロックは、のち日本のロックにも取り込まれ、独自の進化を遂げていった。20世紀の日本が生み出した「ジャップス・プログレ / ジャパグレ」作品をいくつかご紹介。
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四人囃子『一触即発』
74年発表のデビュー・アルバムにして、日本のロック史に輝く金字塔。当時アメリカやイギリスで主流となっていたハードロックやプログレッシヴ・ロックを独自に解釈したサウンドと、"おまつり(やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった)"をはじめとした不思議な歌詞世界によって、単なる海外ロックへの憧れや焼き直しに留まらない、唯一無二の世界観を構築している。
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フライド・エッグ『ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン』
成毛シゲルとつのだ・ひろがストロベリー・パスとして箱根アフロディーテに出演した際、ベースに起用した高中マサヨシが正式に加入、バンド名を改めて発表したアルバム。ブルース&ファンク・ベースのハード・ロックとメロウなバラードというストロベリー・パスからの持ち味に加え、よりポップに、よりプログレッシヴに進化した傑作。 (C)RS
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マジカル・パワー・マコ『マジカル・パワー<限定盤>』
奇才マジカル・パワー・マコが18歳にして創り上げた唯一無二の音世界。灰野敬二も参加した、破天荒でプログレッシヴでアバンギャルドなデビュー・アルバム(1974年発表) (C)RS
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ミッキー・カーチス&サムライ『河童』
スクエアなハードロックから、沖縄音階を取り入れたアシッドフォーク、アブストラクトなインプロビゼーション大作まで、ミッキー・カーティス率いるサムライがヨーロッパから帰国後に発表した国内1stアルバム。山内テツ、原田裕臣参加(1971年発表)。 (C)RS
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デジャ・ヴ『バロック・イン・ザ・フューチャー』
「ヴァルキリープロファイル」、「スターオーシャン」、「ダークソウル」シリーズ等数々のゲームミュージックを手掛けた日本が世界に誇る天才作曲家・桜庭統。そのキャリアのスタートを切ったバンド「デジャ・ヴ」'88年デビュー作がボーナストラック収録で紙ジャケットCD化
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桜庭統『戯曲音創』
日本が世界に誇るゲーム・ミュージック・クリエイター桜庭統がデジャ・ヴ解散後、91年発表した記念すべきファースト・ソロ・アルバムが紙ジャケットCD化!バックにノヴェラの下田武男(ds)と後期デジャ・ヴに参加した井下憲(b)を迎え、デジャ・ヴ時代のサウンドを基本に、よりシンフォニックかつクラシカルな要素を押し出したドラマティックな内容に仕上がった一枚。
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ページェント『螺鈿幻想』
インディーズ・プログレ史上に輝く名盤との呼び声も高い、ページェント幻のファースト・アルバム!静から動、陰から陽、目まぐるしく展開する独自の様式美に満ちた完成度高い楽曲、圧倒的な存在感を放つ妖艶且つ崇高なヴォーカルも完璧。 (C)RS
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新月『新月』
日本を代表するシンフォニック・ロック・バンド新●月。しばらく入手困難だったファースト・アルバムが番号も新たに再登場。SHM-CD、紙ジャケット、Kbd花本彰によるリマスターという以前の仕様に加えて、今回はオリジナルのデザインを使用した二つ折りインサートを新たに加えた決定版!日本の叙情シンフォニック・ロックの屈指の名作。精緻なアレンジと吟味されたメロディが織り成す唯一無比の世界を堪能できる。 (C)RS
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ミスター・シリウス『ダージ』
至上の情念に飾られた、ロック・ミュージックへの挽歌(タージ)。複雑多岐に亘る演奏力と高度なサウンド・コンセプトによって極上のプログレッシヴ・ロックへと昇華させた"ミスター・シリウス"の世界に誇るべき傑作セカンド・アルバム! (C)RS
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KENSO『夢の丘』
ケンソーの"心"技"体"が究極の高みで融合、有機的に結実した最高傑作!ドラマティック且つ洗練されたコンセプト・アルバム! (C)RS
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美狂乱『パララックス』
圧倒的なオリジナリティと驚愕の完成度を更に突き詰め、唯一無二の"美狂乱"ワールドを確立した圧巻のセカンド・アルバム!5編から成る超大作「組曲『乱』」は必聴! (C)RS
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フラワー・トラベリン・バンド『SATORI』
内田裕也プロデュースによる日本のロックを代表する大名盤。オリジナルの発売は1971年。50年近く前に内田裕也プロデュースによる日本のロックを代表する大名盤。サイケデリックかつドロっとしたサウンドにブリティッシュロック、ハードロック、プログレの要素を初めて日本で体現した歴史的名盤。ボートラ1曲収録、2017年リマスター。今聴いても身震いが止まりません。
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天井桟敷『身毒丸』
SHM-CD
アナログ盤
シーザーの一つの到達点とも言える『説教節の主題による見世物オペラ』。ロック・クラシック・邦楽・ケチャなどジャンルを超えた音楽的要素が渾然一体となって中世説話の世界と戦前の日本がないまぜになった母捨ての物語が血なまぐさく描かれる。オープニングから「慈悲心鳥」にかけての、和太鼓のリズムと弦楽器の融合、その間を流れるスピード感あふれる森岳史のギター、そして独特の言語感覚による台詞...まさに圧巻の一語。 1978年作品 (C)RS
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カルメン・マキ&OZ『カルメン マキ & OZ』
ジャニス・ジョプリンに影響を受けたカルメン・マキが春日博文らとともに1972年に結成したロックバンドが、1975年1月に発表した記念すべきファーストアルバム。なんといっても、約12分にも及ぶ「私は風」は日本ロック史上にも残る名曲。
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スターレス『銀の翼』
Blu-spec CD
CD
飛び交う対旋律によって生まれる情景描写、緻密な構築と展開移行で具現化される音空間-聴く者をパラレル・ワールドへと導く伝道師"スターレス"のデビュー作!ドラマティック過ぎるプログレ・ハードが凄まじいまでの完成度でそびえ立つ! (C)RS
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NOVELA『サンクチュアリ(聖域)』
リリシズム溢れる欧州浪漫(ユーロマン)の世界・・・コンセプト、楽曲、サウンド、全ての要素が高次元で昇華したノヴェラ最高傑作との呼び声も高い4thアルバム!!第二期ノヴェラ処女作にして再重要作!!荘厳な美しさが際立つ名曲「黎明」収録。
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ケネディ『ケネディ!』
関西のロック・シーンの黎明期から カリスマ/DADAを率いて活動をしてきた泉陸奥彦が1985年に結成したケネディ。マハビシュヌ・オーケストラを彷彿とさせるエネルギッシュでテクニカルな作風で名を馳せ、ケネディの真髄はライヴにありといわれた名バンド。そんな名演を聴くことのできる'87年のライヴ盤が本作。再CD化!
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Vienna『ステップ・イントゥ…』
更なる進化及び深化…遂に本性を現した"ヴィエナ"壮絶なセカンド・アルバム! (C)RS
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ブラック・ペイジ『オープン・ザ・ネクスト・ペイジ』
驚異の天才集団、ブラック・ペイジ衝撃のデビュー!ウルトラ・テクニシャン達によって繰り広げられる壮絶な演奏とエナジー!あなたの音楽史に新しいページを切り開く、"ザ・ネクスト・ペイジ"!超絶技巧による音の真髄を聴け! (C)RS
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マグダレーナ『マグダレーナ』
バロックの香り高き、ハード・ロマネスク!"マグダレーナ"のデビュー・アルバム!クラシカルに響き渡る優雅で麗しきメロディ、劇的に構築された展開美、天女が如くハイトーン、全てが高次元で融合した極上のプログレ名盤! (C)RS
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アイン・ソフ『帽子と野原』
究極のインストゥルメンタル集団、アイン・ソフの傑作セカンド・アルバム!これぞ日本を代表するプログレッシヴ・ジャズ・ロックの名盤! (C)RS
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ファーラウト『日本人』
アナログ盤
CD
宮下フミオを中心に頭脳警察の左右栄一らと1971年結成。当初はハード・ロックを得意としていたが、同年、宮下が喜多嶋修とのアルバム(サイケデリック・フォークのスタイルでスケールの大きな精神世界を描いた)『新中国』をコラボレーションしたことがきっかけとなり、ゲストに喜多嶋修、ジョー山中を迎え、そこで試みたコンセプトを拡大していったのが本作。AB面各1曲全2曲の構成は、60年代サイケデリック・ムーヴメントにあった解放感に、タンジェリン・ドリームやクラウス・シュルツらのエレクトロニクス手法を加え、さらにはより深い精神世界を表現したトータル・コンセプト・アルバムとなっている。瞑想的世界を音像化した本作は、世界的にもタンジェリン・ドリーム『エレクトロニック・メディテーション』と並び賞された名盤である。翌74年、解散。宮下はこのコンセプトを受け継ぐファー・イースト・ファミリー・バンドを結成し世界に進出する。 (C)RS
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MOONDANCER『MOONDANCER<数量限定盤>』
後にVOW WOWへ加入することになる厚見玲衣が率いる「サイレン」がムーンダンサーに改名して79年に発表した、華麗なるデビュー・アルバムにしてジャパニーズ・プログレッシヴ・ロックの金字塔。
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アウターリミッツ『少年の不思議な角笛』
壮大なシンフォニック・ロックで圧倒的な人気を博したアウターリミッツ!名盤との誉れ高きセカンド・アルバムは"魔力を持った角笛"を題材にした本格的トータル・コンセプト・アルバム。ドラマティックに展開する楽曲群は、まさに一大絵巻! (C)RS
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夢幻『レダと白鳥』
怪奇、幻想、ロマン、エロス、デカダンス、夢、そしてシンフォニー。超豪華ゲスト陣を迎えた"夢幻"の最高傑作との呼び声も高いセカンド・アルバム!オリジナル未収録の貴重な「亡き王女のためのパヴァーヌ(vocal version)」収録。 (C)RS
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ASTURIAS『クリプトガム・イリュージョン』
アストゥーリアスの新境地ともいえるサード・アルバム。生楽器を大胆に導入、深みのあるアコースティックの響きを取り入れ、格段に音楽的表現力を増した。透明感に溢れた幻想的なサウンドが織り成す耽美的な世界がここに極まった。 (C)RS
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GERARD『アイロニー・オブ・フェイト』
荘厳さに満ちたドラマティックな展開、テクニカル且つハードな洗練されたサウンド!まさにジェラルドならではのオリジナリティに溢れた壮大な世界が無限に広がる渾身のサード・アルバム! (C)RS
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TAO『FAR EAST<生産限定盤>』
伝説のロボットアニメ「銀河漂流バイファム」OPテーマ、EDテーマ収録!!‘80年代初頭に活動していたヴァイオリンをフィーチャーしたロックバンド、TAO(タオ)のアルバム「FAR EAST」(’83年)をSHM-CDにて初復刻。
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コスモス・ファクトリー『トランシルヴァニアの古城』
伝説のGSバンド、サイレンサーを母体に1970年、名古屋で結成。東京に拠点を移し1973年、コロムビアより本作でレコード・デビュー(この後東芝EMIに移籍し3枚のアルバムをリリース。1977年解散)。ムーグ・シンセサイザーとメロトロンを多用したミステリアスなサウンドと呪術的な雰囲気は、ピンク・フロイドやムーディー・ブルースをイメージさせ、当時のシーンにあっては特異かつ突出していた。また、日本に紹介されたヨーロッパのプログレッシヴ・ロックを日本語とその叙情性で日本独自のプログレッシヴ・サウンドを作り上げた。本作ではB面全てを使った大曲「トランシルヴァニアの古城」とメトロトロンにファルセット・ボーカルが絡む「神話」が白眉。四人囃子『一触即発』と並び日本のプログレシッヴ・ロックを代表する1枚と世界的に評価の高いアルバム。 (C)RS
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ストロベリー・パス『大烏が地球にやってきた日』
成毛しげる、つのだひろが、ゲストに江藤勲をむかえ、ストロベリー・パス名義で1971年に発表した唯一のアルバム。クラシカルノイジーな雰囲気を漂わせる成毛のギター・プレイはやはり秀逸。1曲目はゲストで柳ジョージがボーカル。
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テルズ・シンフォニア『ヒューマン・レース・パーティー』
平山照継率いるテルズ・シンフォニア充実のセカンド・アルバムは"ヒューマニズム"をテーマに掲げたトータル・コンセプト・アルバム!静から動まで展開美に溢れた精緻な楽曲構成はさらに成熟度を増し、アルバムとしての完成度の高さも秀逸。 (C)RS
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ブルース・クリエイション『悪魔と11人の子供達』
SHM-CD
アナログ盤
1971年に日本コロムビアより発売された本作は日本ロック史に燦然と輝くブルース・ロックの金字塔! 帯付オリジナル・アナログ盤は市場価格10万円以上の超プレミアム盤!!メンバーは竹田和夫(g,vo)、大沢博美(vo)、佐伯正志(b)、樋口晶之(ds)の4人編成。 (C)RS
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玉木宏樹&S・M・T『TIME PARADOX』
東京芸大出身の異能ヴァイオリニスト、玉木宏樹が‘75年に発表した初のソロ・アルバムにして、日本のプログレ史を語る上で避けては通れない名盤が、玉木本人監修によるリマスタリング、ライナーノーツ執筆にて待望の復刻!
タグ : プログレッシブロック (Progressive Rock)
掲載: 2023年07月20日 19:48