注目アイテム詳細

WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.241

ジョン・コルトレーン『オレ!』(1961)

JC

ジョン・コルトレーン(ss,ts)
エリック・ドルフィー(fl,as)
フレディ・ハバード(tp)
マッコイ・タイナー(p)
レジー・ワークマン(b)
アート・デイヴィス(b)on1,2track
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1961年5月25日ニューヨークにて録音

曲目(オリジナルLP発売時):
01.オレ!
02.ダホメイ・ダンス
03.アイシャ

【アルバム紹介】
1.アトランティック・レーベルに最後に吹き込まれた異色盤
2.スパニッシュ・フレイヴァーとコルトレーン
3.エリック・ドルフィー、フレディ・ハバードらが参加し、ベースは2人

ジョン・コルトレーン特集3枚目にご紹介するのはアトランティック・レーベルでの最後の吹き込みとなった『オレ!』です。

タイトルからわかる通り、スパニッシュ・フレイヴァーを取り入れたタイトル曲がすべてを物語る非常にユニークなアルバムです。 3拍子(6拍子)を延々と繰り返す中でソロを展開してゆく様は前回ご紹介した「マイ・フェイヴァリット・ソング」とある意味似ており、また長尺な演奏になっているところも同じです。

メンバーはフルートとアルト・サックスにエリック・ドルフィー、トランペットにフレディ・ハバード、ピアノにマッコイ・タイナー、ベースは2人参加しており、レジー・ワークマンとアート・デイヴィス、そしてドラムスはエルヴィン・ジョーンズという、なかなか強力な面々が揃っています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
コルトレーン流スパニッシュ・チューン“オレ!”。

スパニッシュ・フレイヴァーのジャズ・アルバムといえばマイルス・デイヴィスの有名な『スケッチ・オブ・スペイン』を思い浮かべますが、このアルバムはある意味、そのコルトレーン版ともいうべきもので、タイトル曲である“オレ!”にその魅力が集約されています。
まずベースに3拍子(6拍子)のリフが現れ、そこにドラムスとピアノが加わりイン・テンポになってゆきます。最初にコルトレーンのソプラノ・サックスによってテーマらしいものが提示され、続いてエリック・ドルフィーによるフルート・ソロへと移ります。次にフレディ・ハバードのトランペット・ソロ、そしてマッコイ・タイナーのピアノ・ソロを経て、ベース2人のアルコ弾きと指弾きによるソロの展開があり、徐々にカオスになってゆきます。そんな中からコルトレーンのソプラノ・サックスが現れ高揚感が増して音楽が最高潮を迎え、テーマへ回帰します。音がややトーン・ダウンしたところで延々とリズムは続いてゆき、エンディングとなります。
この曲は18分以上と非常に長い演奏になっており、この時期のコルトレーンの演奏はいい演奏ほど曲が長くなっており、安易にフェイドアウトして短くしていないところが時代を感じさせます。 なお、本作を最後にコルトレーンはインパルス・レーベルに移籍することになります。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年08月18日 10:00