『激ロック』スペシャルコーナー【8月レコメンドアイテム】
HOT MILK / 『A Call To The Void』
GENRE : EMO, ALTERNATIVE ROCK
Han Mee&Jim ShawのツインVo率いる英マンチェスター発の新たなロック・スター
HOT MILKのデビュー・アルバム完成!
THE SMITHSやOASISなど、偉大なロック・バンドを多く輩出しているイギリスはマンチェスターから登場した期待の若手によるデビュー・アルバム。男女のツイン・ヴォーカルを最大の特徴としており、00年代のエモやポップ・パンクを彷彿させるサウンドからヘヴィなオルタナティヴ・ロック、ブリティッシュらしいリフを軸としたロックにダンス・ミュージックの要素まで、多彩なジャンルをブレンドさせたハイブリッドな音楽性が織りなす楽曲群は、どれも抜群にキャッチーでライヴでの盛り上がりが想像できる出来栄え。今を生きる若者の複雑な心情を時に痛切な表現で描くリリックも誠実さを感じさせるし、すでに熱狂的なファン・ベースを築いているというのも納得だ。日本で人気が出るのも時間の問題だろう。
井上 光一【ライター推薦】
FROM ASHES TO NEW / 『Blackout』
GENRE : LOUDROCK, MIXTURE
ロック×ラップの正統派進化系!懐かしさと新しさを包括したFATN最新作!
正統派なラップ・ロックを奏でつつ、トレンド感のあるポップなヒップホップの要素を生かすFROM ASHES TO NEW。今作は、LINKIN PARKとも比較されることの多いメロディの心地よさに加え、メタルコアのヘヴィネスと甘さ控えめのダークなラップ・パートが畳み掛ける緩急がより際立って、聴く者を飽きさせない。エモい歌メロに涙腺を刺激されるような楽曲もあれば、思い切りヒップホップに舵を取ったクールな楽曲もあり、さらにはMEMPHIS MAY FIREのMatty MullinsをゲストVoに迎えた、ヘヴィなシャウトが炸裂する楽曲などなど、ジャンルをミックスした多彩な表現は聴きどころ満載。懐かしさと新しさが共存した、聴くたびに発見のあるアルバムだ。
山本 真由【ライター推薦】
Nita Strauss / 『The Call Of The Void』
GENRE : HEAVY METAL, HARD ROCK
今、最も注目される技巧派女性ギタリストが放つ待望のソロ・アルバム第2弾!
卓越したテクニックと華やかなルックスを持ち合わせ、現在最も注目を集める女性ギタリスト、Nita Straussがソロ名義で2ndアルバムをリリース。ARCH ENEMYのAlissa White-GluzやDISTURBEDのDavid Draiman、HALESTORMのLzzy HaleにIN FLAMESのAnders Fridénなどなど、ここでは挙げ切れないほどの超豪華なゲスト・ヴォーカリスト陣を多数迎えた、ハード且つ艶やかでメロディアスな楽曲が目白押しの作品で、コンポーザーとしての才能をも発揮した興味深い内容となっている。もちろんテクニカルなギター・インストゥルメンタル曲も収録されており、Marty Friedmanとの夢のギター対決なども聴きどころであろう。
井上 光一【ライター推薦】
SEVENDUST / 『Truth Killer』
GENRE : ALTERNATIVE METAL, LOUDROCK
音楽的冒険にも果敢に挑戦しながら
核は決して失わない姿勢に感服せざるを得ないSEVENDUST通算14枚目
1990年代にデビューしたいわゆるニューメタル~オルタナティヴ・メタルと呼ばれたバンドたちの中で頭角を現し、同時代のバンドの多くが解散していくなかで定期的に質の高い作品をリリースし続けて商業的な成功も収め、メンバー・チェンジをほとんど経験することもなく安定した活動を続ける稀有なバンド、それがSEVENDUSTである。通算14枚目となる本作においても、シーンでは珍しい黒人ヴォーカリストのLajon Witherspoonによるソウルフルな歌唱と熱いメロディ、鉄壁のヘヴィ・グルーヴを軸とした楽曲群は健在ながら、1曲目には現代的なエレクトロ風の要素も導入するなど、音楽的冒険にも果敢に挑戦。それでいて、バンドの核は決して失わない姿勢に感服せざるを得ない貫禄の1枚だ。
井上 光一【ライター推薦】
SIGNS OF THE SWARM / 『Amongst The Low & Empty』
GENRE : DEATHCORE
サウンド自体は洗練を感じさせながらも、純然たる暴力性は過去最高レベル
SIGNS OF THE SWARM通算5枚目のアルバム
来日経験もあるUSデスコアの雄による通算5枚目にして、名門 Century Media Recordsに移籍後初となるアルバム。かつては、後にLORNA SHOREに加入(そして脱退)するCJ McCreeryも在籍、紆余曲折を経ながら常に前進を続けてきたバンドだ。David Simonichによる極悪極まりないグロウル、Bobby Crowの超人的なドラムスはますます冴えわたり、サウンド自体は洗練を感じさせながらも、純然たる暴力性はむしろ過去最高レベル。流行に追従せずに己の鳴らすべきデスコアを追求した結果、彼らのキャリアの中でも重要な1枚へと仕上がった印象だ。TRIVIUMのMatthew Kiichi Heafyのゲスト参加にも注目を。
井上 光一【ライター推薦】
MAMMOTH WVH / 『Mammoth II』
GENRE : HARD ROCK, ALTERNATIVE ROCK
小細工抜きのヘヴィ且つメロディアスな
王道アメリカン・ハード・ロックの粋を楽しめるMAMMOTH WVHの2ndアルバム
故Eddie Van Halenの息子という重圧もどこ吹く風、マルチな才能で現代ハード・ロック・シーンにおいて確かな存在感を放つWolfgang Van Halenのソロ・プロジェクト、MAMMOTH WVHの最新作2ndアルバム。前作『Mammoth WVH』(2021年)に引き続きすべての楽器演奏とソングライティングをひとりで手掛けた本作、基本路線は踏襲しつつもすべての要素がビルドアップされ、小細工抜きのヘヴィ且つメロディアスな王道のアメリカン・ハード・ロックの粋を楽しめる内容となっている。ラスト曲の「Better Than You」はTHE BEATLES風のサウンドを現代的なヘヴィ・ロックへと進化させたような楽曲で、彼のまた違った一面を知ることができるだろう。
井上 光一【ライター推薦】
Marc Hudson / 『Starbound Stories』
GENRE : POWER METAL
DRAGONFORCEのフロントマン Marc Hudsonがソロ・デビュー!
日本のアニメやゲーム音楽などに影響を受けたクサメロぶりを心ゆくまで楽しめる1枚!
DRAGONFORCEのフロントマン、実力派ヴォーカリストのMarc Hudsonが待望のソロ・デビュー。自らギターも弾いてプロデュースも手掛けるなど多才な才能を存分に発揮した本作は、日本のアニメやゲーム音楽などに影響を受けたというのも納得のキャッチーさ、キラキラしたキーボードの音色も含めていい意味で聴きやすいクサメロぶりを心ゆくまで楽しめる内容となっている。日本語で歌い上げる「One More Sight Of The Sun With You」はTVアニメの主題歌に起用されてもおかしくない出来栄えで、ファンならずとも必聴であろう。RYUJINのRYOJIやGALNERYUSのSYUといった日本が誇るギタリストもゲスト参加、作品に華を添えている。
井上 光一【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2023年08月22日 14:27