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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.242

ジョン・コルトレーン『コルトレーン』(1962)

JC

ジョン・コルトレーン(ss,ts)
マッコイ・タイナー(p)
ジミー・ギャリソン(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1962年4月11日、6月19日、20日、29日ニュージャージーにて録音

曲目:
01.アウト・オブ・ジス・ワールド
02.ソウル・アイズ
03.ジ・インチ・ワーム
04.トゥンジ
05.マイルス・モード

【アルバム紹介】
1.インパルス・レーベルでのレギュラー・カルテット初レコーディング作
2.アルバム・タイトルは『コルトレーン』
3.テナー・サックス、ソプラノ・サックスを使い分け、オリジナル2曲を含む全5曲収録

ジョン・コルトレーン特集最後の4枚目にご紹介するのはインパルス・レーベルでのコルトレーンのレギュラー・カルテット初レコーディングとなった一作です。

タイトルが『コルトレーン』というアルバムは1957年にプレスティッジ・レーベルにもありますが、編成も違って、グンとストレートさが増しているのが本作です。
新レーベルで、自身のカルテットを率いての意気込みさえ感じられる内容です。

楽曲は全部で5曲収録されており、14分に及ぶ長尺の8分の6拍子の“アウト・オブ・ジス・ワールド”に始まり、静けさの中にテナー・サックスによる気品が漂うバラード“ソウル・アイズ”、ソプラノ・サックスで聴かせる3拍子の“ジ・インチ・ワーム”、そしてコルトレーンのオリジナル曲“トゥンジ”、“マイルス・モード”の2曲が続く構成。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
エモーショナルな緩急のテンポの変化が魅力の“ソウル・アイズ”。

この曲は“レフト・アローン”などの名曲の作曲者である、ピアニストのマル・ウォルドロンのオリジナル曲で、コルトレーンの本作での演奏はこの曲のジャズ史に残る名演のひとつです。
コルトレーンのテナーによる導入で極めてナイトリーな雰囲気を伴いながら曲は始まります。テーマを提示し終わると、ピアノ・ソロとなりますが、テンポもバラードから一転してアップテンポとなり、情感豊かに進行してゆきます。やがて、ソロがコルトレーンのテナー・サックスに移り、歌心たっぷりのフレージングで魅了します。ソロが一段落するとテンポは再びスローに戻り、テーマ回帰となり、ジェントリーなエンディングへとすすみます。
このアルバムのあと、インパルス・レーベルでは有名な『バラード』や『至上の愛』といった傑作を世に送り出し、その音楽性は徐々にフリー・ジャズに接近して数々のアルバムを創出していったコルトレーンですが、1967年7月に肝臓癌のため40歳という若さでこの世を去りました。いまだに多くのジャズ・ミュージシャンに影響を与えているレジェンドであり、もし70年代や80年代まで生きていたとしたら、どんな音楽をやっていたのだろう、またマイルス・デイヴィスと共演することはあったのだろうか、など、そんな想像をしてしまいたくなるアーティストです。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年08月25日 10:00