WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.264
ハンク・モブレー『ロール・コール』(1961)
ハンク・モブレー(ts)
フレディ・ハバード(tp)
ウィントン・ケリー(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・ブレイキー(ds)
1960年11月13日、ニュージャージーにて録音
曲目(LP初発売時):
01.ロール・コール
02.マイ・グルーヴ・ユア・ムーヴ
03.テイク・ユア・ピック
04.ア・バプティスト・ビート
05.ザ・モア・アイ・シー・ユー
06.ザ・ブレイクダウン
【アルバム紹介】
1.テナー・サックス奏者ハンク・モブレーのブルーノートでのリーダー作
2.強力なメンバーからなるクインテットによる充実したハードバップ・サウンド
3.楽曲は1曲スタンダードを除きモブレーのオリジナル
クインテット編成の名盤、今回はテナー・サックス奏者のハンク・モブレーのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバムを取り上げます。
ハンク・モブレーは自身のリーダー作の数多くをブルーノート・レーベルに残しており、中でも傑作を言われるのがワン・ホーン・カルテット編成の『ソウル・ステーション』(1960)、クインテット編成の本作、そしてギター入りのクインテット編成の『ワークアウト』(1962)の3作といわれている通り、ここでは非常に充実したハードバップ・サウンドが聴けます。
メンバーはトランペットにフレディ・ハバード、ピアノにウィントン・ケリー、ベースにポール・チェンバース、ドラムスにはアート・ブレイキーといった強者揃いの顔ぶれになっています。
楽曲は5曲目のスタンダードを除き、すべてモブレーのオリジナルで、コンポーザーとしての才能をも伝える一枚です。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
強靭なハードバップ・チューン“ロール・コール”。
多くのアルバムがそうであるように、タイトル曲というのは他の曲に比べて力が入っているもので本作も例外ではありません。この曲は本作の中では10分を超える熱演になっており、ハードパップの醍醐味を十分堪能できるものです。
イントロはアート・ブレイキーの活きのいいドラム・ソロで始まり、トランペットとテナー・サックスのハモリによるフレーズの後、力強いテーマ・メロディが提示されます。ソロは、まずハンク・モブレーのテナーが飛び出し、快速なビートの上を自在なフレージングで進行します。続いて、フレディ・ハバードのトランペットが切れ味抜群のソロでぐいぐいと引っ張ってゆきます。その次はウィントン・ケリーのピアノへとソロが移り、最後はアート・ブレイキーのドラムスが暴れまくります。やがてテーマに回帰し、エンディングへとなだれ込みます。
ハンク・モブレーは本作のレコーディングの頃、マイルス・デイヴィスのクインテットに在籍していた時期にあたり、ウィントン・ケリーやポール・チェンバースも同クインテットのメンバーでもありました。また、アート・ブレイキーは本作で共演のフレディ・ハバードを後々自身のジャズ・メッセンジャーズに招きいれます。そういったいろいろなバンド事情?を知って本作を聴くと興味深いものがあります。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2024年02月16日 10:00