WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.268
ソニー・ロリンズ『ソニー・ロリンズ Vol.1』(1957)
ソニー・ロリンズ(ts)
ドナルド・バード(tp)
ウィントン・ケリー(p)
ジーン・ラミー(b)
マックス・ローチ(ds)
1956年12月16日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.デシジョン
02.ブルースノート
03.グロカ・モラを思う
04.プレイン・ジェーン
05.ソニースフィア
【アルバム紹介】
1.テナー・サックスの巨人ソニー・ロリンズのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバム
2.ブルーノート・レーベル・デビューとなった1作
3.自身のオリジナルがメインでストレートなハードバップ・ジャズを展開
クインテット編成の名盤、今回はテナー・サックスの巨人ソニー・ロリンズのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバムを取り上げます。
力強いブロウで知られるソニー・ロリンズですが、本作はブルーノート・レーベル・デビューとなった1作で、代表作として名高い、プレスティッジ・レーベルでの傑作『サキソフォン・コロッサス』と同じ年にレコーディングされており、演奏に関してはここでも文句なしの名演が聴けます。
楽曲は1曲“グロカ・モラを思う”がミュージカル・ナンバーである以外はすべてソニー・ロリンズのオリジナル曲で、メンバーにはトランペットにドナルド・バード、ピアノに名手ウィントン・ケリー、ベースにジーン・ラミー、そしてドラムスには『サキソフォン・コロッサス』と同じマックス・ローチが参加しており、ストレートなハードバップ・ジャズを展開しています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
マイナー・ブルーなハードバップ・ナンバー“デシジョン”。
ソニー・ロリンズは1940年代の終わり頃からプロ活動を始めましたが、1950年代の半ばまでにマイルス・デイヴィスやクリフォード・ブラウンといった数々のジャズ・ミュージシャンと共演し、メキメキと腕を上げました。そしてまずプレスティッジ・レーベルとの契約でリーダー・アルバムを発表してゆきますが、1956年にその契約が満了した後、ブルーノート・レーベルで本作をレコーディングしました。初のブルーノートということで、自身のオリジナルにも力が入り、そんな様子が伺える1曲です。
まずイントロらしいイントロはなくフロント2管によるブルーなテーマが始まります。テーマ提示後はソニー・ロリンズによるテナー・サックスのソロとなり、巧みな表情づけをしながら進行してゆきます。この時26歳ですが、とてもその年齢とは思えない貫禄を感じさせます。続いて、トランペットのドナルド・バードのソロに入りますが、それもまた渋く絶品です。そのあとはウィントン・ケリーのピアノ・ソロがマイナーのいいフレーズを散りばめて聴かせます。そしてドラム・ソロへと移ってゆき、やがてテーマに回帰します。最後の最後まで冒頭のブルーな雰囲気をたたえながら曲を終えます。
ソニー・ロリンズは現在93歳で存命しており、演奏活動はそれほど行っていない様子ではありますが、ある意味リヴィング・レジェンドともいえる人生を歩んでいます。過去に来日公演も多く、大変な親日家としても知られています。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2024年03月22日 10:00